ノートパソコン
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1991年にはApple ComputerPowerBookシリーズの発売を開始、キーボードの手前にパームレストポインティングデバイス(当時はトラックボール)を配置するという現在のノートパソコンのデザインの原型となった[15]ThinkPadIBM/Lenovo)は独自のトラックポイントを採用している。
ノートパソコンの多機能化

2000年代には、タッチパッドポインティング・スティックといったポインティングデバイス、イーサネット無線LANといったネットワーク機能はどのノートパソコンにも必ず搭載される機能になった。ディスプレイは高画質化され、Bluetoothをはじめとしたワイヤレス接続機能は著しい発展をとげ、プロセッサの処理速度や搭載メモリ容量なども大幅に向上した。これによりデスクトップ型パソコンの補助ではなく、最初に購入するパソコン、さらにメインマシンとして使用されることが一般的となった。

また低速だったUSBは進化し、2019年にはUSB4Thunderboltの仕様を取り込んだため、それ以前のノートパソコンが苦手とした拡張性を補って余りある接続性を提供しており、外部記憶装置や各種入出力機器・ユーザーインターフェイスデバイス・拡張機能を提供する周辺機器は多く、前述のBluetoothによる外部機器接続の利便性とあわせて、多用途で利用されるようになった。
構造

構造としては、基本的にパーソナルコンピュータの機能を備える以上は、このコンピュータ・アーキテクチャを踏襲したものになっているが、オールインワン機種として、表示機器や演算装置・外部記憶装置・入力機器ユーザインタフェース)などを一通り内蔵している。また、携帯に際して電源を得られない場所でも使用するために電源(バッテリー)を内蔵しており、内蔵電源と外部電源を利用できるようになっている。

パーソナルコンピュータ自身が汎用の製品であるため、製品によっては特定のユーザー群の利便性を向上させるべく何らかの機能を付加したものがある一方で、基本機能だけでまとめられ、ユーザーが用途に応じて拡張機能をオプションで追加することを前提とする製品も少なくない。こと小型化・携帯性を求める機種では、光学ドライブなどかさ張る機能は外部接続で利用するよう設計されている。
表示機器

軽量化およびバッテリー動作のため、表示機器には主に液晶ディスプレイが使われており、基本的に本体部分との二つ折り形状となっているが、画面部分を回転させ画面を表にして折りたたむことでタブレットPCのように利用できるタイプも存在する。画面の大きさはデスクトップパソコンと同様に対角で「○○インチ」(販売店などでは○○型と表記[注釈 1])で表される。以前はアスペクト比(長辺:短辺)は「4:3」が主流であったが、2000年代半ば頃から「16:10」、「16:9」のいわゆるワイドが主流となっている。初期の頃は小型化や技術的なものやコストの問題もあってモノクロ画面を採用した製品もあったほか、16色や256色表示(色深度4ビットや8ビット)など色彩表示が限定的なものもあったが、現在はほぼ例外なくデスクトップ機と比べても遜色がないカラー表示が可能となっている。

液晶ディスプレイに関しては、当初は白黒液晶に始まり、カラー化の途上で比較的安価なDSTN液晶を採用した製品も普及したが、現在はほぼ全数がTFT液晶となっている。バックライトについては近年に至るまで冷陰極管(極細の蛍光管)が用いられているが、2008年第4四半期からLEDバックライト(エッジライト式)が登場している。
筐体

筐体の大きさについてはノートパソコンを閉じたときの状態で紙の寸法のA列およびB列になぞらえてカテゴライズされている。また、紙の寸法より一回り大きい「ファイルサイズ」という表現も用いられる。ただ、前述の通り画面アスペクト比がワイドのものでは、横に細長い製品も登場している。

スリムノート(英文のレビュー[要曖昧さ回避]などでは Slim より Thin が使われている)と呼称されるノートパソコンについては、特定の大きさのカテゴリーに属するノートパソコンよりも比較的厚みが薄いものを指す[16]
電源

電源は基本的に内蔵電源としてのバッテリーと、外部電源(商用電源など)を直接利用したりバッテリーを充電するためのACアダプタを利用する。大型の機種や過去のものには外部電源を利用するための変圧器整流器を内蔵した製品もあったが、現在では本体の小型軽量化を妨げる要素として、小型機種を中心に外部にACアダプターを接続する形態が主流である。バッテリーに関しては技術革新が著しいものの、コンピュータとしての他の箇所の高性能化は消費電力を増大させる傾向もあり、また実用的な稼働時間と携帯性の間で、メーカー側はバランスに苦慮している。

ノートパソコン以外にも言えることだが、二次電池放電サイクルを繰り返すにつれて有効容量が減少するという問題を抱えており、経年劣化したバッテリーは交換を必要とする場合もある。なお、頻繁に充放電を繰り返したり過放電するなど利用条件次第でバッテリは保証期間内であっても容量が低下する場合もあることから、メーカーでは消耗部品扱いで保証対象外とする場合がほとんどである。

ノートパソコンに付属するACアダプターは、外部電源による動作および内蔵バッテリーの充電のために使用するが、ノートパソコンが携帯される機器として、販売されている(購入した)地域を離れた海外旅行や海外出張にも持ち出される場合もあることから、世界各国の電源事情に対応、電圧や交流周波数の違い(100?240ボルト、50/60ヘルツ)を自動的にノートパソコンの機能に即した電圧で直流の電流に変換できるよう設計された製品も見られ、またコンセント形状も様々な規格が存在し国・地域によってまちまちであることから、プラグ変換で対応する製品も見出せる。このほか、乗用車アクセサリーソケットを利用できるアダプターなど、様々な製品も見られる。

また、半導体製品の低電圧化が進む現在でも消費電力の高いCPUや液晶パネル(特にバックライト)、各種ドライブなどを使用していることもバッテリーの小型化を阻害している要因である。古くは乾電池で駆動するものやThinkPad 220のように必要に応じてバッテリーと電池ボックスを入れ替えて利用できるノートパソコンも存在したが、パソコンの性能が上がり、消費電力の増大した現在ではノートパソコンを実用的に駆動するのは難しいため、現行のノートパソコンでは(マニアの改造を別にすれば)乾電池駆動の製品は見られない。そのため、外部に持ち出して長時間駆動するにはACアダプターも持参し電源を確保する必要性が出る。一部のメーカーでは充電式電池に代わって、アルコールメタノール)を補給して電力を発生させる燃料電池の開発を進めているが、まだまだ技術革新の必要性が高い製品といえる。

なお、公共の施設でACアダプターを使用すると電気窃盗(盗電)になるおそれがある。その一方で、ノートパソコンを含む様々な電子機器としての携帯機器が一般に普及した結果として、日本においては一部の新幹線東海道山陽九州N700系東北E5系山形E3系2000番台秋田E6系北陸E7・W7系)や特急列車(主に2009年以降に製造されたJR私鉄車両)、ファミリーレストランファストフード店など、客席にノートパソコンや携帯電話の充電用のコンセントを備えた施設も増えるなどしている。

またバッテリーは携帯時の電源だけでなく、急な停電の際の無停電電源装置としても機能する。
大きさと区分け

形状画像特徴
B4以上液晶画素数1920x1200
(17型WUXGA)

ノートパソコンとしては大型の筐体であり、デスクノートもしくはオールインワン型ノートパソコンとも呼ばれる。液晶は16インチから最大で20インチ程度の、アスペクト比が「16:10」ないし「16:9」といった横長のワイド液晶(主にB4サイズ)を持ち、画面解像度は1680x1050 WSXGA+ ? 1920x1200 WUXGAが主流である。多くの場合、CPUにはノートパソコンとしては高速なものが使われ、重量も3?5キログラム程度あり、中にはバッテリーを搭載しないモデルも存在し、重量とサイズが大きいため、ビジネスなどで持ち運んで使用する用途には適しておらず、デスクトップパソコン代わりの据え置きとしての利用が想定されている。

筐体の大きさから小型機にはない特徴が見られ、キーボードには独立したテンキーが配置され、メモリーカードリーダーアプリケーション起動ボタンが多数配置されているものが多い。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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