しかし、泥の巨人のオグがノアを信じて逃がしてくれたおかげで、ノアらは無事にメトシェラの住む山にたどり着く。そこでメトシェラに会い、再び神の啓示を受けたノアは、世界は滅びるが、そのあとに楽園がやってくる事を知る。そのためにあらゆる動物を巨大な箱舟に載せて救う事が、自分に与えられた神の使命だと知る。
ノアは誤解を解いた泥の巨人たちの助けを受け、神から与えられた森で箱舟の建造にとりかかる。やがて舟の形ができ始めると、続々と鳥を始めとする動物たちが箱舟を目指してやって来た。世界の大地は枯れ食料も無くなり、そんな中、トバル・カインも仲間を連れてやって来る。トバルは、人間は神に見捨てられて久しいが、神が世界を洪水で滅ぼすと言うのなら箱舟をもらうと言い、一旦は引き下がるものの、いよいよ大雨が降り始めると再び大挙して箱舟を奪いにやってくる。箱舟とノアたちを守る泥の巨人たちとの間に壮絶な戦いが始まり、巨人たちは一人またひとりと倒され、天上界に帰って行く。そして大洪水がおきた。舟は洪水の嵐の中で漂流し始める。
ノアは溺れている一切の人間を救わなかった。ノアの家族はそんなノアに疑問を持つが、洪水のあとに再び楽園が戻ってきたときに、そこに人間が存在してはいけないという。そこに住めるのは汚れなき動物たちだけであり、人間がいると再び悪がはびこってしまうというのだ。イラとノアの長男セムは互いに愛し合っていたが、イラは子どもが産めない体だったため、ノアの三男ヤフェトで人間は最後になると言った。
ところが妻のナーマの願いとメトシェラの祝福によって、イラは子どもが産める体になっていた。そして、ある日セムの子どもを妊娠した事がわかると、ノアは神の命に背いた家族に怒りを表しつつも、同時に生まれて来る子どもの許しを神に請う。しかし神の返事が無いことを知ると、生まれてきた子どもが女であればその場で殺すと、家族に告げる。そして双子の姉妹が生まれる。生まれた子どもを殺す事は正しい行為ではないと諌めるナーマや抵抗するセムにもとりあわず、ノアはイラが抱いている子どもを殺そうとする。しかし、殺す事はできなかった。赤子を前にして、ノアの中には愛だけがあった。
やがて陸地が現れたとき、ノアは神の使命を果たせなかったことと、家族を苦しめたことを悔い一人離れて暮らした。イラはノアに対して、神があなたを選んだのは、人間を救う価値があるのかどうか、それをあなたに委ねたからだと言い、そしてあなたは慈悲を選んだと言った。ノアは子供たちを集め、神がアダムに託したことを継承していくのだと言って祝福した。そして「生めよ。ふえよ。地を満たせ」と言うと、空に大きな虹の輪が拡がっていった。 ※括弧内は日本語吹替[9]
キャスト
ノア - ラッセル・クロウ(井上和彦)
セトの子孫であり、メトシェラの孫。
ナーマ - ジェニファー・コネリー(岡寛恵)
ノアの妻。
トバル・カイン - レイ・ウィンストン(辻親八)
カインの子孫たちの王、ノアの父の仇。ノアが作った船を奪おうとする[10]。
イラ - エマ・ワトソン(沢城みゆき)
ノアの養女、セムの妻。子供が生めない体質。
ハム - ローガン・ラーマン
ノアの次男。
メトシェラ - アンソニー・ホプキンス(浦山迅)
ノアの祖父。
セム - ダグラス・ブース
ノアの長男。
ヤフェト - レオ・マクヒュー・キャロル
ノアの三男。
オグ
見張りの天使、ノアを助ける。
若年期のノア - ダコタ・ゴヨ
レメク - マートン・チョーカシュ
ノアの父。
ナエル - マディソン・ダヴェンポート
ハムが出会った娘。
シェムハザ - ニック・ノルティ(玄田哲章)
見張りの天使たちの長。
マゴグ - マーク・マーゴリス
見張りの天使。
ラミール - ケヴィン・デュランド
見張りの天使。
若年期のハム - ノーラン・グロス
アダム - アダム・グリフィス
イヴ - アリアン・ラインハート(英語版)