ノットは、現在の国際単位系 (SI) の国際文書(第9版、2019年)においては、「その他の非SI単位」としても認められていない。かつては(2006年から2019年まで)、国際単位系(SI)の文書である国際文書第8版 (2006)において「表8 その他の非SI単位」の一つとして掲げられていた[6]。 ノットの単位記号には、国際的に合意された記号はないが、kn がよく使われる[7]。ただし、日本の計量法では、単位記号は「kt」と定められている[8]。 かつては漢字で"節"という表記が用いられたことがある。しかし、この漢字表記は計量法では認められていない。 かつては海里の定義が様々に異なっていたので、ノットの定義も異なっていたが、現在では国際海里を基にしたものにほぼ統一されている。 国際海里は1929年に定められたが、アメリカは1954年まで1海里 = 正確に6080.20 測量フィート = 約1853.248 666メートル、イギリスは1970年まで1海里 = 正確に6080 国際フィート = 正確に1853.184メートルという定義を使っていた(この値は現在でも、イギリスの公式のノットの定義の算出に用いられている)。 ノットという言葉は英語で「結び目」を意味する。 大航海時代、船の緯度を知るには時計と太陽の高度を、経度を知るためには速度を計測する必要があった。 当初、船の船首から丸太(log 速度計の登場以前においては「ハンドログ」という器具を用いて「28秒砂時計の砂が落ちきる前にロープの等間隔の結び目(knot 目立った目印のない海上や空中では、自船の位置は進行する方位と速さを求め、その速度で航行した時間を用いて把握していた。1 海里は緯度 1 分に相当する平均的な子午線弧の長さに等しいことから、海図上では非常に分かりやすい単位となる。このため、海里を単位に含むノットは、船舶や航空機でよく使用されることとなった。 航海・航空分野以外でも、気象観測における風速の単位として使われることがある。例えば、国際的な海上気象データの収集・保管には、ノットが現在も使用されている[10]。 1ノットは、約0.514 m/s なので、概数として、1ノットの2倍が 1 m/s であるとして、簡便に換算することが多い。さらに、1ノットを1.9 km/h、1海里を 1.9kmとして簡便に換算されることもある[11][12]。 例えば、 記号UnicodeJIS X 0213文字参照名称
ノットの記号
かつての定義など
起源
換算マイル毎時フィート毎秒
1 m/s= 1 m/s= 3.6 km/h≈ 1.9438 kt≈ 2.2369 mph≈ 3.2808 fps
1 km/h≈ 0.27778 m/s= 1 km/h≈ 0.53996 kt≈ 0.62137 mph≈ 0.91134 fps
1 kt≈ 0.51444 m/s= 1.852 km/h= 1 海里/h≈ 1.1508 mph≈ 1.6878 fps
1 mph= 0.44704 m/s= 1.609344 km/h≈ 0.8690 kt= 1 mi/h≈ 1.4667 fps
1 fps= 0.3048 m/s= 1.09728 km/h≈ 0.59248 kt≈ 0.68181 mph= 1 ft/s
簡便な換算
10ノット → 約5 m/s
10ノット → 約19 km/h (10海里 → 約19 km)
符号位置
㏏U+33CF-㏏
㏏SQUARE KT
脚注[脚注の使い方]
注釈
出典^ 計量法 第五条
^ “計量単位令(平成四年政令第三百五十七号) 別表第6 第9号「航海又は航空に係る速さの計量、 ノット、 一時間に千八百五十二メートルの速さ」