ノーフォーク州
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ブリトン人の一部族イケニ族紀元前1世紀から紀元後1世紀までノーフォークに居住していた。イケニ族はローマによる侵攻の侵攻に対し、47年と、ブーディカが率いた60年の二度にわたり反乱を起こした。二回目の反乱は失敗に終わり、ノーフォークはローマ人が支配した。ローマ時代に道路と港が整備され、各地で農耕が始まった。

東海岸に位置するがゆえに、ノーフォークはスカンディナヴィアならびに北ヨーロッパからの侵入の脅威にさらされており、アングル人サクソン人に対する防御として砦が作られた。イースト・アングリアおよびイングランドという名の元になったアングル人5世紀までにはこの地域の支配を確立し、後に「north folk」 (北村) と「south folk」 (南村)、すなわち 「Norfolk」(ノーフォーク) と「Suffolk」 (サフォーク) となった。ノーフォークは周囲の地域とともにイーストアングリアの王国となり、後にはマーシアとあわせウェセックスとなった。初期英語の影響は地名末尾の「thorpe」「ton」「ham」といった綴に見られる。9世紀にはヴァイキングからの攻撃を受け、エドマンド殉教王が殺害された。ノルマン・コンクエスト以前の数世紀にわたり東部の湿地は農地に転換され、人口の増加が見られた。ドゥームズデイ・ブックの調査ではこの地域はブリテン島でも人口密度の高い地域の一つであり、ノルマン・コンクエストまでにはイーストアングリアへの移住が多数行われていたはずである。

中世盛期から終期を通じ、ノーフォークでは農耕と毛織物産業が発達した。1349 年に劇的な人口減少をもたらした黒死病までの期間、経済は減退傾向にあり、以降現在まで人口にあまり変化がないことを述べれば十分であろう16世紀までにノリッジはイングランド第二の都市にまで成長したが、1665年のペストの流行により人口の三分の一が死亡した[18]イングランド内戦の間、ノーフォークは議会派が主であった。地域経済と農業は減退気味であり、産業革命期にノーフォークでの工業は発達せず、 鉄道敷設も遅かった。

20世紀に入ると、ノーフォークの航空界での役割が増した。まず第一次世界大戦の際に飛行場が発達し、第二次世界大戦中のイギリス空軍 (RAF) の発展と多くのノーフォークの飛行場を基地としたアメリカ第8空軍の合流により大規模展開が見られた。第二次世界大戦中、農業は急速に強化され、以降も穀類ならびにナタネの大規模農場の確立とともに盛んである。ノーフォークは、低地と、多くが石灰と粘土であって侵蝕されやすい崖のため海の影響を受けやすい。最近の大きな被害としては1953年の北海水害がある。
経済と産業ウェルス=ネクスト=ザ=シーノリッジのウェンサム (Wensum) 川ノリッジ ローマンカトリック教会

1998 年、ノーフォークのGDPは93億1900万ポンドであり、イングランド経済の 1.5%、イギリス経済の 1.25% を占めた。一人当りの GDP は 11,825 ポンドであり、一方イーストアングリアで 13,635 ポンド、イングランドで 12,845 ポンド、イギリス全体では 12,438 ポンドであった。1999 - 2000 年、ノーフォークの失業率は 5.6% であったが、イングランドとイギリス全体ではそれぞれ 5.8%、6.0% であった[19]

ノーフォークの平坦で肥沃な土地の殆どは農地に転換されている。被雇用者の 20% は農業または食品工業に従事している[20]。アグリビジネスはノーフォークで成功を収めており、大規模農地での農業は極めて盛んで、かつての家族経営の農地は大規模農地に集約され効率化が図られる一方、生物多様性と雇用の減少を招いているとの批判対象ともなっている。

ノーフォークの有名企業に保険会社のノリッヂ・ユニオン、食品工業のコールマンズならびにベーナード・マシュウズがある。建設工業研修所の本拠地が以前のRAFバーチャム・ニュートンに置かれている。BBCイーストの中心はノリッジにある (放送対象地域はミルトンキーンズまで及んでいる)。

ノリッジの地域工業支援のため、地域カウンシルにより無線ネットワークが提供されている[21]
教育

ノーフォークは 11 歳から 16 または 18 歳までを対象とするセカンダリスクールを含め公立学校が完備している他、私立学校も存在する。村部の殆どでは近くにシックスス・フォーム (16 歳でのセカンダリスクール終了後の、2 年間の延長教育で、大学入学相当の資格試験に対する準備を行う) はないが、大きな町には存在している。ノーフォークには北部のホルト (Holt) にあるグレシャム・スクール (Gresham's School) とノリッジのノリッジ・スクール (Norwich School) を含め 12 の私立学校がある。就学人口最大なのはキングス・リン・ディストリクトである。
政治

ノーフォークは、ノーフォーク・カウンティ・カウンシルが治めるシャイア・カウンティであり、以下の 7 ディストリクトに分割されている: Breckland District, Broadland District, Great Yarmouth Borough, King's Lynn and West Norfolk Borough, North Norfolk District, ノリッジ・シティ and South Norfolk。

コミュニティー・地方政府省では、ノリッジをノーフォーク・カウンティ・カウンシルから分離した単一行政体とするかどうかを目下検討中である[22][23]

ノーフォーク・カウンティ・カウンシルの与党は保守党であり、Daniel Cox が率いている。議席構成は保守党 46 議席、労働党 22 議席、自由民主党 14 議席、緑の党 2 議席[24]である。最近の選挙での議席交替は 63% であった。

ノーフォーク選出の庶民院議員は、保守党議員 4 名、労働党議員 3 名、自由民主党議員 1 名である。労働党議員はノリッジやグレート・ヤーマスの都市的な地域を代表している。前内務大臣チャールズ・クラークはノリッジ南部の選出である。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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