精神分析によると、子供のうちはナルシシズムをもちやすい。ほとんどの幼児は自分が世界の中心で、もっとも重要で、何でもできるし何でも知っていると錯覚しやすい、という根拠からである。
それを心理学のモデルでは原始的ナルシシズム(一次性ナルシシズム[注 1])と呼ぶ。
成長にしたがって、思春期を経て、原始的ナルシシズムは現実に見合った認識に置き換えられてゆくことが多い。思春期に、自尊心の働きで、自他を観念的にきわめて重く見る理想化と極端に軽く見る脱価値化の間で揺れ動くことで他者に根本から幻滅することが二次性ナルシシズムにつながると考えられている。「スプリッティング」および「心理性的発達理論」も参照「理想化と脱価値化#ジークムント・フロイト」も参照 精神動態理論によると、親が社会化を促す最初の要素になる。子供はもっとも重要な、人生のすべてに関わる疑問の答えを親に見出す。 成長は精神が親元から離れることとエディプス・コンプレックスの解決、つまり性的関心を社会的に適切な対象へ向けなおすことを含む。これらは自立して世界を探求し、自我を強く意識するために重要である。どの段階が妨げられても、正常に分化することはできなくなり、自立した自我は形成されず、他人への依存と幼児性を呈する。ときには子離れしない親によってその障害が起こされることもある。子供が親から離れ、それに続いて個体化をとげることは広く認められている[要出典]。 ジークムント・フロイトはナルシシズムについて初めて一貫した理論を唱えた。フロイトは主体指導型リビドーから客体指導型リビドーへの移行が親の働きに媒介されると説明した。 一次性ナルシシズムの発生は、子供が頼るべきものを探して手元にある自我を選び、満足したと感じる適応的な現象である。しかし、ナルシシズムが遷延すると、オートエロティシズムが成立する。ナルシシストは自我を刺激して喜びを得ることに慣れ、普通の性行為よりもマスターベーションと性的妄想を好むようになる[要出典]。 フロイトは対象に一切のリビドーが向かっていない事をナルシシズムと命名した。それは、空想などの対象表象などにも一切のリビドーが向かっていないような現象を指す。 自己愛的防御[注 2]とは、自己の理想化された側面が温存され、その後に限界が否認されるという一連のプロセスである[4]。意識的・無意識的にかかわらず、罪と恥の感情に駆られる[5]。それは自己イメージが壊される事を恐れてであり、ゆえに彼等に対するあらゆる非難は理不尽なものであると断定する。 共依存関係においては、過度に受動的、もしくは過度に慎重に行動する傾向があるため、人間関係とQoLに悪影響を及ぼす。ラッポポート・アランはナルシシズムの共依存者を「コ・ナルシシスト[注 3]」と認識している[6]。 ナルシシズムは共依存性質の人間に危害を加えると警鐘を鳴らす人が多いが、必ずしも危害を加えるものではない、という見解が正しい[要出典]。
ナルシシズムの動態
研究の流派
フロイトとユング
自己愛的防御詳細は「自己愛的防衛」を参照
種別
共依存詳細は「共依存」を参照
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 英: primary narcissism
^ 英: narcissistic defences
^ 英: co-narcissists