ナミビア
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ナミビアのダイヤモンドは鉱脈となる岩石があるわけではなく、オレンジ川上流の南アフリカ中部にある鉱脈が浸食され、流出したダイヤモンドが堆積した漂砂鉱床であり、そのためオレンジ川下流および、オレンジ川が大西洋に流れ込みベンゲラ海流によって原石が運ばれたナミブ砂漠南部が鉱床となっている[13]。一方、独立後にはウランの採掘が急速に拡大し、ダイヤモンドに匹敵する鉱業の柱となりつつある。ウランはスワコプムントの東にあるロッシング鉱山などで採掘されている[14]。または白人入植以前から利用されており、現代でも北部のツメブ鉱山などで採掘されている。

鉱業に次いで大きな割合を占めるのは牧畜である。ナミビアで飼育される家畜ウシが中心であり、輸出も行われている。

ナミビアは南部アフリカ関税同盟に属していることもあり、経済的には南アフリカへの依存度が高く、多数の南アフリカ系企業が進出している。人口の少なさ、鉱物資源の豊富さ、整備されたインフラによって、アフリカでは比較的豊かな国であるが、貧富の差が世界一激しいと言われており、ジニ係数は世界一である。これは、先進諸国並みに豊かな白人層と、いまだに貧しい黒人や伝統的な生活を送る農村部の部族との落差が大きいためである。しかし、治安はアフリカ諸国でも有数に良好である。
交通
道路詳細は「ナミビアの国道」を参照

左側通行を採用する。
鉄道詳細は「ナミビアの鉄道」を参照

トランスナミブにより鉄道が運行されており、南アフリカと結ばれている。
空運

ナミビア航空が近隣諸国とを結んでいるほか、アフリカ大陸では唯一、旧植民地時代の宗主国であったドイツフランクフルト空港との間を結んでいる。しかし、同社は、2021年2月11日に突如として同日以降の全路線の運行停止を発表した[15]
住民詳細は「ナミビアの人口統計(英語版)」を参照

北部のエトーシャ塩湖付近のクヴェライ=エトーシャ盆地(英語版)にはナミビアの人口の約40%が住んでおり、特にオシャナ州人口密度は首都のウィントフックが所在するホマス州よりも高い[16][17]ヒンバ族の若い女性。赤銅色化粧および虫除けとして塗られたもの。
民族

民族構成

オヴァンボ人
(英語版)  50%
カバンゴ人(英語版)  9%
ダマラ人(英語版)  7%
ヘレロ人  7%
ナミビア白人(英語版)  6%
ナマ人  5%
カラード  4%
その他  12%

民族構成は黒人が87.5%、白人が6%、混血人が6.5%となっている[18]。人口の約50%がオヴァンボ人(英語版)、9%がカバンゴ人(英語版)、7%がヘレロ人、7%がダマラ人(英語版)、5%がナマ人、4%がカプリヴィアン人、3%がブッシュマン、2%がレホボス・バスター、0.5%がツワナ人となっている[18]。白人はドイツ系オランダ系の子孫であるアフリカーナーなどからなるナミビア白人(英語版)によって構成され、その他に在ナミビア中国人(英語版)が存在する。
言語詳細は「ナミビアの言語(英語版)」を参照

家庭で話される言語(ナミビア 2011)

英語  3.4%
オヴァンボ語  48.9%
ナマ語  11.3%
アフリカーンス語  10.4%
クワンガリ語  8.5%
ヘレロ語  8.6%
カプリビ語  4.8%
ドイツ語  0.9%
コイサン諸語  0.8%
ツワナ語  0.3%
その他  2.4%

英語

唯一の公用語英語であるものの、日常生活で使う人の割合はあまり高くない。第一言語話者は人口の3.4%にすぎず、おもに第二言語として政府や中等教育高等教育などで使用される。また、共通語として公式の場ではなるべく英語を使うことが奨励される。英語を母語とする人は少ないことに加え、元来、独立前の南西アフリカ時代に英語はあまり使われていなかった言語であるため、国民の英語力はそれほど高くないが、首都のウィントフックを中心に家庭でも使用する人が増加している。
アフリカーンス語とドイツ語ナミビアの地図。アフリカーンス語ドイツ語の地名が多い。英語アフリカーンス語ドイツ語、オヴァンボ語など多言語で書かれた標識

1990年の独立以前までは公用語はアフリカーンス語ドイツ語に英語を加えた3言語であったが、独立時に多言語化による負担を減らすことと植民地支配やアパルトヘイトのイメージを払拭するためにアフリカーンス語とドイツ語が公用語でなくなり、国連イギリスアメリカの後押しもあり、イギリス連邦への加盟などにより英語が唯一の公用語となった。政府は南アフリカ同様にアフリカーンス語を排除し、英語化を推し進めているものの、ナミビアでは、1910年までイギリス領だったウォルビスベイを除き、イギリス本国による植民地支配を経験しておらず、英語が浸透していなかったことと、1980年代までは中等教育以上ではほぼ全土でアフリカーンス語が教授言語であった[19]ことから、実際に共通語としてアフリカーンス語の地位がすでに確立されていた。そのため、現在でも英語よりもアフリカーンス語の方が日常会話として一般的に広く使用され黒人も含めた各民族間の共通語となっている。隣国南アフリカに比べると黒人同士の間でも抵抗なく話されており、アフリカーンス語の表記や看板も多く公用語に指定されている南アフリカよりもむしろ公用語になっていないナミビアの方が公用語的な地位を保っているともいえる。

地名や通りの名などはドイツ語やアフリカーンス語由来のものが多くなっている。英語が公用語になる以前は、通りの名前はドイツ語の Str.(-Strase)やアフリカーンス語の straat と表示されていたが、現在では英語の -St(Street)へと変更されている。また、TVや新聞などのメディアにおいてもかつてはアフリカーンス語とドイツ語が優位であったが、一部を除くと現在はほとんどが英語となっている。

全人口の6.4%を占める白人(ヨーロッパ系)の60%がアフリカーンス語を、32%がドイツ語を、7%が英語、1%がポルトガル語を使用している。ドイツ植民地時代から90年経った現在でもドイツとの結びつきが強く、ドイツ語は商業言語として大きな地位を占めており、ドイツ系ナミビア人(英語版)(約3万人)のためにドイツ語での教育も行われている。
土着言語・その他

バントゥー語群に属すオヴァンボ語(英語版)(: Oshiwambo)は全人口のおよそ半数の第一言語である。オヴァンボ語には、クワニャマ方言ンドンガ方言・クワンビ方言(英語版)などの方言がある。

その他の言語としては、コイコイ語ヘレロ語、クワンガリ語(英語版)、カプリビ語、ツワナ語などの他にコイサン諸語なども話されており、近年はアンゴラに接する北部を中心にポルトガル語も急速に広まっており、全人口の4 - 5%前後がポルトガル話者である。ポルトガル語は学校教育に取り入れられており、2014年にはポルトガル語諸国共同体のオブザーバーになった。
保健詳細は「ナミビアの医療(英語版)」を参照

HIVが蔓延し国民の健康を脅かす重大な脅威となっている。2019年のHIV感染者は推計で約21万人であり、感染率は12.7%に達した[18]。HIV無症候性キャリアはそれ以上と推定されている。2019年のHIV/AIDSによる死亡者は約3000人だった[18]
文化
宗教詳細は「ナミビアの宗教(英語版)」を参照ツメブキリスト教教会


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