ノワール_(アニメ)
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当初は素性が知れない霧香に冷たい態度で接し、互いに銃を向けることもあったが[5]、次第に心を許すようになる。霧香がミレイユの元を離れた後、アルテナ派を始末したい現実主義派に属するソルダの派閥との接触で、霧香の居場所をつかむ。そして暗黒回帰に陥った霧香を救うべく「荘園」に向かう。襲いかかる霧香に立ち向かい失われた記憶の中に息づくオデットの意志を呼び起させ、霧香に植え付けられた深い闇の呪縛を解き放ち正気に戻すことに成功し、霧香と共に全ての元凶であるアルテナに立ち向かう。赤い服に赤い傘、赤いビキニなど、色が赤い物を好んでいる。教養もあり、特に文学に関する知識が豊富で事あるごとに文学作品のセリフや、著者の言葉を引用している(1話でヘミングウェイ、10話でエドガー・アラン・ポーの言葉、23話で『不思議の国のアリス』のセリフ、など)。ドイツ・ワルサー社製ワルサーP99を愛用する。戦闘能力は常人にしては十分高いと言えるのだが、超人的な身体能力を持つ霧香やクロエに比べると一段劣る。
クロエ
声 - 久川綾アルテナに育てられた少女。戦闘能力は極めて高く、暗黒回帰した霧香とほぼ同等。終盤に霧香と剣で戦うことになり、終始互角だったのだが、最終的に霧香に剣を折られて敗北する。幼い頃にブーケ一家を霧香が暗殺した光景を見たことで、彼女に対し強い憧れを持ち、霧香のような暗殺者になりたいと願うようになる。霧香と共に「真のノワール」に選ばれることを目標としている。一見すると冷静沈着な性格だが、ミレイユに心を傾ける霧香を見て嫉妬心を覚えるなど、やや利己的な性格を持ち合わせている。また、任務の際は相手を情け容赦なく殺害する冷酷さを持っている半面、アルテナの前では常に甘えて子どもっぽい振る舞いを見せるなど、精神的にアンバランスな一面もある。愛用の武器は短剣を主とする刃物類で、特に刀身に複数の穴があいた特殊なナイフと、大柄で殺傷力の高いナイフを常用している。間合いが離れている相手には特殊ナイフをスローイング、近距離の相手には大柄ナイフで直接切りつける、という風に用途に合わせて使い分けている。霧香同様、本名・国籍等の素性は一切不明。
ソルダ
アルテナ
声 -
TARAKOソルダの最高幹部の1人で、次期司祭長候補。女性神官またはシスターを思わせる、落ち着いた印象の女性。スペインフランスの国境付近にある「荘園」と呼ばれる地で、中世さながらの生活を送りながら、自分に忠実なクロエに指示を送っている。ソルダの原点ともいうべき戦火の惨状の中で産まれ育ち、その実体験からソルダの大いなる回帰(「グラン・ルトゥール」)を主張し、ソルダ内で多くの支持者を得ているが、敵も多い。「慈母」とあがめられる慈愛の持ち主だが、同時に「死を司る」とも畏れられ、目的のためであれば、ソルダも、慈しんでいたクロエも、己自身すらも祭壇の羊として生贄にする非情さを持ち、人を撃つ際にはまったくためらいのない正確さを見せる。「地は悪に満ち、人は自ら悪を為す。愛で人を殺せるのなら、憎しみで人を救えもするだろう」という言葉が、彼女の思想を端的に表している。ボルヌ(後述)たちアルテナ派は、そろってソルダの紋章が刻まれた特製のワルサーPPKを使っているが、アルテナ自身はソルダの紋が刻まれていないエンフィールド・リボルバーを使用する。
レミ・ブレフォール
声 - 銀河万丈ソルダ内部に存在する反アルテナ派の1人。ソルダ評議会の遣いでノワールを自分の勢力に組み込もうとする。ミレイユたちにある程度は同情的。
評議員
声 - 川久保潔筈見純佐藤正治中村秀利ソルダ最高評議会の構成メンバー達。今の世界=現実主義を信奉する「ソルダ」の維持を望んでおり、原初ソルダへの回帰「グラン・ルトゥール」を掲げるアルテナと対立し、危険視している。最高評議会は反アルテナ派の牙城であり、「真のノワール」結成を妨害し「グラン・ルトゥール」成立を阻止しようと画策する。霧香がアルテナの元に戻ってしまった後は、グラン・ルトゥール成立に備え、ミレイユを懐柔して評議会側に引き込み、その上でノワールとして荘園に送り込んでアルテナを倒させようと企らむ。そしてすべてが終わった後、2人を追って荘園に駆けつけるが、ミレイユに一喝され、一顧だすらされなかった[6]
ボルヌ
声 - 勝生真沙子アルテナの同志の女性。アルテナと同じように神官またはシスターと思われる格好をしている。アルテナに心酔して全権をゆだね、彼女が次期司祭長になる事を望んでいたが、自分達の期待を裏切るアルテナの真意を聞かされて逆上し、拳銃を向けるが逆に射殺される。
マレンヌ
声 - 篠原恵美アルテナの同志の女性。アルテナと同じように神官またはシスターと思われる格好をしている。修道服の下に甲冑にも似た防弾チョッキで守りを固め、西洋剣を振るって霧香とミレイユを圧倒したが、最後は霧香が放つナイフで盆の窪を射抜かれ絶命する。
ストーリーに影響を成す主な登場人物
ユーリ・ナザーロフ
声 -
堀勝之祐KGB将校。政治的背景を隠れ蓑に個人的な復讐に基づく「民族浄化」(タシキール人虐殺)を実行した人物。退役後は病気で余命幾ばくもない状況にもかかわらず、日々難民のために尽くし、「聖者」と崇められるようになる。1匹の猫を飼い、ドストエフスキーの『白痴』に由来する名前「ムイシュキン侯爵」と名付けている。
シルヴァーナ・グレオーネ
声 - 冬馬由美シシリアに幽閉されていたシシリアのマフィアの後継者。長髪で左目を隠した髪形。「イントッカービレ(侵すべからざる者)」や「世界一凶暴な姫君」などの異名で知られている。マフィアの規律を大事にしており、それを乱すものは父親でも容赦なく裁く。幼い頃のミレイユは彼女と知り合いで、幼少期に恐怖を感じる一面を見て以来、大人になっても恐怖で金縛りになるほど恐ろしいイメージを持たされていた。武器は短剣
シャオリー
声 - 高乃麗台湾にいる殺手(暗殺者)。裏世界では「冷眼殺手」の異名で知られている。ソルダと決別した台湾の黒社会に雇われている。暗殺の主な手段は毒殺。致死性のを塗った自分のを相手の肌に当てることで殺害する。
ミロシュ・ハベル
声 - 関俊彦チェコスロバキア出身の元外国人部隊兵士。ギアナで勲功をあげた後、人を撃って勲章をもらうことに嫌気がさし、パリで絵を描きながら悠々自適の生活を送っていた。しかし「自分のような人間に出来る仕事は殺人以外に無い」と考えており、その後、外人部隊に再志願することを決意する。霧香が心を許す数少ない人物の一人。
クロード・フェデー
声 - 大塚芳忠ミレイユの母親オデットの弟で、ミレイユの叔父。ブーケ一家惨殺事件の後、ミレイユを連れてコルシカ島を脱出する。ミレイユを養育し、暗殺技術を教え込んだ。しかし、その脱出はソルダの命に服することと引き換えであり、その命に従って霧香を暗殺しようとする。
オデット・ブーケ
声 - 三石琴乃ミレイユの母。ミレイユが「真のノワール」候補としてソルダに委ねられることを拒むことで、ソルダの戒律に背くこととなり、アルテナに育成された幼少期の霧香の手によって「処刑」される。アルテナの「愛で人を殺せるのなら、憎しみで人を救えもするだろう」というイデオロギーに対し、自分を殺そうとしている霧香に対して「確かに、愛で人を殺すことはある。だが憎しみは決して人を救いはしない。」と説いた。暗黒回帰にとらわれた霧香はこれを思い出し、正気を取り戻した[7]
用語解説
ソルダ
1000年以上前から存在する謎の組織。現在では世界の中枢を陰から支配し、世界そのものと化している。本来は戦火の被災者が手段を選ばず他の被災者を救い、私欲で戦災を起こしたものを討つ、悪をもって悪しき世界に一矢報いる組織だったが、組織が発展して世界そのものとなるとそうも言っておられず、原点を忘れ当初の理想とは別の、私欲で戦災を起こす組織になってしまった。戦災の地獄の中で育ち、ソルダの原点を
皮膚感覚で感じて生きてきたアルテナを中心とする原理主義的なグループと、それを知らずソルダの富と権力の維持を望む最高評議会を中心とする現実主義的なグループが対立している。組織の長は司祭長と呼ばれ、アルテナがノワールを復活させれば次期司祭長となり、ソルダの全権を握ること、そして原点回帰(「グラン・ルトゥール」)のために組織の内外に血の雨を降らせることがほぼ確実視されていた。ちなみにLes Soldats(ソルダ) とは、英語でThe Soldiers(兵士)の意味である。
真のノワール
固い絆で結ばれ、闇の世界で生きる事を誓い合った2人の乙女。死を司り、いかなる敵をも打ち倒すと言われている。その強さは幾万もの兵士に勝り、聖母の慈愛と死神の冷酷を併せ持つ。かつては荘園で少女たちが生死をかけた闘いを繰り広げ、生き残った2人が任命されていたようだが、現在では真のノワールを選出する儀式は行われていない。アルテナ派は真のノワールを選出する儀式の復活をソルダの原点回帰の象徴としようと考え、3本の苗木(霧香・ミレイユ・クロエ)を真のノワールの候補に選んでいた。しかし、アルテナの真の狙いは原初ソルダの理念や思想がゆがめられ、時代と共にいつしか当初の理想を失った現実主義的な「ソルダ」に堕落したことに悲観し、「ノワール」という伝説の存在を盾に、「ソルダ」の内部浄化と世界の原点回帰を誘導する突破口となる一手段として、真に世界を変革させる2人の乙女を生み出すことにあった。アルテナはそのためならクロエやアルテナ派の同志たち、そしてアルテナ自身をも「祭壇の羊」(原点回帰成就に対する生贄)として心身を捧げることで、さらなる深い闇に覆われた黒き手の乙女たち、つまり「真のノワール」が「完成」するよう仕向けた。
ノワール
かつてはいわゆる「真のノワール」を指す言葉だったが、次第に本来の意味は忘れさられ、裏社会では半ば伝説的な存在となった。そのため、これにあやかってノワールと名乗る殺し屋が現れ[8]、いつの時代に何組のノワールがあったかすら定かではない。
最終回について

 最終回のラストシーンで、二発の銃声が流れる。この銃声について、ソルダの評議員が霧香とミレイユを撃った、霧香とミレイユがお互いを撃った、ソルダの評議員の霧香とミレイユに対する祝砲など、ファンの間でさまざまな憶測が飛んでいるが、真実は定かではない。
スタッフ

原案・構成・脚本 -
月村了衛

監督・音響演出 - 真下耕一

キャラクターデザイン - 菊地洋子芝美奈子、宮地聡子

メカニカルデザイン - 寺岡賢司

色彩設計 - 片山由美子

美術監督 - 小山俊久

撮影監督 - 森下成一、武原健二

編集 - 森田清次

音楽 - 梶浦由記

プロデューサー - 北山茂

アニメーションプロデューサー - 江川功爾憲、神林名里

制作 - ビィートレイン

製作 - ビクターエンタテインメント

主題歌
オープニングテーマ「
コッペリアの柩


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