ノートパソコン
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

なお、2009年には後述するネットブックに代表される低価格サブノートパソコンに牽引される形でノートパソコン全体の価格が下がり、全世界で販売されているパソコンの50%以上をノート形パソコンが占めるまでになっている[3]。ただし、低価格なネットブックに関しては、2010年代にスマートフォンタブレット端末の普及で人気にかげりも現れ、パソコン全体の市場拡大が見込まれる中で、成長率を低めにとる見通しである[4]
名称

「ノートパソコン」との呼称は和製英語であり、世界的にはノートブック (Notebook, Notebook computer)と呼ばれている。ラップトップ (Laptop, Laptop computer)と呼ばれるカテゴリ(の一部)で、概ね3 kg未満でブリーフケースに収まるサイズのラップトップがノートブックと呼ばれている(さらに薄型軽量のものはウルトラブック (Ultrabook)と呼ばれる)。日本では「ラップトップパソコン」より小型軽量なパソコンを指して、あるいはラップトップに相当する製品を全てノートパソコンと呼ぶことが多い。略して「ノーパソ」や「ノートパソ」などと呼ばれることもある。2017年現在の日本ではラップトップという呼称はほぼ廃れ、大型のデスクノートも含め、2つ折り式のポータブルコンピュータを全てノートパソコンと呼んでいる。

なお、1989年に日本でこの分野のパソコンが登場した当時は呼称が統一されておらず、マスメディアやパソコン雑誌でも当初は「ブック型パソコン」、「ブックパソコン」などの呼称が多かったが、エプソン(現・セイコーエプソン)が286NOTE、NEC98NOTEをそれぞれ「ノート型パソコン」として売り出したことから、「ノートパソコン」の名が一般的になった[5]
歴史
ラップトップパソコン以前ダイナブック(プロトタイプ)の模型を持つアラン・ケイ(2008年)Grid Compass 1101

パーソナルでポータブルなコンピュータという概念はアラン・ケイによる1972年に発表されたダイナブックという構想で詳しく描かれている。ノート型より先にデスクトップサイズのパソコンの開発が行われたが、これらは形状(大きさや重量)的に持ち運びができるもの(ポータブル)ではなかった。IBMは1973年にポータブルコンピュータのプロトタイプIBM Special Computer APL Machine Portable (SCAMP) を発表し、1975年には世界初の市販ポータブル・コンピュータIBM 5100を発売した[6]

1980年代のはじめ、最初期のポータブルパソコンは、トランクスーツケース大の筐体にCRT補助記憶装置を詰め込み、何とか持ち運びが可能な状態に組み上げた製品であった。Portal R2E CCMC、オズボーン・コンピュータオズボーン1や、コンパックCompaq Portableなどがそのルーツである。しかし、これらはバッテリー駆動ではなく外部電源を必要とし、どうにか移動できるというレベルであった。

後にA4サイズ程度の持ち運べるコンピュータが開発され、ハンドヘルドコンピュータと呼ばれた。フルキーボードと小さな液晶ディスプレイを備え、バッテリー駆動が可能であった。マイクロカセットプリンタなどの入出力機器を搭載したものもあったが、基本的にはデスクトップタイプのパソコンとは互換性のない、別個の商品として扱われていた。エプソンHC-20TRS-80 Model 100、そしてNECPC-8201などが初期の例である。これらはディスプレイサイズが極端に小さく(データやタイピングを一行から数行表示できる)、デスクトップタイプのパソコン互換ではないことから、現在のノートパソコンとは異なる系統と言える。他にもポケットコンピュータというジャンルも存在していた。
ラップトップパソコンの誕生

1982年には、ビル・モグリッジがデザインし、Grid Systems Corporationが開発したGrid Compass 1101という世界初のクラムシェル型、つまり二つ折りにすることで、フルキーボードと画面を両立させ、折り畳んだ状態で持ち運べる小型パソコンが発売された[7]。これによってノートPCの原型が確立された[8]が、高価格だったこととOSがマイナーな独自OSだったため、利用者はNASAアメリカ軍など特殊な層であり、一般には広く普及しなかった。1983年には同じくクラムシェル型のDulmont Magnumが、同じく1983年にはSharp PC-5000(英語版)[9]、Ampere[10]、そしてGavilan SC(英語版)[11]、1985年にはBondwell-2が発売された。PC-5000は本体のみの場合、バッテリで8時間使用可能とされた[12]。1985年には、一般市場向けで商業的に成功した初のラップトップとして、東芝からIBM PC/XT互換ラップトップPC T1100が発売された[13]

これらの1980年代初頭より登場した製品は、椅子に座ったひざの上で操作できるという意味で、「ラップトップパソコン」(英語:Laptop Computer)と呼ばれたが、重量が嵩んだ製品が多く、中にはMacintosh Portableなど7kgを超える製品も有ったため、ラップクラッシャー(膝壊し)などと揶揄されることもあった[14]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:100 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef