ネコ
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前者は多くの天敵や事故・怪我・病気やそれに伴うストレスに晒されており、大学機関や自治体関連部門によれば野良ネコの寿命は3年から5年といわれ[19][20][21][22][23]、その大半が子ネコの内に死亡する[24]。ネコの年齢をヒトに換算すると、室内ネコの場合は例として1歳で人間でいう17 - 20歳、2歳で23 - 25歳、以降は1年ごとに4、5歳ずつ比例していく計算となるが、成熟期が短く中年期が長いため単純な比較はできない[25]

ネコと人間の年齢の比較
ネコ6か月1歳3歳6歳8歳9歳10歳13歳16歳20歳
人間14歳16歳20歳30歳40歳50歳60歳70歳80歳90歳

体格[ソースを編集]コビーを代表するペルシャ。丸みを帯びたシルエットはぬいぐるみのようである。オリエンタルを代表するシャム。四肢は長く、肩幅は狭い。

ネコは骨格筋肉の付きかた、脚の長さなどによっていくつかの種類に分類することができる。コビーと呼ばれる種類は短いにがっしりとした、やや短めのを持ち、この代表とされるのがペルシャである。一方、逆三角形の顔に長い四肢、鞭のような尾をもつオリエンタルというタイプを代表する種はシャムである。この二種の間を分割し、セミコビー、セミフォーリン、フォーリン、そしてそれらの種類とまた違うロング&サブスタンシャル(長く、がっしりとした、という意味)という種類を加えた6種がネコの体格に関する基本的区分である[26]

ネコの筋肉と筋肉の名称

ネコの骨格と骨の名称[注釈 3]

体の柔軟性[ソースを編集]

ネコの体は非常に柔軟性が高い。関節が緩やかで、筋肉靭帯も柔らかいため、頭の周り以外は体のほぼ全ての場所を自分で舐めることができる。特に肩の関節は可動性が高く、鎖骨は退化しているが、小さいながらも存在しており(犬や馬など鎖骨がない動物は前腕を内側に曲げ抱きつく所作がとれず木登りができない)、筋肉でつながっている。これらは高い所から着地した場合の衝撃を吸収することに役立っている。@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}また、内臓を前後に移動させることができ、これを利用する形で狭い場所を通ることが出来るよう身体の幅を自在に調節することが可能となっている。[要出典]
運動能力[ソースを編集]

待ち伏せ型の肉食獣であるネコは、俊敏な運動能力をもっている。瞬発力が高く、跳躍力にも長けている。跳躍力は、およそ体高の5倍程度(約1.5メートル程度)の所に飛び上がることができる。走るスピードは最高でおおよそ時速48キロメートルといわれ、瞬間的に最高速に達するが長くは続かない[27]。その運動能力にもかかわらず、ネコが自動車に轢かれることは多いが、それは運動能力の問題ではなく、想像を超える大きさの物体(自動車)に突然遭遇してしまったとき、判断力を失ってその場で体の動きを止めてしまうからであるとされるが、異説もある(「#眼・視覚」を参照)。平衡感覚を司る三半規管の能力とは別に、ネコには小脳の視覚による優れた水平線検出能力が備わっており、これによって、三半規管が失調した状態でも、正向反射として空中で正しく上下を判断した上で四本の足を使い着地を行う[27]。2、3メートル程度の高さであれば、ケガ一つ負わずに飛び降りることができる。

犬かきで泳げるが、水に入ったり水に濡れることを嫌う個体が多い[注釈 4]。猫のルーツは乾燥した砂漠地帯で、その独特な気候の中で進化してきたことと関係があるかもしれない。しかしターキッシュバンは泳ぐと言われる[要出典]。

歩行方法は、指先立ちの趾行である[28]
被毛[ソースを編集]「ネコの毛色の遺伝子(英語版)」を参照

被毛品種により、さまざまな毛色や毛質のパターンを持つ。同品種でも多様な色彩や模様を持つ珍しい動物である。毛色や毛質の決定には遺伝子の働きによるところが大きいことが分かっているが、遺伝子がどのように活性化、不活性化するかなど、不明な点も多い。毛色は子宮内の状態にも影響を受けるともいわれる。例えば、世界初のクローンネコ「CC」の毛色は、遺伝子が全く同じにもかかわらず、クローン親のものと異なっていた。

毛色を司る遺伝子は、すでにいくつか解明されており、色を薄めるダイリュート遺伝子や、被毛に縞模様を描くタビー遺伝子などの存在が知られている。品種によっては、突然変異体の遺伝子や、伴性遺伝子の存在もあることから、生まれてくる仔猫の毛色・毛質などをおおよそ判定することは可能であるが、不明な部分も多い。シルバー・ブロッチド(クラシック)タビーのアメリカンショートヘア。ブロッチドタビーはアメリカンショートヘアの要件ではないが、日本でアメショというとまずシルバー・ブロッチドタビーの個体がイメージされる。

解明されている主要な遺伝子優性
遺伝子役割対立(劣性)
遺伝子役割
Aアグーティ(縞模様)aノン・アグーティ(単色)
B黒b茶色(チョコレート)
bl薄茶(シナモン)
C単色(濃淡なし)cbセピア(バーミーズ)
csポインテッド(シャム模様)
D濃暗色d淡明色(ダイリュート)
I抑圧(銀化)i基底に及ぶ色素沈着
L短毛l長毛
Oオレンジ(または伴性遺伝の赤)o黒味を帯びた非赤色
S白の斑sソリッドカラー(体全体)
T縞(マッカレルタビー)taアビシニアン(ティックドタビー)
tbブロッチド(クラシック)タビー
W体全体が白w白以外
三毛猫。ほとんどがメス。オスはおよそ3万匹に1匹

これらの遺伝子の組み合わせによって、複雑な模様を形作る。これら以外にも毛色を決定する遺伝子もあり、解明されていない遺伝子も多数存在する。

O遺伝子および対立遺伝子o遺伝子はX染色体上にあることが分かっており、このため両方の遺伝子を持つネコは通常メスであり、オスでは染色体異常(X染色体過剰、ヒトでいうクラインフェルター症候群相当)またはモザイク染色体の場合、そして遺伝子乗り換えによりO遺伝子がY染色体に乗り移ったネコだけである。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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