ノーマン・メイラーはユダヤ系の両親の間にニュージャージー州ロング・ブランチで生まれた。彼はブルックリンで育ち、1939年にハーバード大学に入学した。大学で彼は小説に興味を持ち、18歳の時最初の作品を公表した。
メイラーは1944年に陸軍第112騎兵連隊
に入隊し、レイテ島の戦いとルソン島の戦いに従軍した。1945年の終戦と同時に進駐軍の一員として千葉県の館山に上陸、その後銚子に移った。1946年には福島県の小名浜(現在のいわき市)に移り、その後5月に帰国するまで銚子に滞在した。1948年、パリのソルボンヌ大学に入る前に、ベストセラーとなる『裸者と死者』を書いた。それは彼自身の戦中の経験に基づいたものであり、第二次大戦を描いた最良のアメリカ小説のうちの1つとされる。 同作品には銚子の様子の描写があり、彼は後に日本語版の翻訳者に「日本は私が見た国のうちでもっとも美しい国でした」との印象を述べている。1969年、『夜の軍隊』で全米図書賞を受賞。ノーマン・メイラーは6回結婚しており、9人の子供がいる。 2007年11月10日、急性腎不全のためニューヨークのマウントサイナイ病院にて死亡。84歳。
主な作品
『裸者と死者』 - The Naked and the Dead (1948)
『なぜぼくらはヴェトナムへ行くのか?』 - Why Are We in Vietnam? (1967)
『夜の軍隊』 - Armies of the Night (1968)
『マイアミとシカゴの包囲』 - Miami and the Siege of Chicago (1968)
『月にともる火』 - Of a Fire on the Moon (1970)
『性の囚人』 - The Prisoner of Sex (1971)
『死刑執行人の歌 : 殺人者ゲイリー・ギルモアの物語』 - The Executioner's Song (1979)
『ハロッツ・ゴースト』- Harlot's Ghost (1991)
日本語訳
山西英一訳『裸者と死者』改造社、1949 のち新潮文庫
山西訳『バーバリの岸辺』新潮社 1952
山西訳『鹿の園』現代世界文学全集 新潮社、1955 のち新潮文庫
山西訳『ぼく自身のための広告』新潮社 1962
山西訳『一分間に一万語』河出書房新社 1964
山西訳『大統領のための白書』新潮社 1966
山西訳『アメリカの夢』(世界文学全集III 第20巻)集英社、1966
山西訳『彼女の時の時 ノーマン・メイラー短編集』新潮社 1968
山西訳『ノーマン・メイラー全集』全8巻 新潮社、1969
第1・2巻「裸者と死者」
第3巻「バーバリの岸辺」
第4巻「鹿の園」
第5巻「ぼく自身のための広告」
第6巻「大統領のための白書」
第7巻「アメリカの夢」
第8巻「人食い人とクリスチァン」
山西英一訳「ノーマン・メイラー選集」早川書房
『夜の軍隊』1970
『性の囚人』1971
『月にともる火』1972、新版1995
『マイアミとシカゴの包囲』1977
邦高忠二訳『なぜぼくらはヴェトナムへ行くのか?』「選集」早川書房、1970、新版1995
中井勲訳『マリリン その実像と死』継書房 1973
改訂版『マリリン―性と愛の神話』講談社、1981。写真多数
生島治郎訳『ザ・ファイト』集英社、1976
野島秀勝訳『黒ミサ』集英社 1977
野島訳『天才と肉欲―ヘンリー・ミラーの世界を旅して』TBSブリタニカ、1980
飛田茂雄訳『聖ジョージとゴッドファーザー』早川書房 1980
吉田誠一訳 『タフ・ガイは踊らない』早川書房、1985
岡枝慎二訳 『死刑執行人の歌―殺人者ゲイリー・ギルモアの物語』同文書院、1997
斉藤健一訳『奇跡』角川春樹事務所、1998
改題『聖書物語』ハルキ文庫、1999 - 原題 The Gospel According to the Son (1997)
田代泰子訳『なぜわれわれは戦争をしているのか』岩波書店、2003
映画関連
裸者と死者 (1958) 原作
殺しの逢びき (1966) 原作
伝説のマリリン・モンロー (1980) TVM 原作
死刑執行人 (1982) TVM 原作/脚本
ゴダールのリア王 (1987) 脚本/出演
タフガイは踊らない (1987) 監督/製作/原作/脚本 ※第8回ゴールデンラズベリー賞最低監督賞受賞
マリリン・モンロー:ライフ・アフター・デス (1994) 出演
モハメド・アリ かけがえのない日々 (1996) 出演
ビートニク (1999) 出演
O.J.シンプソン裁判 (2000) TVM 脚本
史上最大のスパイ事件 (2002) TVM 製作総指揮/脚本
インサイド・ディープ・スロート (2004) 出演
ノーマン・メイラーを題材とした作品
ロバート・F・ルーシッド編 『ノーマン・メイラー』 冬樹社、1976年