ネガフィルム
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冷凍保存などで使用期限を大幅に超過してもほぼ変化が認められないようにすることもできる。
撮影後・現像前

フィルムは撮影後から現像するまで潜像退行と呼ばれる撮影の逆反応が起き、像が劣化していく。感度低下が主な症状だが、さらにカラーフィルムでは各感色層で一様に進むわけではないためカラーバランスの崩れの原因となりうる。撮影済みフィルムをなるべく早く現像することが推奨されるのはこのためである。現在販売されているフィルムなら少々の期間なら問題は起こらないものばかりだが、早めに現像するにこしたことはない。この反応は高温高湿であるほど早く進むため、撮影後しばらく現像できない時はなるべく低温低湿の場所で保管することが望ましい。詳しくは各フィルムの説明書を参照のこと。
現像後

褪色と呼ばれる現象が発生し、カラーバランスが崩れると同時に画像が徐々に薄くなっていく。常温常湿下で保管していると数十年経つと褪色が明らかに確認できることが多い。基本的に低温低湿下で保管するほど褪色の影響は少なくなる[2]。市販のフィルムスキャナなどではこの褪色を復元する機能を標準で搭載しているものが多い。なお、この褪色は色素が劣化することによって起こる現象であり、銀粒子によって画像を構成しているモノクロフィルムの方が経年耐久性は格段に高いとされる。印画紙はフィルムよりも経年耐久性が高いとされ、長期間保管する写真はプリントした状態で保管することが望ましいとされる。
主な種類

カラーフィルムのみを挙げる。モノクロについてはモノクロフィルムの項目を参照のこと。
富士フイルム

富士フイルムのフィルムは全体的な特徴として、日本人好みのややシアンとマゼンタよりの発色をするとされる。粒状性も良いとされる。
フジカラー 100
一般向けのISO100フィルム。鮮やかな色彩と高い解像力を発揮する。第4の感色層を搭載していない。
フジカラー SUPERIA X-tra 400
ISO 400の低価格フィルムで、海外でも販売されている。Venusに比べて第4の感色層を搭載していない。発色はVenusよりも落ち着いている。
フジカラー SUPERIA Venus 800
ISO800のみの販売。一般向けのフィルムで第四の感色層を搭載しており、発色は若干鮮やかで赤の発色がよく蛍光灯の緑カブリに強くなっている。微粒子化技術によってISO100に匹敵する解像力を得られる。Venus400は以前はラインナップされていたが、現在は販売終了。
フジカラー SUPERIA PREMIUM 400
一般向けのフィルム。Venus400に変わって登場した。新設計の感光層の特性によりラチチュードを広げることで露光オーバーに強くなっている。第4の感色層を搭載していない。
フジカラー NATURA 1600
ISO 1600。もともとSUPERIA Venus 1600として売られていたが、ナチュラルフォトシステム「NATURA」向けのフィルムとしてDXコードが若干変更されている。NATURA対応のカメラに装填することで、フラッシュを使わない自然な仕上がりに撮れる。第4の感色層を搭載している。2018年3月に出荷終了した[3]。これに伴い「写ルンです 1600 Hi・Speed」も生産を終了した。リアラエース(REALA ACE)のパトローネと外箱(両方とも35mmフィルム)
フジカラー リアラエース
ISO 100。リアルな色再現と軟調よりの階調表現をする。非常に優れた粒状性を持ち、先鋭な像を示す。高い解像度と豊かな階調を併せ持つ。第4の感色層を搭載している。ロングセラーだったが2012年2月で製造終了。
フジカラー Super G100
ISO100。高い先鋭度と優れた粒状性を誇る標準タイプのカラーフィルムのロングセラー。PROシリーズよりもやや売価が低いことも利点。110フィルムと120フィルムの販売がされているが、110フィルムは2009年9月で終了の予定、120フィルムも2010年8月で販売終了。第4の感色層を搭載していない。
フジカラー PRO 400
発色はおとなしめで階調表現に優れており、ポートレートや商品撮影に向いている。プロの名があるもののフィルムの温度管理はそれほど要求されない。第4の感色層を搭載している。(2014/05 出荷終了予定)[4]
フジカラー PRO 400H
自然で落ち着いた発色で階調表現は柔らかく、ポートレートや商品撮影に向いている。忠実な色再現を実現。第4の感色層を搭載している。
フジカラー PRO 160 NC / NS / NH / NL
ISO 160。120/220フィルム及びシートフィルムが存在する。NSは比較的軟調で階調表現が高く、NCは高いコントラストで印象的に、NHはそれらの中間的な表現を行う。NLはタングステン光用フィルム。現在はNH及びNLの製造は終了し在庫のみとなっている。NC及びNSは継続して製造販売されている。
フジカラー PRO 800
ISO 800。120フィルムのみ。中判カメラでのスナップ撮影などに適した高感度フィルム。2010年8月で販売終了

なお、日本国外向けにこれら以外のフィルムも数種類販売されている。
コダック

コダックのフィルムは全体的な特徴として、欧米人好みのややイエローよりの発色をする。自然な階調再現をするとされる。
GOLD 100
快活な発色をする。一般用は24枚撮りのみ。業務用20本入りでは12・24・36枚撮りが販売されている。一般用は2013年2月現在、国内では在庫限りとなっている。
SUPER GOLD 400
ISO 400。忠実な色再現を行うフィルム。24枚撮りは3本パック、36枚撮りは5・10本パック、業務用として24・36枚撮りが20本パックとして販売されている。もちろん単品も存在する。
ULTRA COLOR 100UC / 400UC (ISO 100 / 400)
ISO100と400がラインナップされている。彩度の高い発色を行うフィルム。現在135フィルムのみ。ULTRA COLOR 100UCは平成20年12月でULTRA COLOR 400UCは平成21年3月末で販売終了
PORTRA 160NC / 400NC
ISO160と400がラインナップされている。忠実な色表現を行うプロ向けネガフィルム。135・120ともにバラでは販売終了し、5本パックのみ。
PORTRA 160VC / 400VC
ISO160と400がラインナップされている。豊かな階調と高い彩度を実現するプロ用ネガフィルム。135・120ともにバラでは販売終了し、5本パックのみ。
PORTRA 800
ISO 800。豊かな階調と高い彩度を持つ高感度フィルム。
PORTRA 100T
ISO 100。120フィルムのみ。タングステン光用フィルム。在庫限りで販売終了。
EKTAR 100
プロ向け新フィルム。世界一の粒状性を実現したとされる。高彩度な発色をする。135および120が用意されている。
DNPフォトマーケティング(DNPフォトルシオ)

DNPフォトマーケティングDNPフォトルシオ)はコニカミノルタから印画紙事業を継承し、フィルムは公式発表ではないもののコダックOEMと見られる。
CENTURIA
135フィルムで感度ISO100/200/400がラインナップされている。商品名とパッケージの青色はコニカミノルタが発売していた同名商品のイメージを引き継いだもの。撮影枚数は24枚と36枚だが、24枚撮りのものはコニカミノルタ時代は27枚撮りとして製造・販売されていた。

コニカミノルタ時代とは発色が異なるが、派手すぎない落ち着いた自然な発色をする。2008年末以降、製造終了に伴い在庫限りで販売終了。
コニカミノルタ

コニカは軟調に仕上がるDD200プロ、軟調で低感度高解像度のインプレッサ50、ISO3200の超高感度ネガといった個性的な製品を送り出した。しかしミノルタとの合併後、多くの製品が生産を終了した。2007年3月をもって、フィルム事業の一部を大日本印刷に、カメラ事業の一部をソニーに譲渡した上で、写真事業から撤退した。


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