ニューヨーク
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クイーンズ区(クイーンズ郡、人口2,230,722人)[3]
クイーンズは、最大の面積を持つ区であり、アメリカでもっとも多様な民族が住む地域である[84]。近年の成長により、人口がブルックリンを追い越す可能性もある。古くは、オランダ人によって建設された小さな町や村の集まりであったが、今日では大部分に住宅が広がる中産階級の地域となっている。アフリカ系アメリカ人の年収の中央値(メディアン)は約5万2,000ドルであり、白人よりも高いが、そのような地域はアメリカ国内の大きな郡としてはここだけである[85]ニューヨーク・メッツの本拠地であるシティ・フィールドがあるほか、毎年、テニスの全米オープンが行われる。また、ニューヨーク都市圏の3大空港のうち2つ、ラガーディア空港ジョン・F・ケネディ国際空港がある。北西部のアストリア、ロングアイランドシティは近年マンハッタンからの移住者が多い。アーティスト、ミュージシャンも多数。PS1, Isamu Noguchi Museum, Kafman Studioなど芸術の色が強い。
ブロンクス区(ブロンクス郡、人口1,385,108人)[3]
ブロンクスは、ニューヨーク市最北部の行政区であり、ニューヨーク・ヤンキースの本拠地ヤンキー・スタジアムがあり、アメリカ最大のコーポラティブハウスであるコープ・シティーがある[86]。マンハッタンのマーブルヒルと呼ばれるごく一部の地域を除けば、ブロンクスは、ニューヨーク市の中でアメリカ本土とつながっている唯一の地域である。ブロンクス動物園は、都市圏の動物園としてはアメリカ国内最大であり、広さは1.07km2に及び、6,000頭以上の動物がいる[87]ラップヒップホップ文化誕生の地でもある[18]
スタテンアイランド区(リッチモンド郡、人口468,730人)[3]
日本語では「スタテン島」と表記されることもある。5つの行政区の中でもっとも郊外に位置する。ブルックリンとはヴェラザノ・ナローズ・ブリッジでつながっており、マンハッタンとは無料のスタテンアイランド・フェリーで結ばれている。スタテンアイランド・フェリーは、自由の女神像エリス島、そしてロウアー・マンハッタンの最高の眺めを楽しむことができるため、観光客には非常に人気がある。スタテンアイランドの中央部には25km2のグリーンベルトがあり、約56kmのウォーキング・トレイルが設けられており、市内最後の天然林の一つがここにある。グリーンベルトは、1984年、島の自然を保護するために指定され、7つの公園からなる。サウス・ビーチ沿いのFDR遊歩道は長さが4キロあり、世界で第4位である。
文化世界最大級の博物館のひとつである「メトロポリタン美術館

作家トム・ウルフはニューヨークについて、「文化が空気の中にあるようだ。天気の一部のように」と述べている[88]。アメリカにおける数々の文化的ムーブメントはこの街で始まった。ハーレム・ルネサンスは、アフリカ系アメリカ人文学の規準を作った。

1940年代にはジャズの、1950年代には抽象表現主義の中心地となり、1970年代にはヒップホップを生んだ。パンクハードコア・パンクの動きは1970年代から1980年代にかけて大きな影響力を持ち、ユダヤ系アメリカ人文化も長い間栄え、ニューヨーク知識人が生まれた。近年、ニューヨークから出てきたインディー・ロックのバンドとしては、ザ・ストロークスインターポール、ザ・ブレーバリー、シザー・シスターズゼイ・マイト・ビー・ジャイアンツなどがある。
舞台アメリカ最大の舞台芸術複合施設である「リンカーン・センター

リンカーン・センターは、アメリカ合衆国で最大の舞台芸術センターであり、ジャズ・アット・リンカーン・センターメトロポリタン歌劇場ニューヨーク・シティ・オペラ2013年10月1日、連邦倒産法適用申請発表)[89]ニューヨーク・フィルハーモニックニューヨーク・シティ・バレエ団、ビビアン・ボーモント劇場、ジュリアード音学院、アリス・タリー・ホールなどがその中に置かれている。

「セントラル・パーク・サマーステージ」では、セントラル・パークで舞台や音楽の上演が無料で行われるほか、夏の間、5つの行政区すべてで、1,200ものコンサート、ダンス、劇場イベントが無料で行われる[90]
映画

アメリカ映画産業の中でも、ニューヨークは重要な役割を果たしている。初期のアバンギャルド映画である「マンハッタ」(1920年)は、ニューヨークで撮影された[91]。任天堂のマリオはこの街に住んでいた人物がモデルである。今日、ニューヨークはアメリカ合衆国の映画産業にとって規模第2の中心地である。2,000を超える芸術・文化団体や、500を超える大小のアート・ギャラリーがある[92]

市政府の芸術に対する支出は、アメリカ政府の国家芸術基金の予算よりも多い[92]。19世紀の富裕な実業家によって、カーネギー・ホールメトロポリタン美術館といった重要な文化施設のネットワークが築かれた。電灯の出現により、手の込んだ劇場作品が生まれ、1880年代にはブロードウェイや42番ストリート沿いの劇場で「ブロードウェイ・ミュージカル」として知られることになる新しいステージが上演されるようになった。近年は、従来のミュージカルの範疇を超えたパフォーマンスアート、無言劇など、より実験的な舞台を小規模な劇場で公演するオフ・ブロードウェイが出現している。

移民の影響を強く受け、ハリガン・アンド・ハート、ジョージ・M・コーハンらの作品は、希望や野心といったテーマを多く取り入れた物語の歌を用いた。これらの作品は、現在、ニューヨークの演劇界の主力となっている。ニューヨークの39の大劇場(座席数が500超)を、タイムズスクエア劇場地区を通る大通りであるブロードウェイから取って、併せて「ブロードウェイ」と呼ぶ[93]。また、「メイン・ステム」「グレート・ホワイト・ウェイ」「リアルト」と呼ばれることもある。
観光タイムズスクエアは「世界の十字路」との異名をとる[94]

ニューヨークには、毎年4,700万人の外国人・アメリカ人が訪れ、観光の重要性は高い[95]。有名な観光名所としては、エンパイア・ステート・ビルディングウォルドルフ=アストリアエリス島ブロードウェイ劇場メトロポリタン美術館を始めとする博物館・美術館などがある。

その他にもセントラル・パークワシントン・スクエア・パークロックフェラー・センタータイムズスクエアリトル・イタリーチャイナタウンブルックリン橋ブロンクス動物園コニーアイランドフラッシング・メドウズ・コロナ・パークニューヨーク植物園サークルラインでマンハッタン島一周、また5番街マディソン・アベニューでのリッチな買い物、さらにグリニッジ・ヴィレッジでのハロウィーン・パレード、メイシーズ・サンクスギヴィング・デイ・パレードセントパトリックス・デー・パレード、冬季のセントラル・パークでのアイス・スケートなどの季節のイベント、トライベッカ映画祭、セントラル・パーク・サマーステージでの無料公演といったイベントなど、観光客を引きつけるものは数多い。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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