ニューヨーク
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市内ではおよそ170の言語が話されている[11]。21世紀の現代においてもなお、不法移民に寛容的な施策をとる聖域都市の代表例であり、統計に反映されない住民も多数存在する[204]

ニューヨーク都市圏は、イスラエル外における最大のユダヤ人コミュニティをなしている。テルアビブ市域(都市圏ではなく、自治体の境界内)の人口も、ニューヨーク市域のユダヤ人口に及ばないため、ニューヨークは世界最大のユダヤ人コミュニティであるといえる。フィオレロ・ラガーディア市長や「ニューヨークのマスタービルダー」と呼ばれたロバート・モーゼスなどニューヨークの著名人にユダヤ系は多く、ニューヨーク市民の約12%がユダヤ人またはユダヤ系の子孫である[205]。また、インド系アメリカ人の人口も大きく、アメリカ国内の約4分の1が集まっている[206]アフリカ系アメリカ人のコミュニティもアメリカの都市の中で最大である。そのほか、ニューヨーク都市圏の中国系人口は、アジア外の都市圏で最大であり、2007年コミュニティ調査の時点で61万9,427人で、チャイナタウンも少なくとも6つを数える。

2005年推計で、5大民族集団は、プエルトリコ系イタリア系カリブ系ドミニカ系、中国系である[207]。ニューヨークのプエルトリコ系人口は、プエルトリコ外で最大である[208]。イタリア系は、20世紀初頭に大量に流入した。アイルランド系は、第6位の民族集団であり、同じく重要な地位を占めている。ヨーロッパ系のニューヨーク市民50人に1人には、Y染色体に、アイルランドの5世紀の王、九虜囚のニールにまでさかのぼる遺伝学的特徴を有している[209]

アメリカ合衆国統計局が実施した2005年から2007年のアメリカコミュニティ調査の時点で、市人口の44.1%が白人(非ヒスパニックは35.1%)である。黒人ないしアフリカ系アメリカ人は市人口の25.2%(非ヒスパニックは23.7%)、ネイティブ・アメリカンは0.4%(非ヒスパニックは0.2%)、アジア系は11.6%(非ヒスパニックは11.5%)、太平洋諸島系は0.1%未満である。その他の人種は16.8%(非ヒスパニックは1.0%)、2つ以上の人種の混血は1.9%(非ヒスパニックは1.0%)である。ヒスパニック、ラテン系は市人口の27.4%である[210][211]

所得格差は大きい。2005年現在、もっとも富裕な地域における世帯所得の中央値(メディアン)は18万8,697ドルであるのに対し、もっとも貧困な地域では9,320ドルである[212]。高所得者層における給与の上昇と、中・低所得者層における給与の停滞によって、格差は広がりを見せている。2006年、マンハッタンの週平均賃金は1,453ドルで、アメリカ国内の郡としては最高で、成長率も高い[213]。また、マンハッタンではアメリカ内で珍しいベビーブームを迎えている。2000年以来、マンハッタン内に住む5歳未満の子どもの数は32%以上増加している[214]

賃貸不動産の空室率(空地率)は3%から4.5%の間で、住宅景況の危険ラインとされる5%を十分下回っており、賃料規制政策の正当性を主張する根拠とされている。賃貸物件の約33%が、賃料規制の対象となっている。ニューヨークで住居を探すのは、特に手頃な値段で求めようとすると、かなり難しいことである[215]
都市圏人口

ニューヨークの都市圏、および広域都市圏を形成する各郡の人口は以下の通りである(2010年国勢調査)[3]

ニューヨーク・北ニュージャージー・ロングアイランド都市圏
郡州人口
ニューヨーク郡(マンハッタンニューヨーク州1,585,873人
キングス郡(ブルックリン区)2,504,700人
クイーンズ郡(クイーンズ区)2,230,722人
ブロンクス郡(ブロンクス区)1,385,108人
リッチモンド郡(スタテンアイランド)468,730人
サフォーク郡1,493,350人
ナッソー郡1,339,532人
ウエストチェスター郡949,113人
バーゲン郡ニュージャージー州905,116人
ミドルセックス郡809,858人
エセックス郡783,969人
ハドソン郡634,266人
モンマス郡630,380人
オーシャン郡576,567人
ユニオン郡536,499人
パサイク郡501,226人
モリス郡492,276人
サマセット郡323,444人
ロックランド郡ニューヨーク州311,687人
サセックス郡ニュージャージー州149,265人
ハンタードン郡128,349人
パットナム郡ニューヨーク州99,710人
パイク郡ペンシルベニア州57,369人
合計18,897,109人

ニューヨーク・ニューアーク・ブリッジポート広域都市圏
都市圏/小都市圏郡州人口
ニューヨーク・北ニュージャージー・ロングアイランド都市圏18,897,109人
ブリッジポート・スタンフォード・ノーウォーク都市圏フェアフィールド郡コネチカット州916,829人
ニューヘイブン・ミルフォード都市圏ニューヘイブン郡862,477人
ポキプシー・ニューバーグ・ミドルタウン都市圏オレンジ郡ニューヨーク州372,813人
ダッチェス郡ニューヨーク州297,488人
トレントン・ユーイング都市圏マーサー郡366,513人
トリントン小都市圏リッチフィールド郡コネチカット州189,927人
キングストン都市圏アルスター郡ニューヨーク州182,493人
合計22,085,649人

市域人口推移

以下にニューヨーク市における1698年から2010年までの国勢調査における人口推移を表で、また1790年から2010年までの人口推移をグラフで示す[216][217][3]。なお、1790年以降は10年ごとの国勢調査による数値であり、また、1900年以降は5つの行政区の合算である。

人口推移
年人口±%
16984,937?    
17125,840+18.3%
17237,248+24.1%
173710,664+47.1%
174611,717+9.9%
175613,046+11.3%
177121,863+67.6%
179049,401+126.0%
180079,216+60.4%
1810119,734+51.1%
1820152,056+27.0%
1830242,278+59.3%
1840391,114+61.4%
1850696,115+78.0%
18601,174,779+68.8%
18701,478,103+25.8%
18801,911,698+29.3%
18902,507,414+31.2%
19003,437,202+37.1%
19104,766,883+38.7%
19205,620,048+17.9%
19306,930,446+23.3%
19407,454,995+7.6%
19507,891,957+5.9%
19607,781,984?1.4%
19707,894,862+1.5%


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