ニシェル・ニコルズ
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また、シカゴでは『カルメン・ジョーンズ(英語版)』のストック劇団にてカルメン役で、ニューヨークでは『ポーギーとベス』の劇団で出演している。加えて、俳優業と歌手業との間で、時々モデルの仕事もした。1967年1月には『エボニー』誌の表紙も飾り[12]、5年のうちに2つの特集文が組まれた。ニコルズは16歳の頃から歌手やバレリーナとして[8]デューク・エリントンライオネル・ハンプトンのバンドと一緒にアメリカ合衆国、カナダ、ヨーロッパを巡業し、西海岸では『ドーランの叫び(英語版)』、For My Peopleに出演し、ジェイムズ・ボールドウィンの劇である『チャーリー氏のためのブルース(英語版)』での演技は高い評価を得た。なお、『宇宙大作戦』でウフーラ中尉役を演じる前、『スタートレック』シリーズの生みの親であるジーン・ロッデンベリーが最初に手がけたシリーズ番組The Lieutenant(1964年)の人種的偏見を扱ったエピソードTo Set It Rightにてゲスト女優を務めている[13]
『スタートレック』シリーズ詳細は「ウフーラ」を参照『宇宙大作戦』のウフーラ中尉を演じるニコルズ(1967年)。

『宇宙大作戦』でエンタープライズ号の艦橋士官であるウフーラ中尉役を演じたニコルズは、アメリカ合衆国の大手テレビ番組シリーズで主演した最初の黒人女優の一人となったが、放映当時は未曽有のものであった[3]。番組の最初の年の間、ニコルズはブロードウェイでのキャリアを積みたかったことから降板するかどうかずっと迷っていたが、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアとの会話が彼女の気持ちを変えることになった。ニコルズ本人によれば、キングは彼女に直接、自分が『宇宙大作戦』の大ファンであると話した上で番組に留まるよう励ましたという。彼は、彼女がアメリカ国中の黒人の子供や女性、そして将来黒人と対等に付き合うであろう他の子供たちにとって重要な役割を演じているのであり、番組出演を「やめることはできない」と言った[3][14][15][16]

ニコルズはインタビューにおいて、番組を降板するつもりであることをロッデンベリーに話した後日、全米黒人地位向上協会の募金活動に参加した時に、彼女に会いたい大ファンがいると告げられたと話し、そのときの様子を以下のように説明している。.mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0}私はそれがトレッキーのことだと思ったので「いいですよ」と答えました。部屋の向こうを見ると、満面の笑みを浮かべて私に向かって歩いてくるマーティン・ルーサー・キング博士がいました。彼は私のもとへ来ると、「そうです、ニコルズさん、私はあなたの大ファンです」と言ったのです。彼は、『宇宙大作戦』は彼と妻のコレッタが3人の子供たちに視ることを許している唯一の番組であると言いました。[彼女はシリーズを降板するつもりであることをキングに話した。]彼は「それはいけません。あなたは歴史の一部なのです。」と言ったので、私は降板しようとする理由を彼に話すことができませんでした。

彼女がキングの発言をロッデンベリーに話すと、彼は感涙した[17]。元NASA宇宙飛行士であるメイ・ジェミソンは、ニコルズのウフーラ中尉役によって宇宙飛行士になりたいという願望が刺激されたと話しており[18][19][20]、女優のウーピー・ゴールドバーグも彼女から影響を受けたと述べている[21]。後にゴールドバーグは『新スタートレック』での役を希望し[22]ガイナンというキャラクターが特別に作られることとなった。また、ジェミソンも同シリーズの一エピソードに出演している。

ニコルズは、『宇宙大作戦』の1968年11月22日のエピソード「キロナイドの魔力(英語版)」中で、ジェームズ・T・カーク艦長役を務めた白人男優のウィリアム・シャトナーとキスをしたが、これはアメリカ合衆国のテレビドラマでは最初の異人種間キスの例とされている[23][24][25]


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