ナミビア
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政府は南アフリカ同様にアフリカーンス語を排除し、英語化を推し進めているものの、ナミビアでは、1910年までイギリス領だったウォルビスベイを除き、イギリス本国による植民地支配を経験しておらず、英語が浸透していなかったことと、1980年代までは中等教育以上ではほぼ全土でアフリカーンス語が教授言語であった[19]ことから、実際に共通語としてアフリカーンス語の地位がすでに確立されていた。そのため、現在でも英語よりもアフリカーンス語の方が日常会話として一般的に広く使用され黒人も含めた各民族間の共通語となっている。隣国南アフリカに比べると黒人同士の間でも抵抗なく話されており、アフリカーンス語の表記や看板も多く公用語に指定されている南アフリカよりもむしろ公用語になっていないナミビアの方が公用語的な地位を保っているともいえる。

地名や通りの名などはドイツ語やアフリカーンス語由来のものが多くなっている。英語が公用語になる以前は、通りの名前はドイツ語の Str.(-Strase)やアフリカーンス語の straat と表示されていたが、現在では英語の -St(Street)へと変更されている。また、TVや新聞などのメディアにおいてもかつてはアフリカーンス語とドイツ語が優位であったが、一部を除くと現在はほとんどが英語となっている。

全人口の6.4%を占める白人(ヨーロッパ系)の60%がアフリカーンス語を、32%がドイツ語を、7%が英語、1%がポルトガル語を使用している。ドイツ植民地時代から90年経った現在でもドイツとの結びつきが強く、ドイツ語は商業言語として大きな地位を占めており、ドイツ系ナミビア人(英語版)(約3万人)のためにドイツ語での教育も行われている。
土着言語・その他

バントゥー語群に属すオヴァンボ語(英語版)(: Oshiwambo)は全人口のおよそ半数の第一言語である。オヴァンボ語には、クワニャマ方言ンドンガ方言・クワンビ方言(英語版)などの方言がある。

その他の言語としては、コイコイ語ヘレロ語、クワンガリ語(英語版)、カプリビ語、ツワナ語などの他にコイサン諸語なども話されており、近年はアンゴラに接する北部を中心にポルトガル語も急速に広まっており、全人口の4 - 5%前後がポルトガル話者である。ポルトガル語は学校教育に取り入れられており、2014年にはポルトガル語諸国共同体のオブザーバーになった。
保健詳細は「ナミビアの医療(英語版)」を参照

HIVが蔓延し国民の健康を脅かす重大な脅威となっている。2019年のHIV感染者は推計で約21万人であり、感染率は12.7%に達した[18]。HIV無症候性キャリアはそれ以上と推定されている。2019年のHIV/AIDSによる死亡者は約3000人だった[18]
文化
宗教詳細は「ナミビアの宗教(英語版)」を参照ツメブキリスト教教会

キリスト教が人口の80%から90%を占め、そのうちの50%がルーテル派である。在来信仰が人口の10%から20%を占める[18]
教育詳細は「ナミビアの教育(英語版)」を参照

2018年の推計によれば、15歳以上の国民の識字率は91.5%(男性:91.6%、女性:91.4%)である[18]。2014年の教育支出はGDPの3.1%だった[18]初等教育では各民族語によりなされるが、初等教育の高学年より、英語が取り入れられ、中等教育高等教育ではほぼすべての授業を英語で行っている。中等教育以上でも独立以前の公用語であったドイツ語やアフリカーンス語での教育も一部認められている。なお、1980年代まではアフリカーンス語が唯一の教授言語であった。

それまで、長年の間共通語として機能してきたアフリカーンス語で行われてきた教授言語を莫大な予算を投じて、あまり使われていなかった英語に変えたことによる弊害も出てきている。特に、教師の英語力が著しく不足している点が問題となっており、結果として全体の教育レベルの低下を招いているとされ、教授言語の英語化は失敗であったとの指摘もある[20]
婚姻

婚姻時は、夫婦同姓とする、あるいは夫婦別姓とすることから選択することが可能。子の姓に関しては、両親のいずれかの姓とする。2013年現在、子の姓についてより選択肢を広げる法改正について議論がなされている[21]
祝祭日

祝日が日曜日の場合は翌日が振替休日となる。日付日本語表記現地語表記備考
1月1日元日
3月21日独立記念日
移動祝日聖金曜日3月 - 4月
移動祝日復活祭月曜日3月 - 4月
5月1日メーデー
5月4日カシンガの日
移動祝日主の昇天復活祭の40日後
5月25日アフリカの日
8月26日英雄記念日
12月10日人権の日
12月25日クリスマス
12月26日ボクシング・デー

スポーツ詳細は「ナミビアのスポーツ(英語版)」を参照

ナミビア国内では、サッカーラグビークリケットが最も盛んなスポーツとなっている。ラグビーナミビア代表は、ラグビーワールドカップにはこれまで6度出場しているものの、2019年大会まで全て予選プールで敗退している。サッカーナミビア代表FIFAワールドカップには未出場であるが、アフリカネイションズカップには3度の出場経験をもつ。また、2020年にプロサッカーリーグのナミビア・プレミアサッカーリーグ(英語版)も創設されている。クリケットでは国際競技連盟国際クリケット評議会に1992年に加盟した[22]。2027年のクリケット・ワールドカップは、南アフリカとジンバブエとの3カ国共催を予定している。「ナミビアのサッカー(英語版)」も参照
著名な出身者

ニカウ - 俳優

ベハティ・プリンスルー - ファッションモデル

フランク・フレデリクス - 陸上競技選手

コリン・ベンジャミン - トレーナー

ライアン・ヌヤンベ - サッカー選手

脚注[脚注の使い方]
出典^ “The Constitution of The Republic of Namibia”. 2013年5月23日時点の ⇒オリジナルよりアーカイブ。2017年9月6日閲覧。
^ a b “ ⇒UNdata”. 国連. 2021年10月10日閲覧。
^ a b c d e IMF Data and Statistics 2021年10月18日閲覧([1])
^ ヘニング・メルバー編 『わたしたちのナミビア――ナミビア・プロジェクトによる社会化テキスト』 ナミビア独立支援キャンペーン・京都訳、現代企画室〈PQブックス〉、東京、1990年3月21日、初版第一刷、79-84頁。
^ ヘニング・メルバー編 『わたしたちのナミビア――ナミビア・プロジェクトによる社会化テキスト』 ナミビア独立支援キャンペーン・京都訳、現代企画室〈PQブックス〉、東京、1990年3月21日、初版第一刷、117-131頁。
^ ヘニング・メルバー編 『わたしたちのナミビア――ナミビア・プロジェクトによる社会化テキスト』 ナミビア独立支援キャンペーン・京都訳、現代企画室〈PQブックス〉、東京、1990年3月21日、初版第一刷、131-138頁。


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