ネコ
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この二種の間を分割し、セミコビー、セミフォーリン、フォーリン、そしてそれらの種類とまた違うロング&サブスタンシャル(長く、がっしりとした、という意味)という種類を加えた6種がネコの体格に関する基本的区分である[26]

ネコの筋肉と筋肉の名称

ネコの骨格と骨の名称[注釈 3]

体の柔軟性[ソースを編集]

ネコの体は非常に柔軟性が高い。関節が緩やかで、筋肉靭帯も柔らかいため、頭の周り以外は体のほぼ全ての場所を自分で舐めることができる。特に肩の関節は可動性が高く、鎖骨は退化しているが、小さいながらも存在しており(犬や馬など鎖骨がない動物は前腕を内側に曲げ抱きつく所作がとれず木登りができない)、筋肉でつながっている。これらは高い所から着地した場合の衝撃を吸収することに役立っている。@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}また、内臓を前後に移動させることができ、これを利用する形で狭い場所を通ることが出来るよう身体の幅を自在に調節することが可能となっている。[要出典]
運動能力[ソースを編集]

待ち伏せ型の肉食獣であるネコは、俊敏な運動能力をもっている。瞬発力が高く、跳躍力にも長けている。跳躍力は、およそ体高の5倍程度(約1.5メートル程度)の所に飛び上がることができる。走るスピードは最高でおおよそ時速48キロメートルといわれ、瞬間的に最高速に達するが長くは続かない[27]。その運動能力にもかかわらず、ネコが自動車に轢かれることは多いが、それは運動能力の問題ではなく、想像を超える大きさの物体(自動車)に突然遭遇してしまったとき、判断力を失ってその場で体の動きを止めてしまうからであるとされるが、異説もある(「#眼・視覚」を参照)。平衡感覚を司る三半規管の能力とは別に、ネコには小脳の視覚による優れた水平線検出能力が備わっており、これによって、三半規管が失調した状態でも、正向反射として空中で正しく上下を判断した上で四本の足を使い着地を行う[27]。2、3メートル程度の高さであれば、ケガ一つ負わずに飛び降りることができる。

犬かきで泳げるが、水に入ったり水に濡れることを嫌う個体が多い[注釈 4]。猫のルーツは乾燥した砂漠地帯で、その独特な気候の中で進化してきたことと関係があるかもしれない。しかしターキッシュバンは泳ぐと言われる[要出典]。

歩行方法は、指先立ちの趾行である[28]
被毛[ソースを編集]「ネコの毛色の遺伝子(英語版)」を参照

被毛品種により、さまざまな毛色や毛質のパターンを持つ。同品種でも多様な色彩や模様を持つ珍しい動物である。毛色や毛質の決定には遺伝子の働きによるところが大きいことが分かっているが、遺伝子がどのように活性化、不活性化するかなど、不明な点も多い。毛色は子宮内の状態にも影響を受けるともいわれる。例えば、世界初のクローンネコ「CC」の毛色は、遺伝子が全く同じにもかかわらず、クローン親のものと異なっていた。

毛色を司る遺伝子は、すでにいくつか解明されており、色を薄めるダイリュート遺伝子や、被毛に縞模様を描くタビー遺伝子などの存在が知られている。品種によっては、突然変異体の遺伝子や、伴性遺伝子の存在もあることから、生まれてくる仔猫の毛色・毛質などをおおよそ判定することは可能であるが、不明な部分も多い。シルバー・ブロッチド(クラシック)タビーのアメリカンショートヘア。ブロッチドタビーはアメリカンショートヘアの要件ではないが、日本でアメショというとまずシルバー・ブロッチドタビーの個体がイメージされる。

解明されている主要な遺伝子優性
遺伝子役割対立(劣性)
遺伝子役割
Aアグーティ(縞模様)aノン・アグーティ(単色)
B黒b茶色(チョコレート)
bl薄茶(シナモン)
C単色(濃淡なし)cbセピア(バーミーズ)
csポインテッド(シャム模様)
D濃暗色d淡明色(ダイリュート)
I抑圧(銀化)i基底に及ぶ色素沈着
L短毛l長毛
Oオレンジ(または伴性遺伝の赤)o黒味を帯びた非赤色
S白の斑sソリッドカラー(体全体)
T縞(マッカレルタビー)taアビシニアン(ティックドタビー)
tbブロッチド(クラシック)タビー
W体全体が白w白以外
三毛猫。ほとんどがメス。オスはおよそ3万匹に1匹

これらの遺伝子の組み合わせによって、複雑な模様を形作る。これら以外にも毛色を決定する遺伝子もあり、解明されていない遺伝子も多数存在する。

O遺伝子および対立遺伝子o遺伝子はX染色体上にあることが分かっており、このため両方の遺伝子を持つネコは通常メスであり、オスでは染色体異常(X染色体過剰、ヒトでいうクラインフェルター症候群相当)またはモザイク染色体の場合、そして遺伝子乗り換えによりO遺伝子がY染色体に乗り移ったネコだけである。両方の遺伝子を持つネコはトーティシェル(べっ甲を意味するトータスシェルの略で、いわゆる錆び猫〈さびねこ〉)あるいはトーティ・アンド・ホワイトまたはキャリコ(いわゆる三毛猫)と呼ばれるが、これらのネコにオスネコが珍しいのは、染色体異常のネコが非常に少ない(3,000匹に1匹程度とされる)ためである[29]。なぜオスがいるのか調べようにも研究材料のオスの錆び猫や三毛猫があまりにも少ないため未だに想像の域を超えていない。しかし染色体の研究では錆び猫および三毛猫は理論的にすべてメスである。

ノン・アグーティ遺伝子はタビー遺伝子よりも上位であるため、ノン・アグーティを2つ (aa) 持つネコ(黒猫など)には通常、縞模様は見られない。タビー遺伝子を持つネコには、仔猫のときなどにうっすらと縞模様が現れることがあり、ゴースト・マーキングといわれる。全身が白い白猫は通常において『白色遺伝子』の持ち主である[30]

cs遺伝子(サイアミーズ(シャム))は独特の遺伝子で、本来は色素の出現を抑える役割を持つが、温度が低いとその働きが抑制される[要出典]。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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