第二次世界大戦後は軍事同盟であるANZUSに加盟していたが、1980年代に入ると核に対する態度(南太平洋非核地帯条約に参加、2018年には核兵器禁止条約を批准)の違いから、アメリカとの同盟関係に亀裂が生じ、85年にアメリカの安全保障義務から外れると、86年に脱退した。イラク戦争には反対し派兵しなかったが、対テロ戦争の一環でアフガニスタンやインド洋に兵力を派遣している。アメリカとの関係は2000年代後半から緩和しはじめ、2010年のウェリントン宣言と2012年のワシントン宣言で回復を見せた[21]。
ただし、2020年代においても、参加しているUKUSA協定の役割拡大には不快感を示し[22]、AUKUSでオーストラリアが原子力潜水艦を導入決定した際には領海侵入拒否を伝達した[23]。
地理詳細は「ニュージーランドの地理」を参照火山は北島に集中するミルフォード・サウンド
ニュージーランドの面積は、268,680 km2である。
ニュージーランド列島は環太平洋火山帯に属し、北島と南島の二つの主要な島と多くの小さな島々で構成される。北島と南島の間には、クック海峡がある。
北島(ノースアイランド)には、首都ウェリントンがあり、政府機関が集中している。同国最大の都市であるオークランドは、商業および経済の中心地となっている。オークランドは、オークランド市、マヌカウ市 (en)、ワイタケレ市、ノースショア市の4市によって構成されている。オークランドの年間降水日は100日以上で、雨の多い街である。近くの観光名所として、温泉地として有名なロトルア、タウポ、ワイトモ鍾乳洞 (グローワーム洞窟、en) の土蛍などが有名である。北島は、南島ほど険しい山脈はないが、火山活動が活発である。北島の中での最高峰は、2,797m のルアペフ山である。
南島(サウスアイランド)は、最も陸地面積の大きな島で、中心都市はクライストチャーチ。島の中央には「南半球のアルプス山脈」と呼ばれる南アルプス山脈がそびえる。最高峰は、3,724m のクック山(マオリ語ではアオラキ、「雲を貫く」という意味)で、その他に3,000m 以上の峰が18ある。他にもタスマン氷河、サザンアルプス、クック山、ミルフォード・サウンドのような豊かな自然も有名である。クイーンズタウンは世界的に有名な観光・保養地である。温泉地も各地に点在する。 風光明媚な地形、火山、温泉、地震は複雑な活動中の地質に起因する。北島の東側には北のトンガ海溝に続く海溝があり、ここでは太平洋プレートがオーストラリアプレートに沈み込み、西側の北島に火山・地震が多い原因となる。南島北部には5本の主要断層があり南のアルプス断層に集約する。この断層は南島を斜めに縦断する右ずれのトランスフォーム断層である。
地質
環境詳細は「ニュージーランドの環境(英語版
気候詳細は「ニュージーランドの気候(英語版)」を参照
気候は、ほぼ全土が西岸海洋性気候に含まれ、夏は涼しく冬の強烈な寒波もない。1年を通して温暖な気候であるが、北島・南島ともに多くのスキー場があり、世界中からスキーヤーが訪れる。南半球の地理的、気候的な条件も好まれ、世界各国のスキー連盟の冬季強化合宿地に選ばれている。
1世帯当りの敷地面積は約500m2、住宅床面積は約200m2である。
生態系ニュージーランド固有の種の一つ、タカヘ。飛べない鳥であり、絶滅が心配されている。詳細は「ニュージーランドの生物多様性(英語版)」を参照
ニュージーランドの北島、南島およびスチュアート島は太古から大陸から切り離され孤立したため独特の生態系が形成された。とりわけ、コウモリ類、クジラ類以外の哺乳類が全くいないことは特筆すべきであり、そのため、通常なら陸生哺乳類が担うべき役割を鳥類が担う形で適応放散し、すでに絶滅した巨鳥モアをはじめ、キーウィやフクロウオウム、タカヘなど飛べない鳥による生態系が発達した。
人類の到来以降(特にヨーロッパ系白人移民の入植以降)は、持ち込まれた哺乳類動物(イヌ、ネコ、ネズミ、シカなど)によってこうした生態系が大きく撹乱された。現在では、生物の持込には厳しい制限を敷く保護政策がとられている。
地方行政区分詳細は「ニュージーランドの地方行政区画」および「ニュージーランドの都市の一覧」を参照ニュージーランドの行政区画主要都市
16地方に分かれる。
北島
1. ノースランド2. オークランド3. ワイカト4. ベイ・オブ・プレンティ5. ギズボーン6. ホークス・ベイ7. タラナキ8. マナワツ・ワンガヌイ9. ウェリントン
南島
10. タスマン11. ネルソン12. マールボロ13. ウェスト・コースト14. カンタベリー15. オタゴ16. サウスランド
特別領
チャタム諸島 (Chatham Islands) - 南島クライストチャーチの東方約1000kmの太平洋上の島。
以上の他に、以下の地域がニュージーランドと特別の関係を有する。本記事中のデータは、これらの領土を含んでいない。
自治領
トケラウ (Tokelau)
自由連合
クック諸島 (Cook Islands)ニウエ (Niue)
南極条約により棚上げされているが、1957年に南極ロス海周辺をロス海属領 (Ross Dependency) としてその領有を主張した。
ニュージーランド国王を元首とするニュージーランド王国は、これらの領土、自治領、自由連合国家、属領によって構成されている。
経済オークランドはニュージーランド最大級の経済都市であり、オセアニア有数の世界都市である詳細は「ニュージーランドの経済(英語版)」を参照
第1次産業
農業「ニュージーランドの農業(英語版)」を参照
豊かな国土と地形から農業が盛ん。とくに酪農、畜産が盛んに行われ、およそ3割の輸出品目は農産品で占められる(乳製品19.5%、食肉13.8%(2007年6月)。