ノーベル賞
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1925年に文学賞を受賞したバーナード・ショーは、ノーベル賞について「ダイナマイトを発明したのは、まだ許せるとしても、ノーベル文学賞を考え出すなんて言語道断だ」「殺生と破壊の手段であるダイナマイトを発明して金を儲けたノーベルの罪も大きいが、世界の人材を序列化するノーベル賞を作ったのは最もゆるせない罪だ」などと皮肉し、受賞するまでに何度も受賞を拒んだことがある[40][41]
3通の遺言

ノーベルの遺言は3通ある[42]。書かれた年次は、順に1889年、1893年、1895年である。1889年の初めて書かれた遺言は破棄されている。

1893年に書かれた2通目は、もっとも形式が整ったものである。具体的な金額が盛り込まれておらず、遺産分配の割合が記されていた。親類・仕事仲間・友人らへ20パーセントを与え、協会や研究所などに16パーセントを寄付し、残りの64パーセントを基金の設立のためにストックホルムの科学アカデミーに移譲するという内容であった。

16パーセント枠にオーストリア平和協会が入っており、「平和運動推進のため」使うよう明記されていた。ベルタ・フォン・ズットナーに宛てた言葉と考えられている。

64パーセント枠について、(生理学と医学を除く分野で)業績を残した者に利子を与えること、そして、受賞要件とはしないが、欧州平和裁判所の設立に関して、政府や国家の偏見と、著作や行動で果敢に戦う者は、候補として推挙すること、なお、選考で国籍や性別を問わないことが記されている。

1895年に書かれた3通目は、ノーベルが翌年夏、ストックホルム・エンシルダ銀行に保管した。2通目以前を無効とする旨が明記されているが、2通目との違いは大きく分けて2点ある。1つは個人相続分が具体的な金額で示され、結果として2通目と比べた総額は実質的に3分の1程度に縮小された点である。内訳は次の通り。なお、兄ロベルトの子供たち4人その他には生前にそれぞれ2万クローナが振り込まれた。

甥ヤルマル:20万クローナ

甥ルードヴィ:20万クローナ

甥エマヌエル:30万クローナ

ゾフィー・ヘス:年金として26000フローリン

オルガ・ボットゲァー嬢(ゾフィーの妹):10万クローナ

アラリック・リードベック:10万クローナ

エリーセ・アンツン嬢:年金として2500フラン

アルフレッド・ハモンド:1万ドル

エミー・ウィンケルマン嬢:15万マルク

マリエ・ウィンケルマン嬢:15万マルク

家政婦のゴーシャー婦人:10万フラン

召使アウグスト・オスワルド:年金として1,000フラン

アウグストの妻アルフォンセ・オスワルド:1,000フラン

元庭師ジャン・レコツ:年金として300フラン

郵便局員デッソル夫人:年金として300フラン

ジョルジュ・ファーレンバック:1899年1月まで毎年5,000フラン

2通目との相違における第2点は、文学賞、医学賞、平和賞の選考主体を新たに指定した点である。これらの選考がスウェーデン王立科学アカデミーには難しいとノーベルが考えていたことが推測されている。

なお、3通目の終わりで指名された遺言執行人は、ラグナル・ソールマンとルドルフ・リリェクイストの2人である。
候補者の予想

2017年以降、クラリベイト・アナリテイクスは、同社が運営する代表的なサイテーションインデックス(学術文献引用データベース)のWeb of Scienceの情報に基づいて、ノーベル賞の有力候補者の予想としてクラリベイト・アナリティクス引用栄誉賞を発表している。2011年のノーベル賞においては、自然科学系の3賞と経済学賞の受賞者9人全員が、過去にトムソン・ロイター引用栄誉賞(現・クラリベイト・アナリティクス引用栄誉賞)で候補に挙げられていた[43]
賞に関する記録

ノーベル賞を2度受賞した人・団体

マリ・キュリー(1903年に物理学賞、1911年に化学賞)

ライナス・ポーリング(1954年に化学賞、1962年に平和賞)

ジョン・バーディーン(1956年と1972年に物理学賞)

フレデリック・サンガー(1958年と1980年に化学賞)

国際連合難民高等弁務官事務所(1954年と1981年に平和賞)

バリー・シャープレス(2001年と2022年に化学賞)


ノーベル平和賞を3度受賞した団体

赤十字国際委員会(1917年、1944年、および1963年)


夫婦でノーベル賞を受賞した組

ピエール・キュリーとマリ・キュリー

フレデリック・ジョリオ=キュリーイレーヌ・ジョリオ=キュリー

カール・コリゲルティー・コリ

グンナー・ミュルダールアルバ・ライマル・ミュルダール

マイブリット・モーセルエドバルド・モーセル(受賞後に離婚)

アビジット・V・バナジーエスター・デュフロ


夫婦で共同受賞した組

ピエール・キュリーとマリ・キュリー(1903年物理学賞)

フレデリック・ジョリオ=キュリーとイレーヌ・ジョリオ=キュリー(1935年化学賞)

カール・コリとゲルティー・コリ(1947年生理学・医学賞)

マイブリット・モーセルとエドバルド・モーセル(2014年生理学・医学賞)

アビジット・V・バナジーとエスター・デュフロ(2019年経済学賞)


親子でノーベル賞を受賞した組

ピエール・キュリー、マリ・キュリーとイレーヌ・ジョリオ=キュリーの親子

ジョゼフ・ジョン・トムソンジョージ・パジェット・トムソンの父子

ヘンリー・ブラッグローレンス・ブラッグの父子

ニールス・ボーアオーゲ・ニールス・ボーアの父子


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