ニホンザル
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しかし生きている魚を捕まえて食べてはいない[15]
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出典検索?: "ニホンザル" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2012年7月)
雪の中温泉につかるニホンザル(長野県地獄谷野猿公苑
サルは熱帯を中心に分布しており、世界的に見れば、このような光景は稀有である。(ビデオ)地獄谷野猿公苑

以前は、強力な統率力をもつボスザルとそれを取巻くメス、幼獣を中心として、他のオスは周辺部に位置し、中心部に入ることが許されないという「同心円二重構造」として群れの社会構造が説明されていた。なお、「ボスザル」という呼称は後に「リーダー」などと呼び変えられた。

ニホンザルの社会の仕組みについては、以下のようなものと考えられていた。

群れを構成するのは成体のオスとメス、および幼獣と若者である。群れに入らない離れザルがあるが、これは若いか成体のオスがほとんどである。

群れの個体はすべての個体間で力の強弱による順位が決まっており、全体として直線的な順位制を持っている。順位が高いものに対しては尻を向け、上位者がその後ろから乗りかかる「マウンティング」という行動があり、これによって順位が確かめられると同時に、争いが回避される。順位が離れるほどこの行動はおこなわれなくなる。

単なる順位制でなく、階級があって、それぞれに群れの中での位置が決まっている。

リーダーは大人オスの1 - 数頭で、群れの中央に位置し、その周囲にメスと幼獣、その外に若者オスが位置する。

リーダーは外敵から群れを守り、また、群れ内部での争いに介入して仲裁する。

雄は幼い間はメスと共に群れの中央にいるが、若者になると群れの外側に出て、一部は離れザルとして群れを去る。

若者オスは群れの中での順位が上がると次第にリーダー的な行動を取るようになり、サブリーダー(ボス見習いとも)となるが、ボスとなって群れの中央に入るにはメスグループの了承を必要とする。

メスは終世群れの中央にいる。順位はあるが、はっきりとした階級はない。

しかし、伊沢紘生らによる白山にすむ野生群などの研究ではボスザルの存在は認められず、群れは「仲間意識」によって支えられた集団であるとしている。群れ内に「ボス」や「決まった順位」があると見えるのは、人間による餌付け(決められた場所、時間、量のサツマイモや大豆などの給餌による飼いならし)という餌の独り占めが現れやすい特殊な状態下だからだ、という見解である。また「順位制」という「制度」的なものがサルの社会にあるかのような表現も再考されるべきであるとしている。

なお、欧米諸国ではサル類が生息しないため、いわゆる先進諸国で野生のサル類が国内に生息する日本とニホンザルは特別視されてきた。ニホンザルのことを英語で Snow Monkey と呼ぶのは、サルが熱帯の動物と考えられていたためである。
人間との関係

後述するように猿を神として祀る信仰が存在する一方で、狩猟対象として肉を食用とする風習が一部の地方には存在した。詳しくは猿食文化を参照。

1952年京都大学によって幸島で生態研究を目的とした餌付けが行われた[9]ほか、後述する天然記念物のうち幸島、高崎山臥牛山箕面山、下北半島でも餌付けが行われた。天然記念物非指定の地域も含めて1970年代までに最盛期には日本で30箇所の計画的な餌付けによる野猿公苑が本州以南に設置されたが、その後減少に転じて1989年時点では17箇所となっていた[16]。それ以外にも、モラルを欠いた観光客によって餌付けされる例がある。餌付けによる個体数増加に伴い、周辺地域での人間に対する直接的な被害も含めた猿害も発生しており、給餌量制限が実施されることもある[9]

また、本種は重要な農業害獣である。1947年以降の狩猟獣からの除外、農村の衰退などにより本種が人間の居住域にも進出するようになった結果、農作物の被害(猿害)が主に1970年代から増加している[8]。シカやイノシシの侵入を防止する通常の柵は登って越えてしまううえ、爆音機やかかしなどの威嚇手段は実害がないことを即座に見抜いてしまう。そのためニホンザル対策には有刺鉄板を柵に取り付ける、電気柵を設置する[9]など相応の工夫が必要であり、高額な対策費を要する。しかし、周囲の木などから飛び降りる、通電していない部位や漏電箇所を伝って柵を越える、などの手段で突破されることも珍しくない。さらにシカ・イノシシと異なり常に十数匹?数十匹の群れで行動すること、農作物の最も食味の良い箇所や最も柔らかい箇所のみを食べて残りの可食部は捨てて食い散らかすこと、収穫期前の農作物を食害する際には手当たり次第に一口のみ齧って熟したものを探し回ることから、農作物に対して甚大な被害をもたらし、摂食量以上の被害額が発生する。昼行性であるため農作物を荒らしている最中の姿を目にしやすいが、本種を追い払おうとすると逆に本種から威嚇や攻撃をされる危険性がある。

2019年の農業被害額は約9億円で、シカとイノシシに次ぐ第三位であるが、被害面積当たりの被害額では第一位である[17]。木登りが得意であることから、土壌に植えられている野菜類のみならず樹上の果実も大規模な食害を受ける[18]。また、食物の乏しい冬季には樹皮を食料とする習性があるため、果樹は果実のみならず樹皮を丸ごと剥がされる被害も発生する。

ニホンザルによる食害の特徴として、農作物への単純な経済損失以上の被害が発生する点が挙げられる。これは前述の摂食習性に加え、畑の外へ農作物を持ち出して摂食行動をとることもあるためである。そのためニホンザルの被害を受けると畑とその周辺に食べ残しの農作物が大量に散乱するという惨状を呈する。食い散らかされた農作物を目にする農業従事者の精神的苦痛も大きいうえ、可食部が残っている農作物の廃棄にも手間と費用がかかる。また、食べ残しの処理が遅れると、腐敗して悪臭や害虫の発生源となる、家屋の屋根を汚損する、他の害獣を誘引する、などの二次的被害も発生する。

サル対策として、学習能力の高さを利用して山の奥地へ追いやる方法がある(追い上げ)。これはソフトエアガンやスリングショットなどによる非致死的攻撃、またはロケット花火や猟犬などによる威嚇によって追い払い、人間の居住域は危険であると刷り込むことであり、一定程度の効果を上げている。しかしながら地形条件やニホンザルの個体数によっては追い上げを選択できないこともある。

上述の通り甚大な被害をもたらすことから有害鳥獣として駆除されることもあり[9]1996年における駆除数は約10,000頭と推定されている[8]が、個体数は増加の一方である。

人間との接触を通して、素手の人間は有効な攻撃手段を持たないことを学習した個体による咬害や所持品の強奪、家屋への侵入といった猿害も発生しており、もはや農業害獣の範疇に留まらなくなっている。知能の高い本種は人間に対する観察眼も鋭く、力の弱い女性・子供・老人に対しては特に攻撃的となる傾向がある[19]神奈川県小田原市では「H群」と呼ばれる個体群によって農業被害、家屋侵入などの生活被害、さらには人間に対する身体的被害が続いており、2021年5月には全頭駆除の方針が下された[20]

種の保存の観点からは、広葉樹林林伐採や針葉樹植林による生息地の破壊、害獣駆除による影響[8]のほか、近縁外来種による遺伝子汚染が懸念されている。和歌山県で観光施設から脱走した個体に由来するタイワンザルが数十年にわたって定着(1970年代には確認されている)し、1998年には中津村(現:日高川町)で赤血球酵素の電気泳動法やミトコンドリアDNA塩基配列などによる検査から本種との交雑個体が確認された[21]。青森県でも1950年代から1971年までは十和田市・以降は野辺地町で放獣されていたタイワンザルの飼育個体(2004年に全頭除去)の中に大間町で発信機をつけて放獣された本種のオスがいることが判明し、同様の検査により2頭(うち1頭は母親が交雑個体だったとされる)の交雑個体が発見されている[22]。房総半島では1995年に館山市や白浜町(現:南房総市)でマカク類の群れが発見され、2003年にはミトコンドリアDNAの分子系統推定からこれらがアカゲザルであるということが判明し、2002 - 2004年にかけて分子系統解析から館山市・白浜町・市川市で計9頭の本種とアカゲザルとの交雑個体が確認された[23]。このうち8頭は館山市・南房総市で発見されたためアカゲザルの集団に本種のオスが加わったことでアカゲザルのメスが産んだ個体だと考えられているが、2004年に市川市で発見された個体は本種のメスが産んだ交雑個体であることが示唆されている[23]高宕山自然動物園で2016年に行われた164頭の全頭調査では、57頭が交雑個体という解析結果が得られた[24]


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