ニンテンドーDS
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2011年

2月26日 - 任天堂、次世代型携帯ゲーム機となるニンテンドー3DSを日本で発売(北米・欧州・豪州では3月発売)、ゲームハードとしての世代交代を迎える。

3月6日 - 累計販売台数が3,254万台に達し、これまでの携帯型ゲーム機国内1位の売り上げだったゲームボーイの累計出荷台数3,247万台を上回った。


2016年

5月1日 - 修理受付終了[26]


ハードウェア

画面を2つ持つことや、タッチスクリーンマイクによる音声認識などのユーザインタフェースすれちがい通信といった通信機能を持っている[27]
開発

2002年までのテレビゲームコンシューマーゲーム)業界では、特に映像表現に関わるハードウェア技術の発達に伴って全体的にゲームが画一的、マンネリ化状態に陥っており、また、マスコミなどで非行引きこもりゲーム脳などゲーマーやテレビゲームのネガティブ・キャンペーンも行われていた[28][29][30][31]、これらによりゲーム人口も減少傾向(ゲーム離れ)にあったため、2003年にゲーム人口の拡大を目標に開発が始まり、「Touch! Generations」という一連のシリーズを発売した[32]
名称
「DS」は「Dual Screen」の略で、折りたたみ式の本体の両側に「2つの液晶画面を持っている」という意味がある。またニンテンドーDSが最初に発表されたE3 2001では “Developers' System”(開発者のためのシステム)という意味も示された[33]開発コードは「Nitro」(ニトロ)。そのことから本体ならびに関連製品の品番には「NTR」がつけられている。なお、ニトロ以前に「アイリス」というコードネームでゲームボーイアドバンスの次の世代のゲーム機が検討されていた[7]。当初「DS」はあくまで仮称とされていたが、のちに正式名称となった。
デザイン
外見はかつての同社のゲーム機『ゲーム&ウオッチ マルチスクリーン』を彷彿とさせる。2画面になった理由は、山内溥の「2画面にしてくれ」という強いこだわりやリクエストである[34]。下側の液晶画面はタッチスクリーンになっているほか、マイクがつき、ボタンもゲームボーイアドバンスと同様のものに加えXYボタンが追加されるなど、インターフェイス面で数多くの機能を持つ。
入力・出力関連
ダブルスクリーン
バックライトつきの26万色表示可能な3インチ液晶画面が2面搭載されており、今までのゲームでは画面やモードを切り替えないと見ることができなかった情報を別の画面に表示できるなど、さまざまなゲームのアイデアが実現可能である。ちなみにDSiでは画質の向上はなかったが、画面サイズを3.25型に変更した。インタレース表示のため、表示内容(スクロールや点滅など)によっては縞模様が見えることがある。なお、DSiでは縞模様がDS,DS Liteよりも見えにくくなっている。
タッチスクリーン
下画面にのみ抵抗膜方式透明アナログタッチスクリーン(タッチパネル)機能がついており、付属のタッチペンやタッチストラップ、指などで画面に直接触れることで操作ができる。ただし、(無印)ニンテンドーDS本体での指でのタッチは画面に指紋や傷がつくおそれがあるため、公式にはやめたほうがよいとされている。また、シャープペンシル、ボールペンなどでのタッチも避けた方がよい。『タッチ!カービィ』やゼルダの伝説シリーズの『夢幻の砂時計』『大地の汽笛』など、すべてタッチペンのみで操作するゲームも存在する。
MIC.
ファミリーコンピュータのIIコントローラが採用していたMIC.が新たに追加された。音声を発してゲームに反映させたり、喋った言葉の認識も可能である。『東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング』では音声を使用するトレーニングが可能。『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』などではボイスチャットが可能。また、『New スーパーマリオブラザーズ』など、マイクに息を吹きかけるときの音を拾って操作に取り入れているソフトもある。
XYボタン
スーパーファミコン以降の同社の据え置き型ゲーム機が採用していたXYボタンが、同社の携帯型ゲーム機として初めて追加された。DS、3DSの機種によっては電源ボタンも追加されたといえる。
本体の強度
歴代の任天堂のゲーム機同様、たとえば1.5メートルの高さから10回落として稼働するかどうか確かめる落下試験[35]など、開発段階で厳しい製品試験を行っており、ゲーム機としては非常に頑丈である。ただし、初代DSのみ上画面と下画面を展開するヒンジ機構がかなり壊れやすい。
擬音の採用
大半のソフトウェアの取扱説明書には「カチッ」と音がするまでカードを本体に差し込んで下さいという記述がある。このような擬音は人によって聞こえ方に幅があるため一般的には採用されにくく、任天堂ではカートリッジにバネ式の固定具を採用したニンテンドーDSまで採用されることがなかった[36]
カード・カートリッジの物理的特徴
ニンテンドーDS用のカード及びゲームボーイアドバンス用のカートリッジは裏面の両側に「切り欠き」があり、この切り欠きでスロット内の電気スイッチを作動させカード・カートリッジの識別とCPUの切り替えを行っている。なお、この切り欠きとそれに関する機構は、のちにニンテンドーDS Liteゲームボーイミクロのスロットにゲームボーイシリーズのソフトが物理的に入らないようにするためにも用いられた。
ストラップ
ニンテンドーDSおよびNewニンテンドー3DS(New 3DS LLを含む)までは専用ストラップが本体に同梱されていたが、Newニンテンドー2DS LLは同梱されていない。
通信関連
ネットワーク通信
IEEE 802.11対応の無線LANが内蔵されており、市販の無線LANアクセスポイントニンテンドーWi-Fi USBコネクタを使用して、任天堂のニンテンドーWi-Fiコネクションが利用可能である。暗号化はどのような手段・改造を使用してもWEPのみ対応。WPA、WPA2などの規格には対応していない。ただしDS/DS Liteの本体のWi-Fi認証はされていない[37]
ワイヤレス通信
通信ケーブルワイヤレスアタプタなどの周辺機器を使わずに、任天堂独自の無線規格による多人数の通信プレイ「DSワイヤレスプレイ」が可能。最高で通信可能な人数はソフトによって異なり、中でも『大合奏!バンドブラザーズ』は人数分の本体とソフトがあれば参加可能な人数は無制限となっている。またソフトによっては、ゲームボーイアドバンスと同様に、ソフト1つだけで遊ぶ「DSダウンロードプレイ」が可能。DSダウンロードプレイは本体に最初から入っている機能を使用し、DSiおよび3DSに内蔵されているワイヤレスプレイ機能もDSのOSを流用して実装されている。対戦・協力プレイのほか、ピクトチャットという内蔵チャットでの通信も可能。また、ゲームソフトによってはすれちがい通信という通信機能が搭載されている。
赤外線通信
赤外線通信に対応したソフトでは、DSカードに搭載された赤外線ポートによって同梱の周辺機器とデータなどをやり取りすることができる。DS本体には赤外線ポートが内蔵されていない(3DSには内蔵)。
その他の機能
言語設定
ニンテンドーDSでは、本体の表示言語を北米・日本・豪州・欧州発売版では英語・フランス語・イタリア語
[38]・スペイン語・ドイツ語・日本語[39]に言語を変更することが可能。

言語表示表北米・日本・豪州・欧州発売版韓国発売版
(韓国任天堂での発売)中国発売版
神游科技での発売)
EnglishEnglishEnglish
FrancaisFrancaisFrancais
Italiano???Italiano
EspanolEspanolEspanol
DeutschDeutschDeutsch
日本語日本語中文

時計機能
ソフト交換型の任天堂の携帯ゲーム機としては初めて、時計機能を内蔵している。それまでカートリッジに搭載されていたRTC機能を省くことが可能となり、長期間の使用によるRTC用バッテリー切れによる時計機能の停止という不安要素がついに取り除かれた。これにより、ゲームボーイアドバンスのカセットとセーブに使う媒体がソフトごとに異なる問題を解消できた。前回プレイ時からの経過時間や時刻などで異なったメッセージ表示を行うソフトがある。また、誕生日には開始アラーム音が高めの音になる。なお、内蔵ソフトにはアラーム機能もあるが、ネオジオポケットシリーズのような指定時刻に自動的に電源ONを行う機能はない。
設定保存機能
本体内にいくつかの設定データが保存されるようになっている。ユーザー名や誕生日、タッチ位置補正、ソフトの起動方法などのほか上記の無線LANの設定も本体に保存され、一度設定すればほかのソフトを使った際も再設定の必要なく接続ができるようになる。ソフトによってはユーザー名や誕生日などの設定もゲーム内で活用される。
パワーマネジメント機能
本体の開閉に連動した省電力機能が用意されており、電源ONの状態でも本体を閉じるとバックライトが消灯する。ABXYボタンの中央にセンサーがあり、スピーカーの磁気で開閉を検知している。本体開閉はソフトからも感知できるため、それに合わせてSEを出したり、動作を休止することも可能。ただしバックライト消灯以外の対応はソフト側に任されており、非対応の(本体を閉じても動き続ける)ものもある[40]。また、本体開閉の感知を省電力以外の目的に用いるソフトも存在する。また、ソフトによってはプレイ中でもバックライトの消灯が可能。
互換性ニンテンドーDSとゲームボーイアドバンスのスロット比較。DSの方には突起がある。

ゲームボーイアドバンスCPUに使われているARM7TDMIをサブCPUとして搭載することで、ゲームボーイアドバンス用ソフトとの互換性を実現している[41]

GBAを起動する際はDSのメインCPUであるARM946E-Sの機能を停止させ、DSのハードウェアの大部分を無効化にした後、サブCPUであるARM7TDMIをGBA同様にメインCPUとして動作させ、周波数をDSの34MHzからGBAと同じ数値の16.78MHzに落としている[41]

それまでの歴代ゲームボーイシリーズにあったZ80系のプロセッサは搭載しておらず、ゲームボーイ用のソフトは使用できない。そのため、ゲームボーイアドバンスカートリッジスロットの内部には突起があり、ゲームボーイカラー以前のカートリッジを物理的に挿入できない構造になっている(ゲームボーイミクロも同様)。また、ゲームボーイアドバンス用ソフト使用時に、X・YボタンによるL・Rボタンの割り当ては搭載していない。
ダブルスロット
DS専用ソフトとゲームボーイアドバンス(GBA)専用ソフトの2つのスロットがある。タイトルによってはGBA用ソフトが挿入されていることを認識して、DS用ソフト内のROMに記憶された特定のデータが使用できたり、DSソフトとGBAソフトとの間でデータのやりとりをしたりすることができる。初期型のみDS用ソフトのスロットは「SLOT-1 PUSH TO EJECT」だったが、2006年3月2日発売のニンテンドーDS LiteニンテンドーDSiニンテンドーDSi LLでは、「SLOT-1 PUSH TO EJECT」から「SLOT-1 PUSH CARD TO EJECT」に変更されている(DS・DS liteのみGBA用ソフトのスロットは「SLOT-2」)。また、GBA用スロットに挿入するDS専用の周辺機器も存在する。データ追加やメモリ拡張のほか、『オシャレ魔女 ラブandベリー DSコレクション』のカードリーダーや『ニンテンドーDSブラウザー』の拡張カートリッジのような、プレイに不可欠な周辺機器がソフトに付属している場合もある。DSでGBA用のソフトをプレイする際、上下どちらの画面に表示するかを選ぶことができる。GBA専用ソフトのスロットはゲームボーイアドバンスSP同様プレイヤーから見て本体手前側にあるため、『ヨッシーの万有引力』や『コロコロパズル ハッピィパネッチュ!』では特定のコマンド[42]によりゲームボーイアドバンスSP用の設定にしておく必要がある。また、『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール・プラチナ』と『ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー』ではダブルスロット機能を使ってGBA版シリーズから各作品にポケモンを送ることもできる[43]。なおDSi、DSi LL、3DS、3DS LL、2DS、New 2DS、New 3DS、New 3DS LLではGBA専用スロットが廃止されたため、ダブルスロットおよびGBA専用スロットを用いた周辺機器には対応していない。
ゲームボーイアドバンス通信コネクタ廃止
ゲームボーイアドバンス(以下GBA)にあった通信コネクタが装備されておらず、GBA用ソフトの通信機能を使うことができない。また、GBA用ソフトであってもゲームボーイアドバンス用の周辺機器も基本的に使用できない。DSのワイヤレス通信は、ゲームボーイアドバンス専用ワイヤレスアダプタとの通信規格が異なり、アドバンス用ソフトのワイヤレスプレイも不可能となる。

ライセンス商品では、充電端子に接続するゲームボーイアドバンスSP用のACアダプタヘッドホン変換プラグ、そしてゲームボーイアドバンススロットに挿入する『PLAY-YAN micro』や『プレイやん』、『カードeリーダー(旧型)』のみが使用可能。DS Liteのみ『カードeリーダー+』を物理的に使用できるが、通信機能は使えない。


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