ニューヨーク
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ニューヨーク市の人口はアメリカ最大であり、2010年の国勢調査では8,175,133人(1980年国勢調査時から約110万人増)となっている[3]。これはニューヨーク州の人口の約42.2%にあたる。ここ30年、市の人口は増加傾向にあり、人口学者は市の人口は2030年までに920から950万人に達するであろうと推計している[198]

ニューヨークの人口で特徴的なのが、人口密度の高さと、文化的な多様性である。市の人口密度は1km2あたり1万194人であり、人口10万人以上の自治体の中ではもっとも高い[199]。マンハッタンの人口密度は1km2あたり2万5,846人であり、アメリカの郡の中で1位である[200][201]

人口の多様性も著しい。歴史を通じて、ニューヨークは移民が流入してくる玄関口であった。「人種のるつぼ (melting pot)」という言葉は、最初、ロウアー・イースト・サイドの人口密度の高い移民地区を指す新語として作られた。現在、市人口の36.7%が外国生まれであり、3.9%はプエルトリコ、米国の諸島生まれ、またはアメリカ人の親を持って外国で生まれた者である[202]。これより外国人人口の比率が高いのは、ロサンゼルスマイアミだけである[201]。両都市の場合は、いくつかの国籍によってほとんどが占められているが、ニューヨークの場合は、支配的な国籍や出身地は特にない。現代の移民の出身地で多いのは、ドミニカ共和国中国ジャマイカガイアナメキシコエクアドルハイチトリニダード・トバゴコロンビアロシアである[203]。市内ではおよそ170の言語が話されている[11]。21世紀の現代においてもなお、不法移民に寛容的な施策をとる聖域都市の代表例であり、統計に反映されない住民も多数存在する[204]

ニューヨーク都市圏は、イスラエル外における最大のユダヤ人コミュニティをなしている。テルアビブ市域(都市圏ではなく、自治体の境界内)の人口も、ニューヨーク市域のユダヤ人口に及ばないため、ニューヨークは世界最大のユダヤ人コミュニティであるといえる。フィオレロ・ラガーディア市長や「ニューヨークのマスタービルダー」と呼ばれたロバート・モーゼスなどニューヨークの著名人にユダヤ系は多く、ニューヨーク市民の約12%がユダヤ人またはユダヤ系の子孫である[205]。また、インド系アメリカ人の人口も大きく、アメリカ国内の約4分の1が集まっている[206]アフリカ系アメリカ人のコミュニティもアメリカの都市の中で最大である。そのほか、ニューヨーク都市圏の中国系人口は、アジア外の都市圏で最大であり、2007年コミュニティ調査の時点で61万9,427人で、チャイナタウンも少なくとも6つを数える。

2005年推計で、5大民族集団は、プエルトリコ系イタリア系カリブ系ドミニカ系、中国系である[207]。ニューヨークのプエルトリコ系人口は、プエルトリコ外で最大である[208]。イタリア系は、20世紀初頭に大量に流入した。アイルランド系は、第6位の民族集団であり、同じく重要な地位を占めている。ヨーロッパ系のニューヨーク市民50人に1人には、Y染色体に、アイルランドの5世紀の王、九虜囚のニールにまでさかのぼる遺伝学的特徴を有している[209]

アメリカ合衆国統計局が実施した2005年から2007年のアメリカコミュニティ調査の時点で、市人口の44.1%が白人(非ヒスパニックは35.1%)である。黒人ないしアフリカ系アメリカ人は市人口の25.2%(非ヒスパニックは23.7%)、ネイティブ・アメリカンは0.4%(非ヒスパニックは0.2%)、アジア系は11.6%(非ヒスパニックは11.5%)、太平洋諸島系は0.1%未満である。その他の人種は16.8%(非ヒスパニックは1.0%)、2つ以上の人種の混血は1.9%(非ヒスパニックは1.0%)である。ヒスパニック、ラテン系は市人口の27.4%である[210][211]

所得格差は大きい。2005年現在、もっとも富裕な地域における世帯所得の中央値(メディアン)は18万8,697ドルであるのに対し、もっとも貧困な地域では9,320ドルである[212]。高所得者層における給与の上昇と、中・低所得者層における給与の停滞によって、格差は広がりを見せている。2006年、マンハッタンの週平均賃金は1,453ドルで、アメリカ国内の郡としては最高で、成長率も高い[213]。また、マンハッタンではアメリカ内で珍しいベビーブームを迎えている。2000年以来、マンハッタン内に住む5歳未満の子どもの数は32%以上増加している[214]

賃貸不動産の空室率(空地率)は3%から4.5%の間で、住宅景況の危険ラインとされる5%を十分下回っており、賃料規制政策の正当性を主張する根拠とされている。賃貸物件の約33%が、賃料規制の対象となっている。ニューヨークで住居を探すのは、特に手頃な値段で求めようとすると、かなり難しいことである[215]
都市圏人口

ニューヨークの都市圏、および広域都市圏を形成する各郡の人口は以下の通りである(2010年国勢調査)[3]

ニューヨーク・北ニュージャージー・ロングアイランド都市圏
郡州人口
ニューヨーク郡(マンハッタンニューヨーク州1,585,873人
キングス郡(ブルックリン区)2,504,700人
クイーンズ郡(クイーンズ区)2,230,722人
ブロンクス郡(ブロンクス区)1,385,108人
リッチモンド郡(スタテンアイランド)468,730人
サフォーク郡1,493,350人
ナッソー郡1,339,532人
ウエストチェスター郡949,113人
バーゲン郡ニュージャージー州905,116人
ミドルセックス郡809,858人
エセックス郡783,969人
ハドソン郡634,266人
モンマス郡630,380人
オーシャン郡576,567人
ユニオン郡536,499人
パサイク郡501,226人
モリス郡492,276人
サマセット郡323,444人
ロックランド郡ニューヨーク州311,687人
サセックス郡ニュージャージー州149,265人
ハンタードン郡128,349人
パットナム郡ニューヨーク州99,710人
パイク郡ペンシルベニア州57,369人
合計18,897,109人

ニューヨーク・ニューアーク・ブリッジポート広域都市圏
都市圏/小都市圏郡州人口


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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