ナザレのヨセフ
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特に、聖ヨセフの七つの日曜日の信心を奨励し、多くの免罪を与えたのは教皇グレゴリオ16世だったが、ピウス9世は、全世界の教会の当時の苦しい状況を緩和するために、聖ヨセフに頼ることを望んだことで、この週間を永続的に現実のものとした。

15世紀には、シエナのベルナルディーノ、ピエール・ダリー、ジャン・ジェルソンが主要な措置を講じた[23]。ジェルソンは聖ヨセフに関する考察を書き、コンスタンツ公会議でヨセフに関する説教を行った[30]

1870年12月8日、礼部聖省は、教令「クエマドモドゥム・デウス」[31]をもって、福者ピオ9世教皇が「聖なる家長ヨセフのいとも力強い保護に自らとすべての信者をゆだねるために、聖なる司教たちの願いにこたえることとし、聖ヨセフが普遍教会の保護者であると荘厳に宣言」し、「3月19日の祝日を、今後は一級復誦の大祝日として、ただし四旬節中であるため8日間(Octava)なしに祝うことを命じ」たことを公布した。

1889年、教皇レオ13世 (ローマ教皇)は、教会が直面している課題を考慮して教会の守護者として、聖ヨセフに祈るようにカトリック教徒に勧める回勅「Quamquam pluries」を発表した[32]

聖ヨセフの神学的研究であるジョセフォロジーは、最新の神学の分野の1つである[33][34]

1962年、教皇ヨハネ23世は、ミサ典文にヨセフの名を加えた。1989年、「Quamquam pluries」の100周年記念の際に、教皇ヨハネ・パウロ2世は贖いの計画におけるヨセフの役割を示す使徒的勧告「救い主の守護者聖ヨセフ」を発表した[35][36][37][38]

2013年、教皇フランシスコは、ミサ典文の第2、第3、第4奉献文にヨセフの名を加えた[39][40]。2020年12月8日、教皇フランシスコは、使徒的書簡「父の心で」[41]を発表し、聖ヨセフがカトリック教会の保護者として宣言されてから150年を迎えるにあたって、2020年12月8日から2021年12月8日までの1年間を「聖ヨセフの特別年」とした[42][43]
ギャラリー

ヨセフとヨアキム、デューラー、1504年

At work in the Merode Altarpiece, 1420s

レンブラント「聖ヨセフの夢」1645年

聖処女の婚姻、ペルジーノ、1448年

キリストの降誕, マルテン・デ・ボス、1577年

神殿奉献, バルトーロ・ディ・フレディ、1388年

逃避行の夢、ダニエーレ・クレスピ、1625年

エジプト逃避行、ジョット・ディ・ボンドーネ、14世紀

神殿での発見、時祷書、15世紀

聖家族、クラウディオ・コエリョ、1650年

ヨセフの死、フランスフロラック、サン・マルタン教会

ヨセフの戴冠、ファン・デ・バルデス、1670年

聖家族と聖霊、ムリーリョ、1675-1682年

聖ヨセフと幼子イエズス、クスコ派、18世紀

脚注
注釈^ 外典書の創作話の影響により、ヨセフはしばしば老人として描かれる。
^新約聖書』では「ヨセフ」として言及されるのみで「ナザレのヨセフ」という表現はない[3]
^ 木材加工業者[5]
^ カトリック教会では祭日。日曜日と重なると翌日に記念する[6]。カトリック教会の祭日は祝祭日のうちのもっとも重要なものを言う[7]
^ なお歴代ユダ王たちとの分岐点も違い『マタイ』ではヨシア王の王位を継がなかった息子から分岐するのに対し、『ルカ』ではダビデ王の王位を継がなかった息子から分かれたとされる。
^ アルケラオスは領主としてかなり評判が悪く、最終的に紀元後6年、領地没収・ガリアへ流刑にされている[20]

出典^ テティヒ 1989, p. 15.
^ a b 「ハレの日の聖人たち 聖ヨセフのファジェス」『カトリック生活』ドン・ボスコ社、2018年3月号。14-15頁。
^ 日本聖書協会の ⇒聖書本文検索(新共同訳・口語訳)を参照。
^ 『マタイ』13:55
^ 佐藤研「イエス」『岩波キリスト教辞典岩波書店、2002年、66頁。
^ “教皇ベネディクト十六世の2006年3月19日の「お告げの祈り」のことば 聖ヨセフについて”. カトリック中央協議会 (2006年3月19日). 2017年6月30日閲覧。
^ 「祭日」『オックスフォード キリスト教辞典』 E. A. リヴィングストン 編、木寺廉太 訳、教文館、2017年、324頁。
^ 属人区長のメッセージ(2018年3月19日) Opus Dei
^ ダヴィド水口優明 編著『正教会の手引』日本ハリストス正教会教団 全国宣教企画委員会、2004年、2013年改訂、191頁。
^ 「聖ヨセフあれこれ」『カトリック生活』ドン・ボスコ社、2018年3月号。12-13頁。
^ テティヒ 1989, p. 159.
^ 『マタイ』1:1-16、『ルカ』3:23-38
^ テティヒ 1989, p. 22.
^ テティヒ 1989, p. 160-161.


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