ナシム・ニコラス・タレブ
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また、パリ大学(ドフィーヌ)では、経営科学の博士号を取得している[4]

また、タレブは語学に堪能であり、英語フランス語アラビア語で読み書きをすることができるだけでなく、イタリア語スペイン語で会話もできる。また、ギリシア語ラテン語アラム語古典ヘブライ語カナーン語の文書を読むことができる[5][6]
1987年のブラックマンデーと2000年のドットコム・バブル崩壊における成功

タレブは、1987年のブラックマンデーで4000万ドルの利益を上げたことにより、経済的自由を手に入れ、その後UBSの取締役兼専任トレーダーを務めるなど、さまざまな職を転々とした。1999年にトレーダーを引退した後に、Empirica Capital というヘッジファンドを創設し、2000年から2001年にかけて起きた大暴落で大きな利益を生み出した。しかし、喉頭癌により、2004年にはそれもやめて、文筆業と研究に専念するようになった[7]。また、2007年以降は、Empiricaでパートナーだった Mark Spitznagel が創設したファンド Universa Investments のアドバイザーを務めている。ニューヨーク大学ではリスク工学の教授を務めていた[8]
金融危機に対する事前警告と2007年から2008年の金融危機での成功

タレブは著書『ブラック・スワン』の中で、次のように書いている[9]

『グローバリゼーションによって、不安定性が低減され、安定性が増したものの、相互に連動した脆さが生まれた。言い換えれば、それは、破壊的なブラックスワンを生み出す。我々は、かつてないような世界的崩壊に直面している。金融機関は、より少数の極めて大型の銀行へと統合していった。ほとんど全ての銀行が、相互に関係している。金融業界のエコロジーは、巨大化し、相互に連携し、官僚的な銀行で占められ、ひとつの銀行が失敗したら、全てが巻き込まれる。銀行の統合は、金融危機を発生しにくくする効果があると見られているが、一旦危機が発生したら、その影響はより大きくなり、我々に跳ね返ってくる。我々は、さまざまな貸し出し方針の小さい銀行群のエコロジーから、それぞれが相互に似ている均質なフレームワークへと移行した。今のところ大きな失敗はないが、もしそれが起きたら…私は恐ろしくて震えが止まらない。』

『政府が出資する金融機関ファニー・メイの抱えるリスクを見たところ、ダイナマイトの上に座っているようなもので、ちょっとしたしゃっくりでも危険である。しかし、心配には及ばない。ファニー・メイが抱える多数の科学者スタッフが、そんなことは起きないと考えているからである。』

そしてタレブは、2007年からの世界金融危機の間に数百万ドルの利益を上げ、統計学者に一矢を報いた。[10][11]。また、タレブがアドバイザーを務めるUniversa Investmentsも、2008年10月に65%から115%の利益を生み出した。[12]。この成功により、タレブは世界中にその名を轟かすことになった。また、2009年のダボス会議では、銀行家に厳しい言葉を浴びせ、一種のスターとして扱われた[13][14]
パンデミックに対する警告、2020年の新型コロナウイルスの拡散開始時期における提言と成功

タレブは著書『ブラック・スワン』の中で既にパンデミックに対する警告を発しており、次のように書いていた。.mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0}

私はグローバリゼーションを止めろ、旅行を禁止しろなんて言ってない。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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