ニカラグアが後に国際司法裁判所に主張したところによると、アメリカはコントラの人員募集、武器供与、訓練など行いニカラグアを攻撃させてニカラグア市民に損害を与えたほか、中央情報局(CIA)の職員がニカラグアの港湾施設に機雷を敷設して第三国の船舶にまで損害を与えたり、空港や石油施設への攻撃、偵察飛行や領空侵犯を行ったという[8][14]。1984年3月、ニカラグアはアメリカによる一連の行動を「侵略」であると主張し、国連安保理に提訴しアメリカを非難する決議案を提出したが、この決議案は4月4日の安保理理事会にてアメリカの拒否権行使によって否決された[8][14]。この決議案に対しては反対票を投じたアメリカと投票を棄権したイギリスを除き、すべての理事国が賛成票を投じていた[16]。 ニカラグアは「アメリカがニカラグアに対し武力行使と内政干渉を行い、ニカラグアの主権、領土保全、政治的独立を侵害し、国際的に受け入れられた国際法の基本的原則に違反している」と主張し、1984年4月9日にアメリカを国際司法裁判所(ICJ)に一方的に提訴した[17][15]。またニカラグアは提訴に際して仮保全措置を申請した[18]。仮保全措置命令とはICJ規程第41条
ニカラグアによる提訴
アメリカが、ニカラグアに対する軍事的・準軍事的活動を行う者に対する援助を即座に中止すること。
アメリカ軍やアメリカ合衆国当局によるニカラグアに対しての軍事的・準軍事的活動を中止し、ニカラグアに対する武力による威嚇、武力の行使を即座にやめること。
アメリカは本件を審理する管轄権がICJにないため仮保全措置命令を下す権限もないと主張したが[20]、ICJはアメリカの主張を認めず1984年5月10日に仮保全措置命令を下し、アメリカに対して特に機雷を敷設するなどニカラグアの港湾への出入りを危険にさらす行動を控えること、そして両国に対しさらなる事態の悪化をまねくような行動を慎むこと、を命じた[21][22]。