ニューエイジ・ミュージック
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

クラシックポップスジャズなど多様な要素をミックスしたような特徴を持ち、環境音楽ヒーリング・ミュージックワールドミュージック[注 1]イージー・リスニング[注 2]などの音楽と、多くの共通点を持つ。これらの音楽とレコード店のジャンルの分類の際に、混同されることも多い。実際にCDショップやレコード業者の都合で、他ジャンルのに並べられていることもある。曲が芸術的インスピレーションやリラクゼーション瞑想、オプティミズムを助ける目的や、音楽療法ヨガ[注 3]などに使用されることを前提として作曲されていることもある[1]。主にシンセサイザーピアノなどのインストゥルメンタルで演奏される場合が多い。楽曲によっては人の声を使用する曲もある。

ポップスと比較すると、自然風景環境宇宙生命などから連想される詩的な世界をテーマにした作品が多く、いくつかの曲では自然の収録音が用いられることもある。背景の自然音や主旋律のボーカル・楽器を除けば、殆どが抽象音で構成される内省的な音楽であり、特にシンセサイザーの音色は作品中でリスナーに多様なイメージを喚起する重要や役割を担っている。神聖さを演出するため、ハーモニーには教会旋法協和音が用いられる楽曲も多い。急な切り替わりによる精神的な負荷を避けるため、長時間を掛けて徐々に楽曲が展開するミニマル・ミュージック的な観点で作られることが多く、メロディは幾度も繰り返される様式が多い。ミニマル感により催眠感が形成されるとする楽曲もある。一部のニューエイジ・ミュージックはニューエイジ・ムーブメントと関連付けられるが、すべてのニューエイジ・ミュージックにニューエイジ・ムーブメントとの直接的な関連があるわけではない。
歴史

ニューエイジ音楽は、聴く人をリラックスさせ、ポジティヴな感情を与えたり、残響に沿ったメロディが特徴の音楽である。1960年代後半から、ヨーロッパおよびアメリカで、ヒッピー運動の影響を受け自然回帰願望を持った人々を対象として、実験的な癒やしの音楽として始まった。1970年代から、ブライアン・イーノ[注 4]が提唱したアンビエント・ミュージック環境音楽に刺激を受け、より多くの楽曲が活発に作られるようになっていく。そして、ウィリアム・アッカーマンが主宰するウィンダム・ヒル・レコードが1976年に活動を開始し、多くのニューエイジ系アーティストを輩出したことで、1980年代を通してニューエイジ・ミュージックの大衆化と進化が急速に進んだ。日本では、喜多郎などが先駆けとして活動するようになる。1981年に、マウンテンビュータワー・レコードが初めて「ニューエイジ」を音楽市場のジャンルに加え、1985年から本格的にジャンルとしてニューエイジが広まった。1986年度からグラミー賞にニューエイジ部門が設けられ、記念すべき最初の受賞者となったのは、スイス出身のアンドレアス・フォーレンヴァイダーである。その他にも、エンヤジョージ・ウィンストンクラナド[注 5]ウィリアム・アッカーマンなどのアーティストが受賞しており、日本人の受賞者には喜多郎がいる。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:68 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef