ナルシスト
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ホッチキス・サンディーは、ナルシシズムの7つの大罪を示している[3]
恥知らず: 恥は、すべての不健全なナルシシストの下に潜む感情である。彼らは健全な方法で恥を処理できない。

呪術的思考:ナルシシストは「魔法の思考」として知られる認知の歪みや錯覚を使って自分自身を完璧と見なす。彼らはまた、他人に恥を「掃き出す」ために投影を用いる。

傲慢:自我収縮を感じているナルシシストは、他人の衰退、脱走、堕落を知ることで、自我を「再膨張」させることができる。

羨望:ナルシシストは「軽蔑」を使用して他人の存在や業績を最小化することで、他人の能力に直面した際に優位性を確保する。

権利意識:自分が特別であると考えているため、ナルシシストは特別有利な扱いやノーチェック・パスなど、根拠のない期待をしている。彼らは求める承服がなされないと、その優位性への攻撃だとみなすため、周囲からは「厄介な人」「困難な人」とみなされている。ナルシシストへの意志の抵抗は、自己愛の傷つきとして自己愛憤怒を引き起こす。

搾取:他者の気持ちや関心に関わらず、ナルシシストは常に他者を搾取する存在であり、それは様々な形となる。それはしばしば抵抗が難しいか、不可能な立場の人をターゲットとする卑劣なものになりうる。時には従順になるがそれは本心からではない。

境界線の不全:ナルシシストは他者との間に境界線があることを理解していない。他人とは別個の存在であり、自分の延長線ではないことが分からない。己のニーズを満たさない他人は、存在しないのと同じである。ナルシシストに自己愛を供給する人々は、ナルシシストの一部として扱われ、主人の期待に応えることが要求される。ナルシシストの心には自己と他者の境界はない。

機序ジュラ・ベンツールによって描かれたナルキッソス

精神分析によると、子供のうちはナルシシズムをもちやすい。ほとんどの幼児は自分が世界の中心で、もっとも重要で、何でもできるし何でも知っていると錯覚しやすい、という根拠からである。

それを心理学のモデルでは原始的ナルシシズム(一次性ナルシシズム[注 1])と呼ぶ。

成長にしたがって、思春期を経て、原始的ナルシシズムは現実に見合った認識に置き換えられてゆくことが多い。思春期に、自尊心の働きで、自他を観念的にきわめて重く見る理想化と極端に軽く見る脱価値化の間で揺れ動くことで他者に根本から幻滅することが二次性ナルシシズムにつながると考えられている。「スプリッティング」および「心理性的発達理論」も参照「理想化と脱価値化#ジークムント・フロイト」も参照
ナルシシズムの動態

精神動態理論によると、親が社会化を促す最初の要素になる。子供はもっとも重要な、人生のすべてに関わる疑問の答えを親に見出す。

成長は精神が親元から離れることとエディプス・コンプレックスの解決、つまり性的関心を社会的に適切な対象へ向けなおすことを含む。これらは自立して世界を探求し、自我を強く意識するために重要である。どの段階が妨げられても、正常に分化することはできなくなり、自立した自我は形成されず、他人への依存と幼児性を呈する。ときには子離れしない親によってその障害が起こされることもある。子供が親から離れ、それに続いて個体化をとげることは広く認められている[要出典]。
研究の流派
フロイトとユング

ジークムント・フロイトはナルシシズムについて初めて一貫した理論を唱えた。フロイトは主体指導型リビドーから客体指導型リビドーへの移行が親の働きに媒介されると説明した。

一次性ナルシシズムの発生は、子供が頼るべきものを探して手元にある自我を選び、満足したと感じる適応的な現象である。しかし、ナルシシズムが遷延すると、オートエロティシズムが成立する。ナルシシストは自我を刺激して喜びを得ることに慣れ、普通の性行為よりもマスターベーションと性的妄想を好むようになる[要出典]。

フロイトは対象に一切のリビドーが向かっていない事をナルシシズムと命名した。それは、空想などの対象表象などにも一切のリビドーが向かっていないような現象を指す。
自己愛的防御詳細は「自己愛的防衛」を参照

自己愛的防御[注 2]とは、自己の理想化された側面が温存され、その後に限界が否認されるという一連のプロセスである[4]。意識的・無意識的にかかわらず、の感情に駆られる[5]。それは自己イメージが壊される事を恐れてであり、ゆえに彼等に対するあらゆる非難は理不尽なものであると断定する。
種別
共依存詳細は「共依存」を参照

共依存関係においては、過度に受動的、もしくは過度に慎重に行動する傾向があるため、人間関係とQoLに悪影響を及ぼす。ラッポポート・アランはナルシシズムの共依存者を「コ・ナルシシスト[注 3]」と認識している[6]

ナルシシズムは共依存性質の人間に危害を加えると警鐘を鳴らす人が多いが、必ずしも危害を加えるものではない、という見解が正しい[要出典]。
脚注[脚注の使い方]
注釈^ : primary narcissism
^ : narcissistic defences
^ : co-narcissists

出典^ a b 広辞苑 第六版「ナルシシズム」


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