マキャベリには政治学関係の著作のほかにも、戯曲や詩、小説といった著作も存在する。
Decennale primo
マキャベリの思想は、後世に巨大な影響を与えた。『君主論』は政治学における古典的な名著となっており[15]、国際関係論における政治的リアリズムの先駆的論者として知られ[16]、また共和主義思想の源流の一つともされる[17]。マキャベリの政治思想はマキャベリズムと称されるようになり、転じて目的のためには手段を選ばず権謀術数の限りを尽くすやり方のこともマキャベリズムと呼ぶようになった[18]。 日本の倫理学者で東京高等師範学校教授・東京帝国大学助教授の友枝高彦(1876 - 1957)は、「正義といい人類愛といい、人類の間の最も望ましい美徳であることは、昔から宗教でも道徳の方でも高調されているところである。…この事実に対する解説として自然性論というべき一派がある。それは人類は本来利己的であって同胞と協同するも親和するも畢竟利己の為に外ならないようにいうのである。…人類は互いに狼であるとホッブスのいったのは、全く利己的見地から解釈するのであって、国際間には道徳なく、ただ欺瞞、暴力あるのみと考えたマキャベリも同じ考であるといわねばならぬ」としてマキャベリの論を否定した[19]。
評価
脚注
注釈^ 残る3か国は、アマルフィ共和国、ジェノヴァ共和国、ヴェネツィア共和国。
^ 復帰を狙うメディチ家とそれを支援するヴェネツィア共和国に通じていた
^ ただし費用はフィレンツェ持ち
^ "Discorso sopra le cose di Pisa
^ 実際には加担していなかったとされる
^ 拷問の中ではさほど残酷な部類には入らない
^ 山荘はフィレンツェ・シエナ間に広がるキャンティ地方にあり、ワインの産地である。現在、マキャヴェッリの子孫の娘の再婚先であったセリストーリ伯家が、山荘とそれに付随した農園を相続していて、マキャヴェッリの横顔を商標にした「キャンティ・クラシコ」を販売している。しかし、マキャヴェッリの時代は、ワイン販売が事業として成り立つとは誰も考えていなかったようで、ワインでひと稼ぎとはいかなかったようである。
^ 大赦によりフィレンツェ市内からの1年の追放刑も赦されていたので、マキャヴェッリが追放されたという説は疑問である。また、マキャヴェッリ自身「失業して給料が入らなくなり、これでは、にわとりでも飼って口をしのぐしかない」と書いている
^ 新版解説は佐藤優。他に『君主論』の主な訳注は、佐々木毅訳(講談社学術文庫、2004年)、森川辰文訳(光文社古典新訳文庫、2017年)。