ノヴォシビルスク
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さらに貯水湖の誕生により、街の近くに大きな開けた空間ができて風速が強まり、土壌流出の速度が速まってしまった[2]

一方、1950年代にソ連政府はノヴォシビルスクから南へ30キロメートル離れた森の中に科学研究の拠点を築くことを決定した。これによりソ連科学アカデミーのシベリア支部や多数の研究機関・大学が集積する計画都市アカデムゴロドク1957年に誕生した。アカデムゴロドクには独自の市民生活を営める十分な施設があるが、行政的にはノヴォシビルスク市の一部となっている。

1962年9月2日、ノヴォシビルスクは人口100万人の突破を祝った。ノヴォシビルスクは当時の世界の百万都市の中でも最も若い街であり、誕生からわずか70年弱で百万の大台に達したことになる[5]1979年にはオビ川東岸の中心部から西岸へと伸びるノヴォシビルスク地下鉄の建設が始まり、1985年に一号線が開通している。
地理市街地の衛星画像、中心部は川の右岸(北側)巨大な人造湖であるオビ海

ノヴォシビルスクの中心部はオビ川右岸(東側)にあり、市の周囲は西シベリア低地である。ノヴォシビルスクの南方には世界遺産アルタイの黄金山地の一部をなすウコク高原がある。

市街地はオビ川に隣接しており、低い湿地帯(盆地)が都市の大半を占める。オビ川には通称「オビ海 Обское море」と呼ばれる巨大ダムの人造湖が建設され市内の水がめとなっている。

オビ川左岸の開発も進められており、地下鉄が乗り入れるマルクス広場を中心とした地域が新市街地となっている。

水運シベリア鉄道などのおかげでロシア連邦第三の都市にまで発展した。整然と区画整理された都市は工業地区・商業地区・住宅地区と細かく分けられており、オペラ座、劇場博物館、スポーツ施設なども整い、金属工業やハイテク工業も発展している。近郊のアカデムゴロドクには、針葉樹林の中にノヴォシビルスク大学ほか研究機関が多数あり、シベリアおよびロシアの教育・研究拠点となっている。アカデムゴロドクは筑波研究学園都市のモデルになったともいわれる。
民族

2010年時点でロシア人が92.82%と9割以上を占めるがついでウクライナ人0.92%、ウズベク人0.75%、タタール人0.73%、ドイツ人0.63%の順になっており、ほかにカザフ人タジク人ベラルーシ人アルメニア人キルギス人アゼルバイジャン人なども暮らす多民族都市となっている。近年は中央アジアからの出稼ぎ労働者が多くなっている。
気候

気候は年較差がかなり大きい大陸性気候亜寒帯湿潤気候(Dfb)で冬は長く非常に寒く、夏は短く暑い。は20度から25度まで上がり、好天なら連日30度以上の猛暑となるが、朝晩は20度以下となるなど涼しい。冬は北極からの寒気を遮る山脈が無いために非常に寒く、平均でマイナス20度?30度まで下がり、厳寒期にはマイナス40度にまで下がることもあるが、そのような日は数年に一度程度であり、天気は無風・快晴となる。冬季は雪の日が多く、例年10月初旬に初雪を迎え、4月まで雪の季節が続き半年は雪に覆われる。降雪日数は11月から2月まではそれぞれ20日を超え、年間降雪量は数メートル、一冬を通した平均積雪は50cmに達する。冬季は連日除雪車や人手による街の隅々までの除雪システムが完備されている。しかし、気温が低いために粉雪で一度の降雪量はそれほど多くはなく、雪が軽いために除雪は容易である。また、シベリア東部のハバロフスク(-19.8度)、中国東北地方のハルビン(-18.6度)に比べると冬の気候は比較的温和と言えるが、これは寒暖の差が激しい故であり、2002年1月の平均気温は?7.4度であった一方、2010年1月の平均気温は?27.2度を記録している等年による寒暖差が激しい。

観測史上最も高い気温は2005年7月7日の37.2度、最も低い気温は1915年1月9日の-51.1 ℃である[6]

ノボシビルスク (1981-2010年)の気候
月1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月年
最高気温記録 °C (°F)4.1
(39.4)5.1
(41.2)14.4
(57.9)30.7
(87.3)36.1
(97)36.6
(97.9)35.9
(96.6)35.7
(96.3)33.2
(91.8)27.2
(81)11.5
(52.7)4.8
(40.6)36.6
(97.9)
平均最高気温 °C (°F)?12.1
(10.2)?9.7
(14.5)?1.9
(28.6)8.1
(46.6)18.8
(65.8)23.4
(74.1)25.4
(77.7)22.8
(73)16.0
(60.8)7.6
(45.7)?3.5
(25.7)?9.9
(14.2)7.1
(44.8)
日平均気温 °C (°F)?16.5
(2.3)?14.8
(5.4)?7.6
(18.3)2.3
(36.1)11.8
(53.2)17.1
(62.8)19.4
(66.9)16.6
(61.9)10.2
(50.4)3.1
(37.6)?6.9
(19.6)?14.0
(6.8)1.7
(35.1)
平均最低気温 °C (°F)?20.9
(?5.6)?19.5
(?3.1)?12.8
(9)?2.4
(27.7)5.6
(42.1)11.2
(52.2)13.8
(56.8)11.2
(52.2)5.6
(42.1)?0.4
(31.3)?10.3
(13.5)?18.3
(?0.9)?3.1
(26.4)
最低気温記録 °C (°F)?46.2
(?51.2)?46.3
(?51.3)?36.4
(?33.5)?29.1
(?20.4)?8.6
(16.5)?2.2
(28)1.5
(34.7)0.0
(32)?6.9
(19.6)?26.4
(?15.5)?40
(?40)?45.7
(?50.3)?46.3
(?51.3)
降水量 mm (inch)25
(0.98)18
(0.71)17
(0.67)27
(1.06)34
(1.34)55
(2.17)66
(2.6)60
(2.36)43
(1.69)45
(1.77)37
(1.46)33
(1.3)460
(18.11)
平均降雨日数112813141414161251101
平均降雪日数231915930.1001112025126
湿度82817765586673757578838375
出典:Pogoda.ru.net[7]

ノボシビルスク (1961-1990年)の気候
月1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月年
平均最高気温 °C (°F)?12.2


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