「イグノーベル賞」の2004年文学賞に「米国ヌーディスト研究図書館 (The American Nudist Research Library)」が選ばれている。 2009年現在、日本には自治体公認のヌーディストビーチなど、公共のヌーディズム実践の場所は存在しない。刑法上の問題で公共の場で全裸でいることが可能なのは、銭湯や公衆浴場、露天風呂などを除いてほとんどない。また男女が同時にというのは、混浴の場合が唯一許容されている例である。 1970年代初めには、和歌山県の白浜海岸で、ヌーディストビーチを設置する計画があったが、実現しなかった[4]。またその後、インターネットの普及により1997年頃からヌーディズム関係のホームページが開かれるようになり、掲示板上での交流が行なわれ仲間を集めて活動したり、私的なクラブが設立されたりしているが、公共のヌーディストビーチを開設しようとするなどのまとまった形のヌーディズム運動が展開されるには至っていない。 全裸になって他人の性的羞恥心を害すると刑法第174条の公然わいせつ罪に問われ、わいせつの解釈や状況次第では有罪になることもある。ヌーディズムは日本人全体から見ればごく少数による活動であり日本で広く理解を得ているとは言いがたく、全裸が性欲を興奮させ刺激する行動であると考える者が多数なので、たとえ私有地や屋内であっても他者の目に触れる状況であれば変質者や露出狂とみなされる。しかし、刑法にはヌーディズムそのものを制限する条文はないので、当然ながら他者の目に触れない場所での実践まで制限されていない。 刑法上の問題以外でも、ヌーディズムに反対する意見の根幹にあるのは、公共の場などで「裸でいること」そのものに対する反対であり、「裸でいること」を必要条件とするヌーディズム推進派とは根本的に相容れない。ヌーディズム推進派はこれに対し、活動が性愛的な要素を含まないこと、「裸でいること」による健康面における様々な効果、「裸でいること」に対する羞恥心や嫌悪感は後天的なものであることなどを主張している。このことに対して、喫煙に対する解決方法が、禁煙と分煙であることが参考になる。 ヌーディズムの盛んな欧米においては、当初「違法」とされながらも歴史を経て、一般の場所では全裸になることが許容されなくても、特定の場所(例えばヌーディストビーチなど)では全裸でいることを「公然猥褻」などの適用外とするような法解釈の変更や法令の改正が行われたケースがある。日本でもそれを念頭に置いて合法化を目指すべきと考えている者もいる。現行法に抵触しない範囲と判断して、私有地や他人の訪れる可能性が低い場所で実践している者[5]もいる。
日本の状況
歴史
実践における問題点
合法化について
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 海岸や河川などで水着を着用せずに裸のままで泳ぐことをスキニー・ディップという。
出典^ “ヌーディストビーチの栄光の日々をもう一度 クロアチア
^ 「The top 1,000 places to get naked. the world's best nude beaches and resorts」ISBN 978-0-934106-22-1
^ AFP「 ⇒>裸で自転車に乗り環境保護をアピール、「World Naked Bike Ride」開催」2007年06月10日、発信地:パリ/フランス。
^ 『週刊大衆』 1971年7月22日号
^ 本稿の体験記を参照。
参考文献
学術書
ハンス・ペーター・デュル『裸体とはじらいの文化史』法政大学出版局、ISBN 4588003224、1990年
秋田昌美『裸体の帝国 ヌード・ワールドヌーディズムの歴史 第1巻』水声社、ISBN 4891763124、1995年
フィリップ・カー=ゴム『「裸」の文化史』河出書房新社、2012年、ISBN 978-4-309-22564-7
小説
五木寛之「美しきスオミの夏に」(短編)『幻の女』文春文庫、ISBN 4150705518、1968年に収録
随筆
黒柳徹子『窓ぎわのトットちゃん』講談社、ISBN 4061832522、1981年(「プール」の章)
体験記
夏海遊『ヌードライフへの招待―心とからだの解放のために』明窓出版、ISBN 4896340507、2000年
夏海あおい『夏は着ぬ!―赤裸々ナチュラリズム宣言』新風舎、ISBN 4797443227、2004年
外部リンク
⇒国際ナチュリスト連盟 (International Naturist Federation/INF) (英語)
⇒ヌーディズムの変遷
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