ネイティブアメリカン
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一方で北米東部ではかなりの頻度で欧州に多いY染色体-RmtDNA-Xが観察されることから、有史以前のある時期にヨーロッパから直接移住が存在した可能性も指摘されている[12][注 2]

北部の部族は肌の色が赤黒く鼻筋が通り高く盛り上がっておりワシ鼻である人が多い。また大航海時代以降は、ヨーロッパ人との混血、アフリカ黒人との混血が進んだ部族も多い。「アメリカ先住民#起源・特徴」、「アメリカ大陸#前史」、「先コロンブス期」、「パレオインディアン」、「マンダン・ヒダーツァ・アリカラ・ネーション」、「ブラック・セミノール」、「ブラック・インディアン」、および「文明化五部族」も参照
口承文化と言語

インディアンの歴史は口承文化の伝統とアートワークによって受け継がれてきたため、最初の文書による歴史は、ヨーロッパ系の白人によって、もたらされた[13]。固有の言語はアメリカ先住民諸語である。英語のみを話す人々も増加傾向にある。
人口

2010年の国勢調査では約309万人[14]。部族ごとに見ると、多くの人口を持つ部族はナバホチェロキーチョクトースーチペワアパッチラムビーブラックフットイロコイ、そしてプエブロである。

ニューヨークは全米の都市の中で最も多くのインディアンが住み、2014年には、22万8000人[15] ものインディアン(モホーク族モヒカン族など)がニューヨークで暮らしている。都市部で暮らし、保留地外の白人の町で暮らすインディアンは、「シティー・インディアン」と呼ばれる。

2003年のアメリカ国勢調査によると、アメリカ合衆国全体のインディアンの人口2,786,652名の三分の一が、3つの州に居住している(カリフォルニア州413,382名、アリゾナ州294,137名、オクラホマ州279,559名)。
食文化詳細は「ネイティブ・アメリカンの料理(英語版)」を参照

多くの部族がトウモロコシを主食とし、インゲンマメカボチャウリなどを栽培していた。狩猟、漁労、採集と農業を組み合わせる部族が多く、プエブロを除けば多くの部族が程度の差はあれ移動性の生活を送っていた(プエブロはトウモロコシなどの農業のみによって生活し、アドベと呼ばれる集合住宅に定住するという、インディアンとしては珍しい生活を送っていた)。ヨーロッパ人と接触する以前の家畜はシチメンチョウだった。犬は現在も、部族によって儀式などで食材とされており、コモン・インディアン・ドッグという犬種が存在する。北米には、イノシシの一種ペッカリーや、ヒツジの仲間ビッグホーンなどがいたが、これらは家畜化されなかった。

インディアンの食文化のうち、ペミカンサコタッシュフライブレッドなどは今日でもよく知られており、米国民の食文化に取り込まれたものもある。米国の重要な作物であるトウモロコシ、カボチャやウリ、インゲンマメタバコトウガラシは元来インディアンが栽培していたものである。

南西部のプエブロ諸族やナバホ族は、19世紀初め頃からスペイン人の持ち込んだヒツジの放牧を行うようになった。彼らの家畜数は連邦によって頭数を制限されており、年次ごとのチェックで頭数を超えた家畜は、白人の管理官によって強制的に溺死させられる。

カリフォルニアの捕鯨民族マカ族は、1999年5月17日、連邦政府が条約を破って70年間禁止してきたコククジラ漁を、これに伴うポトラッチの祝祭と併せて復活させた。シー・シェパードなど反捕鯨団体からの脅迫や嫌がらせ、州警察による漁師達の逮捕という圧力を受けるなか、2007年9月12日にも、再び捕鯨を行った。彼らはアメリカで唯一捕鯨を条約で保証されている部族であるにもかかわらず、現在、全米各地の関係者でも当事者でもない者たちから批判や訴追を受けている。

ロッキー山脈周辺の部族は、松の実[注 3]ドングリを主食とした。かつては年に一度、部族総出でドングリ採集に出かける際には村が全くの無人になった。ドングリは保存小屋に蓄えられ、粉に挽いてパンに加工して食べた。

北東部、北西海岸部の部族は伝統的にを燻製にして一年分の主食とする。しかし、保留地へのダム建設や漁猟権の剥奪などで、サケ漁の現状は年々厳しくなっている。北東部では、近年になってようやく鮭の伝統漁復活が認められた部族もある。1960年代のレッドパワー運動で、真っ先に行われた大規模な抗議行動は、サケ漁の権利をめぐって抗議するために連邦法や州法を破って漁をする「フィッシュ・イン」運動だった。
風俗など


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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