ニューポートは1881年にテニスの「全米シングルス選手権」(現在の全米オープンテニス)の第1回大会が開催された場所であり、1954年には当地出身の名テニス選手ジェームズ・バン・アレンを記念した「国際テニス殿堂(International Tennis Hall of Fame)」が設立され、世界の重要なテニス選手を顕彰している。殿堂は市内中心部にある「ニューポート・カジノ」と呼ばれる社交クラブだった建物に入居しており、テニス界の数々の記念物が展示されている。また1976年からは同地で男子プロテニス大会のテニス殿堂選手権が開催されている。翌1977年からATPツアーに組み込まれウィンブルドン選手権開催後の7月上旬から中旬にかけて開催されるようになった同大会は、その年のグラスコートシーズンを締めくくる大会として定着している。また大会期間中には、毎年1月に発表されるその年殿堂入りを果たした人物達の表彰式が執り行われている。
ニューポートカントリークラブは名門ゴルフ場であり、全米ゴルフ協会設立に中心的役割を演じた5つのゴルフクラブの一つでもある。1895年に開かれた全米オープンゴルフと全米アマチュアゴルフのそれぞれ第一回は、このニューポートカントリークラブで行われた。
ニューポートは西に港があり、南と東は崖などの続く海岸であり、三方を海に囲まれているため海運業・水産業・そしてマリンレジャーが盛んである。港にはマリーナがあり、クルーザーやヨットなど多くのプレジャーボートが停泊している[2]。ニューポートは「合衆国のセーリング(ヨット競争)の首都」とも称されており、ヨットレースが盛んである。特に長年アメリカスカップが開かれた場所だったことも有名である。ニューヨーク・ヨットクラブは19世紀半ばから132年間にわたり連続でアメリカスカップ防衛を続け、1930年から1983年にかけての間はニューポートにおいて各国代表のヨットの挑戦を撥ね返し続けてきた。1983年、ここニューポートでのレースでニューヨーク・ヨットクラブはついにオーストラリアのヨットに敗れた。
ニューポートは、1954年以来毎年8月に開催され多くの伝説的なセッションが行われたニューポート・ジャズ・フェスティバル、1959年以来毎年開催されるニューポート・フォーク・フェスティバル(1963年にボブ・ディランがエレキギターで演奏して客を驚かせ、ブーイングを浴びてステージから下ろされたという伝説があるが、これが実話かどうかは不明である)、その他サンセット・ミュージック・フェスティバル、毎年6月のニューポート国際映画祭などもある。9月には、ニューポート国際ボートショーが開かれ大勢の観客でにぎわう。
これ以外にも多数の観光名所がある。ニューポート・タワー(石造りの塔で17世紀ごろものとされるが、古くから「コロンブス以前のヨーロッパ人の入植の証拠」と主張されている塔)、サルヴェ・レジーナ大学(Salve Regina University、ニューポートの豪邸の多くを寄付されてキャンパスとしている)、J・F・ケネディの「夏のホワイトハウス」と呼ばれた別荘ハマースミス・ファーム、現存する全米最古のシナゴーグであるトウロ・シナゴーグ(Touro Synagogue)、全米最古の貸し出し式図書館であるレッドウッド図書館(Redwood Library and Athenaeum)などがある。
アウトドア風光明媚なニューポートの海岸
アクイドネック島は多くの美しい砂浜があり、大勢の海水浴客でにぎわうほかプライベート・ビーチもある。ニューポートには市内最大のイーストンズ・ビーチ(Easton's beach)と断崖が続く有名な「クリフ・ウォーク」の眺めが楽しめるファースト・ビーチ(First Beach)という公共の砂浜がある。オーシャン・ドライブには家族連れに向いているグースベリー・ビーチ(Gooseberry Beach)がある。同じくオーシャン・ドライブ沿いには二つのプライベート・ビーチがある。また、ヨットによるセーリング、シーカヤッキング、ウィンドサーフィンなどマリンスポーツが盛んである。 ロードアイランド公共交通局(Rhode Island Public Transit Authority、RIPTA)が州都プロビデンスを中心にバスの路線網を有しており、うち2系統がプロビデンスのダウンタウンとニューポートを結んでいる。また、ニューポートとロードアイランド大学
交通
RIPTAのバスが発着するダウンタウンのバスターミナルにはグレイハウンドと提携しているボナンザ・バス(Bonanza Bus)も発着しており、ボストンとの間に中距離バスの便がある。
グレイハウンド本線はプロビデンスのバスターミナルを利用することになる。プロビデンスにはアムトラックの駅もあり、北東回廊線の中距離列車やアセラ・エクスプレスが停車する。北東回廊線の各列車はプロビデンスのほかキングストンにも停車する(アセラ・エクスプレスは停車しない)。また、ニューポートの玄関口となる空港もプロビデンス近郊のノーウィッチにあるT・F・グリーン空港である。ダウンタウンの北東約3kmにニューポート州営空港もあるが、こちらはジェネラル・アビエーション・エアポート(General Aviation Airport)と呼ばれる、チャーター機や自家用機専用の空港となっている。このほか、より規模が大きく、便数も多いボストンのローガン国際空港もニューポートから利用可能な距離に位置している。
ニューポート出身の人物
マシュー・ペリー(Matthew C. Perry):アメリカ海軍の提督で、1853年に日本開国の任務を帯びて4隻の軍艦を率い東アジアに来航、中国や琉球などを経て、浦賀沖に現れ日本を震撼させた。翌1854年に再来航、日米和親条約を締結した。
オリバー・ハザード・ペリー(Oliver Hazard Perry):アメリカ海軍軍人でマシュー・ペリーの兄。1812年のエリー湖の戦いで英雄となった。
ウィリアム・エレリー・チャニング(William Ellery Channing):19世紀に活躍したユニテリアン主義の牧師。
アイダ・ルイス(Ida Lewis):19世紀にニューポート港のライムロック灯台の灯台守を勤めた女性。献身的な働きで生涯に計18人の人命を守り、後に国民的英雄となった。
フランク・コリドン(Frank Corridon):野球選手。シカゴ・カブス、フィラデルフィア・フィリーズ、セントルイス・カージナルスなどでピッチャーとして活躍。現在では反則となっているスピットボールを最初に使った人物。
ヴァン・ジョンソン:映画俳優。メトロ・ゴールドウィン・メイヤーなどで活躍し「アメリカの理想的な英雄」を演じて人気があった。特に第二次世界大戦期の戦意高揚映画などで有名。
タニヤ・ドネリー(Tanya Donelly):女性ミュージシャン。1990年代以降、ロードアイランド州に拠点を置くスローイング・ミュージズ(Throwing Muses)、ベリー(Belly)などのオルタナティヴ・ロックバンドでギターおよびボーカルを務めた。またブリーダーズ(The Breeders)にも参加。
ミーナ・スヴァーリ(Mena Suvari):映画女優。1979年生まれ。数々の学園映画に出演したほか、『アメリカン・ビューティー』で脚光を浴びた。
人口動勢トウロ・シナゴーグ、現存する全米最古のシナゴーグトリニティ教会