ネコ
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夜でもよく見えるネコの眼は非常に敏感で、フラッシュ撮影をしたりすると嫌がったりストレスを与えることとなり、目を痛めてしまう可能性もあることが指摘されており、プロカメラマンは猫の撮影の際にはフラッシュを控えるか、外付フラッシュで猫ではなく天井に向けて光らせるなどの方法を薦めている[34][35][36][37][38][39]

2色型色覚だが、波長)の識別は困難である[40][31][要ページ番号]。三色型色覚の青と緑は認識できるが、赤を認識する能力は低く、黒っぽく見えているだけのようである[41]

瞬膜が、わりと大きく、体調の悪い時などに眼球の前に出てくることがある(チェリーアイ)。

目が開いてから授乳期後半頃までの幼猫は、やや外斜視である。
眼の色[ソースを編集]オッドアイ。この個体では、左眼が暗色、右眼が青になっている。

虹彩が大きな割合を占めており、人間でいう白目(球結膜)は面積が非常に狭く、通常見られない。ネコの眼の色、といった場合、虹彩の色を指す。眼の色は、色の濃淡などの違いがあるものの、おおむね以下の4種類に分けられる。

カッパー(銅)

ヘーゼル(薄茶) - 色としては、はしばみ色に近い。




青い眼は白猫シャム系のネコ(ポイントのあるネコ)に多く、白猫の場合、特に青い目のものは高い割合で聴覚障害を持っている。白猫の場合はオッドアイと言われる、左右の眼の色が違う場合も多い。この場合、青い眼の側の耳に聴覚障害を抱えることがある。一方が黄色で、もう一方が黄味のない淡銀灰色/あるいは淡青色というオッドアイは、日本では「金目銀目(きんめぎんめ)」と呼ばれ、縁起が良いものとして珍重されてきた[42]

これらの眼の色の違いは、虹彩におけるメラニン色素の量で決まり、色素が多い順にカッパー、ヘーゼル、緑、青となる。人間など他の哺乳類の眼でも同様である。色素の量の違いは、元々生息していた地域の日光量の違いに由来するといわれる(日光量が多い地域では色素が多くなる)が、交雑の結果、現在では地域による違いはほとんどなくなっている。シャムネコの青い眼は北アジア由来といわれ、熱帯タイ原産のシャムネコであるが、先祖の眼の色に由来するという。

生まれて間もない仔猫の場合、品種に関わらず、虹彩に色素が沈着していない場合が多く、青目に見えることが多い[43]。これを「キトゥン・ブルー」(Kitten Blue、「仔猫の青」の意)という。生後7週間くらいから虹彩に色素がつき始め、徐々に本来の眼の色になっていく。
耳・聴覚[ソースを編集]

ネコの五感で最も優れているのは聴覚である。可聴周波数は60Hz - 65kHzとされ[44][45]、イヌの40Hz - 47kHz、ヒトの20Hz - 20kHz に比べて高音域に強い。これはネズミなどが発する高音に反応するよう適応したためといわれている。白猫聴覚障害の割合が多い。は片方ずつ別々に動かすことができ、異なる方向の音を聞き分けることができる。そのため、指向性が強く、音源の場所をかなり正確に特定することができる。音の聞き分けの能力も高く、例えば飼い主が帰ってきた足音を判別することは簡単にできる。これらの能力は、夜間に待ち伏せ型の狩りをするのに適応し発達したものと考えられている。耳の動きは感情にも左右され、特にネコがおびえているときや不満を感じているときなどは、耳はうしろ向きに伏せられる。スコティッシュフォールドという折れ耳が特徴の品種もある。また、産後の母猫は可聴域が広がると言われている。
鼻・嗅覚[ソースを編集]自分のにおいでフレーメン反応を示すネコ

は、他の動物に比べてそれほど優れているわけでもないが、それでもヒトと比べれば数万から数十万倍と言われる嗅覚を持つ。体のバランスに比べて小さくできているが、鼻腔内部は凹凸に富み、大きな表面積を生み出しているため、小さな鼻の外観だけからは予想できない優れた嗅覚がある。

嗅覚を感じる脳の領域である嗅球が発達している。鼻腔内で匂いを検知する嗅上皮(嗅粘膜(英語版))の総面積は約 20 平方センチメートルである(イヌは犬種によるが15‐150。人間は2‐4平方センチメートル)[46][47]。また、嗅覚受容体遺伝子は、ヒトで396個、イヌで811個、ネコは確認できているものだけで677個で嗅ぎ分けられる匂いのレパートリーが広い[47]

さらに鼻以外に、口内の上顎前歯の後ろにフェロモンを感知できるヤコブソン器官(鋤鼻〈じょび〉器官)があり、目を半分閉じて笑っているような表情を示し、口から空気を吸うフレーメン反応を行う[48]。これはフェロモンを分析している行動である。これにより、相手のネコなどがどういう状態にあるかを分析する。また毛づくろいで自分の肛門の周囲をなめたときにもこの反応を示すことがある。

マタタビキャットニップなどを嗅ぐと、ネコは恍惚として身悶えるような反応を示す。これらの植物に含まれるマタタビラクトン類の物質がヤコブソン器官を反応させ、ネコに陶酔感をもたらす[49]。これはネコ科全般の動物に起こる反応で、マタタビに含まれるネペタラクトールに蚊の忌避効果があることから体を擦り付ける反応になったとする仮説が立てられた[50]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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