ポップスと比較すると、自然、風景、旅、環境、宇宙、生命などから連想される詩的な世界をテーマにした作品が多く、いくつかの曲では自然の収録音が用いられることもある。背景の自然音や主旋律のボーカル・楽器を除けば、殆どが抽象音で構成される内省的な音楽であり、特にシンセサイザーの音色は作品中でリスナーに多様なイメージを喚起する重要や役割を担っている。神聖さを演出するため、ハーモニーには教会旋法や協和音が用いられる楽曲も多い。急な切り替わりによる精神的な負荷を避けるため、長時間を掛けて徐々に楽曲が展開するミニマル・ミュージック的な観点で作られることが多く、メロディは幾度も繰り返される様式が多い。ミニマル感により催眠感が形成されるとする楽曲もある。一部のニューエイジ・ミュージックはニューエイジ・ムーブメントと関連付けられるが、すべてのニューエイジ・ミュージックにニューエイジ・ムーブメントとの直接的な関連があるわけではない。 ニューエイジ音楽は、聴く人をリラックスさせ、ポジティヴな感情を与えたり、残響に沿ったメロディが特徴の音楽である。1960年代後半から、ヨーロッパおよびアメリカで、ヒッピー運動の影響を受け自然回帰願望を持った人々を対象として、実験的な癒やしの音楽として始まった。1970年代から、ブライアン・イーノ[注 4]が提唱したアンビエント・ミュージックや環境音楽に刺激を受け、より多くの楽曲が活発に作られるようになっていく。そして、ウィリアム・アッカーマンが主宰するウィンダム・ヒル・レコードが1976年に活動を開始し、多くのニューエイジ系アーティストを輩出したことで、1980年代を通してニューエイジ・ミュージックの大衆化と進化が急速に進んだ。日本では、喜多郎などが先駆けとして活動するようになる。1981年に、マウンテンビューのタワー・レコードが初めて「ニューエイジ」を音楽市場のジャンルに加え、1985年から本格的にジャンルとしてニューエイジが広まった。1986年度からグラミー賞にニューエイジ部門が設けられ、記念すべき最初の受賞者となったのは、スイス出身のアンドレアス・フォーレンヴァイダーである。その他にも、エンヤ、ジョージ・ウィンストン、クラナド[注 5]、ウィリアム・アッカーマンなどのアーティストが受賞しており、日本人の受賞者には喜多郎がいる。
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