ナナカマド
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北海道や東北地方では、街路に植栽されているものも多く見かけるが、東京以西の低地では暑すぎるため育たない[23]

本種は以下の3変種に分けられる。それぞれの特徴は#形態・生態の項参照。
ナナカマド Sorbus commixta var. commixta
全国に普通に自生[5]
サビナナカマド Sorbus commixta var. rufoferruginea
本州以南の東北地方から近畿にかけて時に分布[5]。葉の裏面に褐色の軟毛がある[18]
ツシマナナカマド Sorbus commixta var. wilfordii
対馬および北陸から山陰にかけて低地から分布[5]
形態・生態

落葉広葉樹[21]。高さ3 - 12メートル (m) の小高木から高木で[5]、山地では普通高さ6 - 10 m程度だが、15 mになるものもある[6][1]。高地では小低木となることが多い[11]樹皮は暗灰褐色をしており、横長の細長い皮目があり滑らかで、サクラにやや似る[5][6][22]。若い樹皮は褐色から淡褐色で、皮目や横すじが目立つ以外は滑らかだが、成長とともに灰褐色となり、老木では縦に浅く裂けるようになる[13][22]。一年枝は紅紫色でつやがある[22]。樹形は株立ちで、逆形となり[13]、高原ではより低く横に広がる傾向がある[22]。胸高直径は15 - 30センチメートル (cm) になる[1]

は長さ15 - 25 cmの奇数羽状複葉で、長さ3 - 9 cmの側小葉が4 - 7対(または9 - 17枚[1])向かい合ってつく[5][6]。小葉は披針形または長楕円状披針形で、先は尖り[6]、幅は1 - 2.5 cm[1]。小葉には細かく鋭い鋸歯または重鋸歯があり、両面ともほぼ無毛[5][6][1]。小葉の表面は緑色で、裏面は淡緑色[1]。変種サビバナナカマド(S. commixta var. rufoferruginea)では葉裏の主脈に沿い、に錆色(褐色)の毛が密生する[5][6]。花序や萼にも褐色の長軟毛が生える[6]。また小葉基部の葉軸上には褐色の毛が生え、これはナナカマド属共通の形質である[5]。変種ツシマナナカマド(S. commixta var. wilfordii)では小葉が4 - 6対と少なくて、形は幅広く短い[5]。葉序は互生する[5]。秋になると紅葉し、全体が色むらのない濃い赤色で、寒い地方ほど色鮮やかに染まる[23][9]。橙色や赤色に紅葉するものが多いが、黄色くなる個体もあり、それぞれに美しく色づく[24]

開花時期は初夏の5 - 7月で[22]、白いを多数咲かせる[6]。花は5枚の花弁からなる6 - 10ミリメートル (mm) の大きさの小花で複散房花序の形をなす[11][6]。雄蕊は20個で、花柱は3 - 4本[6]

果期は9 - 10月[10]果実ナシ状果[22]、球形で直径5 - 6 mm、光沢のある赤い実を実らせる[6][9]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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