ヌクトーサとヌクトルー
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クトゥルフにとって秘中の秘であり、あらゆる文献から記録を抹消され、隠されている[注 7][3]。クトゥルフの血を紡ぐクティーラは、父が用意した保険である。たとえ肉体が滅びても、クトゥルフはクティーラの子宮に宿って生まれ変わり、復活を遂げるつもりでいる。クティーラは秘匿された上で、ダゴンとヒュドラが護衛役についている。初出はタイタス・クロウ・サーガの第2作『タイタス・クロウの帰還』。ほか、ティナ・L・ジェンス『In His Daughter's Darking Womb』(未訳)に登場。また『カオスコード』には美少女萌え擬人化されて登場する。
クタニド

クタニド(Kthanid)は旧神の一柱。邦訳ぶれでサニド[4]とも表記される。容姿はクトゥルフに瓜二つの「兄弟」[注 8]

ブライアン・ラムレイ旧神の王として創造した。敬称はクタニド帝、猊下など。

慈愛に満ちた理性の神で、旧神たちの指導者であり、旧神郷エリシア(イリジア)の宮殿に住む。35億年前に、旧神の中から反逆者クトゥルフが現れたために、彼らをエリシアから追放して幽閉した。[注 9][注 10]

神は異種族と子供を作ることが可能で、クタニド帝の遠い子孫がティアニア姫であり、彼女はタイタスの伴侶となる。

クトゥルフのそっくりさんが旧神の統率者という設定は、ラムレイ以外は扱いかねているようで、TRPGではサニド(クタニドの別表記)は基本ルールには出てこず、サブ設定にて説明がされる。カーター版ネクロノミコンでは、クトゥルフら邪神たちを罰した旧神の指揮官をノーデンスかクタニドか特定できていないとしている[5]
クタニドの登場作品

ブライアン・ラムレイ『
タイタス・クロウ・サーガ

リン・カーター『ネクロノミコン

ダニエル・ハームズ『エンサイクロペディア・クトゥルフ』

ケイオシアム社「クトゥルフ神話TRPG」『マレウス・モンストロルム』

その他
イダ=ヤアー Idh-Yaa
ゾス星系に棲む雌性生物。ゾス三神とクティーラの母親。言及作品:『
陳列室の恐怖』。語られるだけで登場しない。
カソグサ Kassogtha
3番目の妻。クトゥルフの姉妹でもある。ヌクトーサとヌクトルーの母親。登場作品:比地加夜子『黒い別邸』[6]
ヌクトーサとヌクトルー Nctosa, Nctolhu
クトゥルフとカソグサの娘たち。双子の姉妹。木星大赤斑の中に幽閉されている。登場作品:ジョゼフ・S・パルヴァー『Nightmare’s Disciple』[7]名前の邦訳(音訳カナ)が定まっていない。クトゥルフ神話TRPG資料である『マレウス・モンストロルム』では、ヌトゥーサとヌタルフとされている[8]。Nctolhuは、クトゥルー、クトゥルフそれぞれに近い2通りの邦訳がされている。パルヴァ―の作中にて、リン・カーターが1975年に『ヌクトーサとヌクトルー』という小説を書いて発表していたという架空の設定が語られ、掲載誌がレアで、内容もほとんど知られていないとされている[7]。現実にはカーターは書いていないし発表してもおらず、出版社も掲載雑誌も実在しない。
ドヌムル D' numl
クトゥルフの従姉妹。登場作品:ジョゼフ・S・パルヴァー『Nightmare’s Disciple』[7]
眷属・小神

クトゥルフの同種生物ではないが、重要な神について解説する。
ダゴンとヒュドラ
詳細は「
父なるダゴンと母なるヒュドラ」を参照
ウブ Ubb
ユッギャ種族の長。イソグサとゾス=オムモグの従神。レッサー・オールド・ワン[注 11]。登場作品:『奈落の底のもの
関連作品

超時間の恐怖
(英語版) - ゾス三神をテーマとするシリーズ。

クトゥルーの子供たち - ゾス三神に関わる日本語版単行本。ほぼ上記の邦訳版。

タイタス・クロウの帰還 - 1976年作品。クティーラとクタニドの初出。およびゾス三神の商業出版物上での初出。

脚注[脚注の使い方]
注釈^ 大瀧啓裕がこちらの表記を用いる。大瀧は、HPLオリジナルと、ダーレス以降の神話を区別しており、HPLオリジナルをクルウルウと呼称する。
^ Spawn(落とし子)、Star-Spawn(星の落とし子)などと呼ばれ、「クトゥルフの落とし子」(クルウルウの末裔)や「クトゥルフの従者」と邦訳される。
^ ラムレイは『タイタス・クロウ・サーガ』にて、クトゥルフを邪神の王とし、ヨハンセン文書(HPLのクトゥルフの呼び声)で南太平洋に登場した怪物は、クトゥルフ自体ではなく、種族の一匹にすぎないとした。
^ このクトゥルヒは『這いよれ! ニャル子さん』にてルーヒーというキャラクターに萌え擬人化されている。この作品では邪神は星人種族の扱いになっているため、実質はクトゥルフの擬人化である。またガタノソア擬人化のキャラクターもいる。
^ 諸作品に登場するクトゥルフ種クリーチャーを、一括で取り込んだもの。元ネタはそれぞれ、@中国は『クトゥルフの呼び声』『クトゥルフ神話TRPG』『ハスターの帰還』など、A中東砂漠は『無名都市』『クトゥルフの呼び声』『永劫の探究』、Bグリーンランドは『クトゥルフの呼び声』、C北米の人家の地下洞窟は『ハスターの帰還』、D南米は『永劫の探究』。微妙に異なるので、TRPG導入時にアレンジが加えられている可能性がある。またダーレスの『永劫の探究』によると、クトゥルフ教団の拠点は世界に8箇所あるとされ、幾つかが先述の強個体5箇所に重複する。
^ ゾス三神の商業出版物上での初出は『タイタス・クロウの帰還』である。カーターがゾス三神を作品内で発表するより前に、交流のあったラムレイがゾス三神を作品内で言及した。
^ これは、非ラムレイの手によるリン・カーターネクロノミコンでも採用されており、アブドゥル・アルハザードは、クトゥルフの落とし子を@ガタノトア、Aイソグタ、Bゾス=オムモグ、Cそして余には述べる勇気としてないもの、と記している。クティーラの名前を出さずに、存在を暗示している。
^ ラムレイのクタニドは双眼、HPL由来のクトゥルフは六眼。
^ ラムレイの旧神は、優れた科学者である。太古の知恵が、ある側面では魔術とみなされ、他方では科学であるというのが、ラムレイ作品のスタンスである。
^ サーガ最終作『旧神郷エリシア』には、旧神たちの長老会として3柱、クタニド帝、ヤド=サダーグ(ヨグ=ソトースの従兄弟)、熱の旧神が登場する。兄弟や従兄弟という表現が人語そのままの意味なのかはわからないが、同胞の近親者ではあるようである。
^ レッサー・オールド・ワン分類とウブはどちらもリン・カーターが創造したもの。

出典^ 『マレウス・モンストロルム』クトゥルフの星の落とし子、39ページ。


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