前述の『神々の黄昏』初演を含む1984年から1987年にかけて1年1作ペースで行われた朝比奈隆指揮・新日本フィルハーモニー交響楽団などによるオール日本人キャストによる演奏会形式での上演を初演と見なすか、1987年に来日公演を行ったヘスス・ロペス=コボス指揮・ベルリン・ドイツ・オペラによる上演[4]を初演と見なすか、2通りの見方があるが、基本的には連続して演奏された後者を日本初演扱いにすることが多い。
その後も日本で『指環』が上演される時はだいたい4年がかりで完結させることが多い。 3部作、舞台祝祭劇『ニーベルングの指環』は序夜『ラインの黄金』、第1日『ワルキューレ』、第2日『ジークフリート』、第3日『神々の黄昏(たそがれ)』から成立している。 本作品は、並外れたスケールと領域の作品である。指揮者のペース配分にも依存するが、全体の演奏時間は約15時間ほどであり、4夜に渡って演奏される。最も短い『ラインの黄金』でも約2時間半ほどで、最も長い『神々の黄昏』では最長4時間半(休憩を除く)ほど続く。さらに、第1・第2ヴァイオリン各16、ヴィオラ、チェロ各12など、108名による大管弦楽団の編成によって演奏される。 物語のスケールと領域は叙事詩である。全世界の支配を可能とする魔法の指輪をめぐる、神、英雄、神話上のいくつかの生物の戦いの物語で神々の黄昏、天空の城ヴァルハラの炎上、地上のラインの洪水まで、ドラマと陰謀は、ヴォータンの支配する天上の神々の世界で、地上の人間界の世界で、地下のニーベルング族の住むニーベルハイムで、3世代にわたって続き、最後に神々の世界の灰から真の愛がよみがえる。 本作品の音楽は、重厚で雄大な感触があり、サイクルが進むに連れて複雑になっていく。
内容
序夜 『ラインの黄金』(Das Rheingold)
第1場 - ライン川の水底。3人のラインの乙女が泳いでいると、そこにアルベリヒ
第2場 - ヴォータンはフライアを報酬にして、巨人族に居城ヴァルハラを建設させる。城は完成したものの、フライアは巨人族に身を捧げることを拒否する。ローゲはラインの黄金を身代とすることを提案し、ヴォータンとともに地下のニーベルング族の国へ向かう。
第3場 - アルベリヒがラインの黄金で作られた指環の力でニーベルング族を支配している。ローゲは策略と弁舌でアルベリヒを捕縛する。
第4場 - 地上に引き立てられたアルベリヒから、ヴォータンは自由の代償としてラインの黄金を奪取する。アルベリヒは指環に死の呪いをかける。エルダ