ナバラ県
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ナバラ州の最高峰は標高2,428mのメサ・デ・ロス・トレス・レジェスであり、トレス・レジェスの周囲には標高2,507mのアニ峰(山頂はフランス領)や2,366mのペトレチェマなどがある[6]アララール山地

山岳部と河岸部の中間には中央部があり、山地や丘陵などがみられる北部から広大な平野が広がる南部までが緩やかに推移している[5]。中央部の中でも気候は大きく変化し、東側は大陸性気候であり、北側は西岸海洋性気候、南側は大陸地中海性気候である[5]。中央部にはパンプローナやパンプローナ都市圏がある。河岸部はエブロ川の本流や支流の流域であり、エステーリャトゥデラというふたつの主要都市がある。エステーリャ河岸にはなだらかな尾根や向斜面谷が見られ、トゥデラ河岸には構造平原や沖積低地が広がっている[5]。トゥデラの北方には半砂漠地帯のバルデナス・レアレスが広がり、ユネスコの生物圏保護区に指定されている[7]。河岸部の年降水量は400mm足らずであり、山岳部に比べて日照時間が長いほか、夏季と冬季の気温差が激しい[5]

ナバラ州の主要な河川には、エステーリャを流れるエガ川(スペイン語版)、パンプローナを流れるアルガ川、サングエサを流れるアラゴン川などがある[5]。これらの河川はいずれもエブロ川の支流であり、北から南に流れてエブロ川に注いだ後は、南東に流れてやがて地中海に注ぐ[5]。スペイン語とバスク語の言語境界線付近に分水嶺があり、州北西部の一部の地域からは、ウルメア川ビダソア川やレイツァラン川(英語版)が、南から北に流れて大西洋に注いでいる[5]

イラティの森(山岳部)

アルガ川(中央部)

バルデナス・レアレス(河岸部)

気候

ビスケー湾の影響が強い北西部は西岸海洋性気候であり、バスタン谷やビダソア谷は一年中緑に覆われる[8]。冬季の平均気温は摂氏12度と穏やかであり、夏季の平均気温も摂氏22度と過ごしやすい[8]。ピレネー山脈に近い北東部は山岳気候であり、ナバラ州でもっとも涼しい気候である[8]。冬季には気温が氷点下に落ち込み、標高の高い斜面は積雪を伴う[8]。パンプローナを含む中央部は変移地帯であり、冬季と夏季の気温差が激しい[8]。冬季は晴天日が多いが一定の降水もあり、夏季は暑く乾燥する日中と涼しい夜間が特徴である[8]。南部は地中海性気候であり、冬季にはシエルソ(スペイン語版)と呼ばれる北風が吹く。夏季は暑く乾燥し、気温はしばしば摂氏40度に達する[8]

パンプローナの気候
月1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月年
最高気温記録 °C (°F)19.5
(67.1)23.6
(74.5)30
(86)29.6
(85.3)33.5
(92.3)38.5
(101.3)40.2
(104.4)40.6
(105.1)38.8
(101.8)30
(86)27
(81)20
(68)40.6
(105.1)
平均最高気温 °C (°F)9.1
(48.4)10.9
(51.6)14.6
(58.3)16.4
(61.5)20.2
(68.4)25.2
(77.4)28.2
(82.8)28.3
(82.9)24.5
(76.1)19.3
(66.7)13.1
(55.6)9.7
(49.5)18.4
(65.1)
日平均気温 °C (°F)5.2
(41.4)6.3
(43.3)9.1
(48.4)10.9
(51.6)14.7
(58.5)18.6
(65.5)21.2
(70.2)21.4
(70.5)18.2
(64.8)14.1
(57.4)9.0
(48.2)6.0
(42.8)12.9
(55.2)
平均最低気温 °C (°F)1.4
(34.5)1.6
(34.9)3.7
(38.7)5.3
(41.5)8.6
(47.5)11.9
(53.4)14.2
(57.6)14.5
(58.1)12.0
(53.6)8.9
(48)4.8
(40.6)2.2
(36)7.4
(45.3)
最低気温記録 °C (°F)?12.4
(9.7)?15.2
(4.6)?9
(16)?2.2
(28)?0.2
(31.6)3.8
(38.8)7
(45)4.8
(40.6)3.4
(38.1)?1
(30)?6.6
(20.1)?14.2
(6.4)?15.2
(4.6)
降水量 mm (inch)57
(2.24)50
(1.97)54
(2.13)74
(2.91)60
(2.36)46
(1.81)33
(1.3)38
(1.5)44
(1.73)68
(2.68)75
(2.95)72
(2.83)674
(26.54)
湿度78726665635957586269767867
平均月間日照時間93125177185228268310282219164108882,240
出典1:スペイン国立気象庁(Aemet)[9]
出典2:スペイン国立気象庁(Aemet)[10]

人口自治体別の人口密度
    高密度     低密度

ナバラ州は272のムニシピオ(基礎自治体)からなる[11]。人口の約1/3が州都パンプローナ(195,769人)に住んでおり、人口の約半分がパンプローナ都市圏(315,988人)に住んでいる[12]。人口20,000人以上の自治体はパンプローナ、河岸部のトゥデラ、パンプローナ都市圏のバラニャインの3自治体であり、2013年時点では州全体の42.3%がこの3自治体に居住している[13]。人口2,000人から20,000人の自治体には州全体の39.2%が、人口2,000人以下の自治体に州全体の18.5%が居住している[13]

ナバラ州の自治体の人口順位(2013年)[13]
#人口自治体地域
1196,955パンプローナ中部
235,369トゥデラ南部(河岸部)
321,120バラニャイン中部(パンプローナ都市圏)
418,414バリェ・デ・エグエス/エグエシバル中部(パンプローナ都市圏)
518,248ブルラーダ/ブルラタ中部(パンプローナ都市圏)
614,120シスール・マジョール/シスル・ナグシア中部(パンプローナ都市圏)
713,947エステーリャ南部(河岸部)
811,201タファリャ南部(河岸部)

1900年時点のナバラ地方の人口はスペイン全体の1.7%だったが、20世紀を通じて緩やかに比率を低下させた結果、1991年時点では1.3%となった[14]。ナバラ州より人口が少ない自治州はラ・リオハ州カンタブリア州だけであり、ナバラ州の人口はスペインの全17自治州中15位である。1900年の人口は307,669人だったが、2014年には約2倍の640,356人となった[13]。人口密度は1900年の29人/km2から2014年には61.4人/km2に増加したが、スペイン平均の人口密度92人/km2を下回っている[13]。ピレネー渓谷や南西部のエステーリャ地域では20世紀初頭から人口が減少しつづけているが、パンプローナ盆地や河岸地域では人口が増加している[12]。2000年代にはラテンアメリカ、東欧、北アフリカなどからの移民が増加しており[12]、他国出身人口は約70,000人[13]、比率では約11%と推定されている[15]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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