北部のエトーシャ塩湖付近のクヴェライ=エトーシャ盆地(英語版)にはナミビアの人口の約40%が住んでおり、特にオシャナ州の人口密度は首都のウィントフックが所在するホマス州よりも高い[16][17]。ヒンバ族の若い女性。赤銅色は化粧および虫除けとして塗られたもの。 民族構成
民族
オヴァンボ人
カバンゴ人(英語版) 9%
ダマラ人(英語版) 7%
ヘレロ人 7%
ナミビア白人(英語版) 6%
ナマ人 5%
カラード 4%
その他 12%
民族構成は黒人が87.5%、白人が6%、混血人が6.5%となっている[18]。人口の約50%がオヴァンボ人(英語版)、9%がカバンゴ人(英語版)、7%がヘレロ人、7%がダマラ人(英語版)、5%がナマ人、4%がカプリヴィアン人、3%がブッシュマン、2%がレホボス・バスター、0.5%がツワナ人となっている[18]。白人はドイツ系、オランダ系の子孫であるアフリカーナーなどからなるナミビア白人(英語版)によって構成され、その他に在ナミビア中国人(英語版)が存在する。
言語詳細は「ナミビアの言語(英語版)」を参照
家庭で話される言語(ナミビア 2011) 唯一の公用語は英語であるものの、日常生活で使う人の割合はあまり高くない。第一言語話者は人口の3.4%にすぎず、おもに第二言語として政府や中等教育、高等教育などで使用される。また、共通語として公式の場ではなるべく英語を使うことが奨励される。英語を母語とする人は少ないことに加え、元来、独立前の南西アフリカ時代に英語はあまり使われていなかった言語であるため、国民の英語力はそれほど高くないが、首都のウィントフックを中心に家庭でも使用する人が増加している。 1990年の独立以前までは公用語はアフリカーンス語とドイツ語に英語を加えた3言語であったが、独立時に多言語化による負担を減らすことと植民地支配やアパルトヘイトのイメージを払拭するためにアフリカーンス語とドイツ語が公用語でなくなり、国連やイギリス・アメリカの後押しもあり、イギリス連邦への加盟などにより英語が唯一の公用語となった。政府は南アフリカ同様にアフリカーンス語を排除し、英語化を推し進めているものの、ナミビアでは、1910年までイギリス領だったウォルビスベイを除き、イギリス本国による植民地支配を経験しておらず、英語が浸透していなかったことと、1980年代までは中等教育以上ではほぼ全土でアフリカーンス語が教授言語であった[19]ことから、実際に共通語としてアフリカーンス語の地位がすでに確立されていた。そのため、現在でも英語よりもアフリカーンス語の方が日常会話として一般的に広く使用され黒人も含めた各民族間の共通語となっている。隣国南アフリカに比べると黒人同士の間でも抵抗なく話されており、アフリカーンス語の表記や看板も多く公用語に指定されている南アフリカよりもむしろ公用語になっていないナミビアの方が公用語的な地位を保っているともいえる。 地名や通りの名などはドイツ語やアフリカーンス語由来のものが多くなっている。英語が公用語になる以前は、通りの名前はドイツ語の Str.(-Strase)やアフリカーンス語の straat と表示されていたが、現在では英語の -St(Street)へと変更されている。また、TVや新聞などのメディアにおいてもかつてはアフリカーンス語とドイツ語が優位であったが、一部を除くと現在はほとんどが英語となっている。 全人口の6.4%を占める白人(ヨーロッパ系)の60%がアフリカーンス語を、32%がドイツ語を、7%が英語、1%がポルトガル語を使用している。ドイツ植民地時代から90年経った現在でもドイツとの結びつきが強く、ドイツ語は商業言語として大きな地位を占めており、ドイツ系ナミビア人 バントゥー語群に属すオヴァンボ語
英語 3.4%
オヴァンボ語 48.9%
ナマ語 11.3%
アフリカーンス語 10.4%
クワンガリ語 8.5%
ヘレロ語 8.6%
カプリビ語 4.8%
ドイツ語 0.9%
コイサン諸語 0.8%
ツワナ語 0.3%
その他 2.4%
英語
アフリカーンス語とドイツ語ナミビアの地図。アフリカーンス語とドイツ語の地名が多い。英語、アフリカーンス語とドイツ語、オヴァンボ語など多言語で書かれた標識
土着言語・その他
その他の言語としては、コイコイ語、ヘレロ語、クワンガリ語(英語版)、カプリビ語、ツワナ語などの他にコイサン諸語なども話されており、近年はアンゴラに接する北部を中心にポルトガル語も急速に広まっており、全人口の4 - 5%前後がポルトガル話者である。ポルトガル語は学校教育に取り入れられており、2014年にはポルトガル語諸国共同体のオブザーバーになった。
保健詳細は「ナミビアの医療(英語版)」を参照
HIVが蔓延し国民の健康を脅かす重大な脅威となっている。2019年のHIV感染者は推計で約21万人であり、感染率は12.7%に達した[18]。HIV無症候性キャリアはそれ以上と推定されている。2019年のHIV/AIDSによる死亡者は約3000人だった[18]。
文化
宗教詳細は「ナミビアの宗教(英語版)」を参照ツメブのキリスト教教会
キリスト教が人口の80%から90%を占め、そのうちの50%がルーテル派である。在来信仰が人口の10%から20%を占める[18]。
教育詳細は「ナミビアの教育(英語版)」を参照
2018年の推計によれば、15歳以上の国民の識字率は91.5%(男性:91.6%、女性:91.4%)である[18]。2014年の教育支出はGDPの3.1%だった[18]。初等教育では各民族語によりなされるが、初等教育の高学年より、英語が取り入れられ、中等教育、高等教育ではほぼすべての授業を英語で行っている。中等教育以上でも独立以前の公用語であったドイツ語やアフリカーンス語での教育も一部認められている。なお、1980年代まではアフリカーンス語が唯一の教授言語であった。
それまで、長年の間共通語として機能してきたアフリカーンス語で行われてきた教授言語を莫大な予算を投じて、あまり使われていなかった英語に変えたことによる弊害も出てきている。特に、教師の英語力が著しく不足している点が問題となっており、結果として全体の教育レベルの低下を招いているとされ、教授言語の英語化は失敗であったとの指摘もある[20]。 婚姻時は、夫婦同姓とする、あるいは夫婦別姓とすることから選択することが可能。子の姓に関しては、両親のいずれかの姓とする。2013年現在、子の姓についてより選択肢を広げる法改正について議論がなされている[21]。 祝日が日曜日の場合は翌日が振替休日となる。日付日本語表記現地語表記備考
婚姻
祝祭日
1月1日元日
3月21日独立記念日
移動祝日聖金曜日3月 - 4月