ニュージーランド
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2014年の総選挙は9月20日に行われ、定数121で与党国民党が61議席と単独過半数を獲得し、キー政権が3期目に入った。一方、野党第一党の労働党は32議席にとどまり、議席数を減らすことになった。ファースト党は11議席を獲得し、この選挙で躍進した。

2017年の総選挙は9月23日に行われ、定数120で総選挙での政党別議席獲得数は、中道右派ニュージーランド国民党56、中道左派ニュージーランド労働党46、ニュージーランド・ファースト党9、緑の党8、ACTニュージーランド党1であり、従前議席のあったマオリ党及び統一未来党は議席を失った。この結果を受けて労働党はニュージーランド・ファースト党との連立政権樹立に合意し、緑の党の閣外協力も得て2017年10月26日ジャシンダ・アーダーンが第40代首相に就任した。「ニュージーランドの政党」も参照

2020年3月14日、アーダーン首相は記者会見に臨み、新型コロナウイルス感染症の拡大を阻止するため、入国者全員に14日間の自主隔離を義務付けると表明した。なお、感染症の発生が見られない太平洋の小国からの入国は例外としている。この時点でニュージーランドで確認された患者は6人、死者は0人であった[16]

2020年総選挙で、与党労働党は選挙前より19議席増やして65議席を獲得しアーダーン政権を継続した。2023年1月19日には目指すエネルギーは残っていないとしてアーダーン首相は辞任表明し、後任の労働党党首であるクリス・ヒプキンスが同年1月25日に首相に就任した[17]

ニュージーランドは、女性の政治的権利(女性参政権)を早くから保障してきたことで知られている。1893年に世界で初めて女性参政権を実現させたのはニュージーランドである(被選挙権1919年から)。2005年3月には女性が初めて議会議長に任命され、2006年8月までの間、二人の国家元首(国王、総督)と三権の長(代議院議長、首相、首席判事)全てが女性で占められた。

ニュージーランドはイギリスと同様に成文憲法を持たないが、1986年建国法 (en) が国の基本法となっている[13]
国際関係詳細は「ニュージーランドの国際関係(英語版)」を参照ニュージーランドが外交使節を派遣している諸国の一覧図。

ニュージーランドの対外関係は、主に先進国およびオセアニア諸国に向けられている。ニュージーランドは、GDPこそ大きくないものの、太平洋の中間に位置する人間開発指数の高い先進国として、複数の多国間組織(太平洋諸島フォーラムアジア太平洋経済協力太平洋共同体など)に属している。自由貿易も推し進め、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の初期メンバーである。一方、軍事面では軍備管理非核とともに独立性を重んじている(後述)。

主要な貿易相手国は中国、オーストラリア、アメリカ、日本である[18]。特に中国とオーストラリアの占める割合が大きく、輸出では40%、輸入では30%になる。近年、中国との貿易額が急増しており、2014年以降オーストラリアを抜き最大の物品貿易相手国となっている。主な輸出品目は乳製品や肉類といった第1次産品、輸入品は石油や工業製品である。貿易収支はマイナスであることが多い。

傍ら、1987年の非核地帯、軍縮および軍備管理法(1987年ニュージーランド非核地帯・軍縮・軍備管理法(英語版))の下で、ニュージーランドの領海、陸地、空域は非核地帯になっており、以降は原子力船(または核武装艦)が同国の湾港を使用したり、同国水域に入ることを禁止する現状が続いている。「ニュージーランドにおける非核地帯(英語版)」も参照
日本との関係詳細は「日本とニュージーランドの関係」を参照

1985年よりワーキング・ホリデー協定(30歳以下の若年者が1年間海外生活を総合的に体験できる制度。2010年3月29日より1雇用主の元で労働できるのは3箇月以内という期間限定が解除された)を結んでいる。2004年の日本人への査証発給件数は3,789件(85年よりの累計45,257件)、NZ人への発給件数は211件(85年よりの累計8,769件)となっている。

ニュージーランドは国際博覧会には参加しない方針を取っているが、2005年の愛知万博には日本との今後の関係の重要性を考慮し、特別参加した。期間中に、クラーク首相も来日している。ニュージーランド交響楽団によるコンサートも開催された。

ニュージーランドでは、1990年代に国内での自動車の生産を終了しており、日本は長らく同国1位の自動車の輸入先となるなど幅広い貿易活動が行われている。一方、貿易の拡大を通じて国内に日本からの外来種カメムシなど)が移入している事例もあり、国内農業への影響が懸念されている[19]

国家安全保障詳細は「ニュージーランド軍」を参照

軍事面では独立性を重んじている[20]ニュージーランド軍として陸海空の三軍を有する。直接的な脅威を受ける国家がないため、冷戦終結後は陸軍を主体とした3軍を再編し、本土防衛のほか、国際連合平和維持活動 (PKO) を重点活動とした。

第二次世界大戦後は軍事同盟であるANZUSに加盟していたが、1980年代に入ると核に対する態度(南太平洋非核地帯条約に参加、2018年には核兵器禁止条約を批准)の違いから、アメリカとの同盟関係に亀裂が生じ、85年にアメリカの安全保障義務から外れると、86年に脱退した。イラク戦争には反対し派兵しなかったが、対テロ戦争の一環でアフガニスタンインド洋に兵力を派遣している。アメリカとの関係は2000年代後半から緩和しはじめ、2010年のウェリントン宣言と2012年のワシントン宣言で回復を見せた[21]

ただし、2020年代においても、参加しているUKUSA協定の役割拡大には不快感を示し[22]AUKUSでオーストラリアが原子力潜水艦を導入決定した際には領海侵入拒否を伝達した[23]
地理詳細は「ニュージーランドの地理」を参照火山は北島に集中するミルフォード・サウンド

ニュージーランドの面積は、268,680 km2である。

ニュージーランド列島は環太平洋火山帯に属し、北島南島の二つの主要な島と多くの小さな島々で構成される。北島と南島の間には、クック海峡がある。

北島(ノースアイランド)には、首都ウェリントンがあり、政府機関が集中している。同国最大の都市であるオークランドは、商業および経済の中心地となっている。オークランドは、オークランド市、マヌカウ市 (en)、ワイタケレ市、ノースショア市の4市によって構成されている。オークランドの年間降水日は100日以上で、雨の多い街である。近くの観光名所として、温泉地として有名なロトルアタウポワイトモ鍾乳洞 (グローワーム洞窟、en) の土蛍などが有名である。北島は、南島ほど険しい山脈はないが、火山活動が活発である。北島の中での最高峰は、2,797m のルアペフ山である。

南島(サウスアイランド)は、最も陸地面積の大きな島で、中心都市はクライストチャーチ。島の中央には「南半球のアルプス山脈」と呼ばれる南アルプス山脈がそびえる。


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