ノンデリバラブル・フォワード
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ほとんどのNDFの差金決済は米ドルで行われる[1]

もっとも活発な銀行は1か月物から1年物までのNDF価格を提示しており、一部行は求めに応じて2年物価格も提示する。一般的な1か月・2か月・3か月物のほかに、特異な日付を期日とするNDFも提供される。NDFの価格は通常、参照通貨と米ドルとの間のレート(例: KRW/USD)について提示される。
仕組みおよび条件

NDFとは2当事者間で行われる、金銭により決済される短期の通貨先渡取引である。決済日には約定NDFレートと当日の実勢直物為替レートの差額に応じて両当事者の間の損益が決まり、決済が行われる。

NDFの主な条件は以下の通り:

想定元本: これが両当事者間で合意される「額面価格」である。重要なのは、実際に想定元本額の両通貨を交換する意図は全くないことである。

レート決定日: NDFレートと直物レートの差額が決定される日時。

受渡日: 差額の受渡しが行われる日。通貨により、レート決定日の翌営業日または2営業日後となる。

契約NDFレート: 両当事者が契約時に合意したレートであり、実質的には先物為替レートに相当する。

実勢直物レート: レート決定日における直物レートの決定は、
ロイターまたはテレレートの参照ページに基づいて行われ、これらからレートが取得できない場合には参照通貨市場の代表的な4社から得たレートを元に決定される。

NDFでは差金決済が行われるため、想定元本を実際に受渡しすることは絶対にない。受け渡されるキャッシュフローは、NDFレートと実勢為替レートの差額のみである。

よってNDFは「非現金」商品であり、貸借対照表には反映されず、元本の受渡しがないのでカウンターパーティリスクが小さい。NDFは短期取引であり、両当事者は契約を履行しなければならないが、実勢為替レートで再度取引を行うことにより受渡しを打ち消すことができる。
プライシングと価値評価

投資家が想定元本Nの参照通貨(新興国通貨など)を契約NDFレートFで買うとすると、レート表示通貨(米ドルなど)をNF単位支払うことになる。レート決定日において、投資家は理論的には想定元本Nを実勢直物レートSで売ることができ、レート表示通貨NSを手にすることができる。よってこの取引の利益 π {\displaystyle \pi } を参照通貨で表示したものは次の式で与えられる。 π = N S − N F S = N ( 1 − F S ) {\displaystyle \pi ={\frac {NS-NF}{S}}=N(1-{\frac {F}{S}})}
NDF通貨

アジア、東欧、中南米などのマイナーカレンシーの通貨は、為替レートの変動を抑えるため先渡取引が制限されており、これらの通貨についてはNDFが普及している。主なNDF通貨は下記のとおり。

ルピー - インド

人民元 - 中国

台湾ドル - 台湾

レアル - ブラジル

ウォン - 韓国

ドン - ベトナム

脚注^ Lipscomb, Laura (Federal Reserve Bank of New York). “ ⇒An Overview of Non-Deliverable Foreign Exchange Forward Markets”. 2007年9月29日閲覧。










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