ニューエイジ・ミュージック
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ニューエイジ音楽は、聴く人をリラックスさせ、ポジティヴな感情を与えたり、残響に沿ったメロディが特徴の音楽である。1960年代後半から、ヨーロッパおよびアメリカで、ヒッピー運動の影響を受け自然回帰願望を持った人々を対象として、実験的な癒やしの音楽として始まった。1970年代から、ブライアン・イーノ[注 4]が提唱したアンビエント・ミュージック環境音楽に刺激を受け、より多くの楽曲が活発に作られるようになっていく。そして、ウィリアム・アッカーマンが主宰するウィンダム・ヒル・レコードが1976年に活動を開始し、多くのニューエイジ系アーティストを輩出したことで、1980年代を通してニューエイジ・ミュージックの大衆化と進化が急速に進んだ。日本では、喜多郎などが先駆けとして活動するようになる。1981年に、マウンテンビュータワー・レコードが初めて「ニューエイジ」を音楽市場のジャンルに加え、1985年から本格的にジャンルとしてニューエイジが広まった。1986年度からグラミー賞にニューエイジ部門が設けられ、記念すべき最初の受賞者となったのは、スイス出身のアンドレアス・フォーレンヴァイダーである。その他にも、エンヤジョージ・ウィンストンクラナド[注 5]ウィリアム・アッカーマンなどのアーティストが受賞しており、日本人の受賞者には喜多郎がいる。

作風からは想像が付きにくいが、普通の楽器では出せない音を使用するために、作品制作に用いられる手法は現代音楽から借り受けた手法が多く、自然回帰を謳いながら電子楽器や先進的な録音技術も多用する。1970年代から既にシンセサイザーとテープ録音の加工を中心とした制作手法が取られ、1980年代に入ってからは、クリアな音の質感の追求と緻密な音声の加工のために機材のデジタル化も急速に進んで行った。ジャンル流行期の1980年代末には、出始めたばかりのPCM音源 (Roland D-50、CASIO FZ-1、KORG M1)、サンプラー、デジタルレコーディング、ハードディスクレコーディング等を駆使して楽曲が制作される程に先進的であった。例えばエンヤ1980年代後半にデジタルシンセに加えて144chのデジタルMTRを2台も導入して、極端な多重録音により神々しいボーカルを作り出し、エニグマ1990年以前にハードディスクレコーディングを導入して、グレゴリオ聖歌サンプリングを行っている。何れも、十秒程度のサンプリングを行える機材すら高価であったデジタル機器黎明期の当時において、圧倒的に先進的かつ複雑かつ高価な手法で、2000年代後半以降に普及したDAWで行うようなワークフローを力技で実現していた事になる。
日本のニューエイジ音楽

前述の通り、先駆者として喜多郎がいる。1980年に喜多郎がNHK特集「シルクロード 絲綢之路」のテーマとして作曲した『シルクロードのテーマ(絲綢之路)』は喜多郎を一躍有名にした[2]。2001年にはグラミー賞の最優秀ニュー・エイジ・アルバム賞を受賞している。2008年には太鼓演奏者中村浩二が最優秀ニュー・エイジ・アルバム賞を受賞している。その他、姫神が日本の民謡等に影響を受けたニューエイジ音楽を作っている。
代表的な作曲家(50音順)

アディエマス

アンドレ・ギャニオン

ヴァンゲリス

エニグマ

エンヤ

神谷操

喜多郎

ケルティック・ウーマン

坂本龍一

サラ・ブライトマン

シークレット・ガーデン

ジャン・ミッシェル・ジャール

ジョージ・ウィンストン

イミー・ウーイ

タンジェリン・ドリーム

ディープ・フォレスト

西村由紀江

ハンス・ジマー

久石譲

姫神

平沢進

ブライアン・イーノ

マイケル・ナイマン

マイク・オールドフィールド

ロジャー・イーノ

脚注[脚注の使い方]
注釈^ アフリカ、ラテンアメリカ、アジアなどを中心にケルトやバルカンなどの音楽も含んでいる。
^ ポール・モーリアやレイモン・ルフェーブルらが有名である。
^ 日本では21世紀に入って、女性を中心に、さらにヨガを行う人々が増えた。
^ 元ロキシー・ミュージック。
^ アイルランドのグループ。

出典^ Paul M. Lehrer; David H. (FRW) Barlow; Robert L. Woolfolk; Wesley E. Sime (2007). Principles and Practice of Stress Management, Third Edition. New York: Guilford Press. pp. 46?47. .mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 1-59385-000-X 
^ “第18回ギャラクシー賞受賞作品”. 放送批評懇談会. 2014年11月14日閲覧。


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