ナチュラルキラー細胞
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これらはストレス分子であり、ウイルス感染細胞から放出されるため、NK細胞にとってはウイルス性の病原体の存在を示すシグナルとなる。遍在的な活性化因子であるIL-2IFNγもNK細胞を活性化することができる。
Fc受容体
NK細胞はマクロファージやその他の細胞種と同様、Fc受容体抗体のFc部位が結合する活性化受容体)を発現している。これにより、NK細胞は、液性免疫により感作された細胞を標的にした抗体依存性細胞傷害(ADCC)を行う。
活性化受容体・抑制性受容体
NK細胞はFc受容体以外にも、細胞傷害活性を活性化したり抑制したりする様々な受容体を発現している。これらは標的細胞上の様々なリガンドに結合し、NK細胞の応答を制御するのに重要である。

NK細胞がサイトカインに応答することで、感染を排除できる抗原特異的な細胞傷害性T細胞が獲得免疫応答により生じるまでの間、ウイルス感染をコントロールするのに役立つ。NK細胞を欠く患者はヘルペスウイルス感染の初期に高感受性を示す。
抑制性受容体

抑制性受容体は、MHCクラスI分子を認識しており、これによりなぜNK細胞がMHCクラスI分子の発現が低い細胞を殺すのか説明できる。NK細胞受容体のタイプは構造的に分化している。
CD94:NKG2(ヘテロ二量体)齧歯類と霊長類で保存されているCタイプレクチンファミリー受容体で、
HLA-Eのような非典型的(かつ非多型的)なMHC I分子を認識する。HLA-Eの細胞表面での発現は典型的(多型的)なMHCクラスI分子のリーダーペプチドの存在に依存しているため、間接的にではあるが、これは典型的HLA分子の発現量を検出する手段になっている。

Ly49(ホモ二量体)比較的由来の古いCタイプレクチンファミリー受容体で、マウスでは複数遺伝子があるがヒトは偽遺伝子が1つあるだけである。典型的(多型的)なMHCクラスI分子の受容体。

KIR(Killer cell Immunoglobulin-like Receptors)最近進化したIg様細胞外ドメインを持つ受容体の多遺伝子族に属する。霊長類では、典型的なMHCクラスI分子(HLA-A, -B, -C)と非典型的なHLA-Gの両方に対する主要な受容体である。特定のHLAサブタイプに特異的なKIRもある。

ILTまたはLIR(leucocyte inhibitory receptors)最近発見されたIg受容体ファミリーのメンバー。

細胞傷害機構

NK細胞の細胞質の顆粒には、パーフォリングランザイムなどのタンパク質が含まれており、これが細胞傷害活性の中心的な役割を担う。パーフォリンは傷害する細胞のごく近くで放出され、細胞膜に孔を開けてグランザイムや関連分子が中に入れるようにする。グランザイムはセリンプロテアーゼであり、標的細胞の細胞質でアポトーシスを誘導する[2]。免疫学においてアポトーシスと細胞溶解の区別は重要である。ウイルスに感染した細胞を溶解するとウイルス粒子が放出されてしまうが、アポトーシスならば内部のウイルスを破壊することができるからである。
脚注^ Yong Ho Ku, KMD, PhD, Jae Hui Kang, KMD, PhD, Hyun Lee, KMD, PhD,."Effects of Phellinus linteus extract on immunity improvement: A CONSORT-randomized, double-blinded, placebo-controlled trial". Medicine (Baltimore).2022 Aug 26; 101(34): e30226, .mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}PMID 36042633
^ “NK細胞 - 健康用語の基礎知識”. 健康用語の基礎知識. 2024年1月19日閲覧。

関連項目

免疫系

主要組織適合性複合体

NKT細胞










リンパ球
B細胞

B1細胞(英語版)

形質芽(英語版)

形質細胞

メモリー

濾胞(英語版)

辺縁帯(英語版)

ナイーブ


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