ナガスクジラ
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2005年に、日本は南極海において「調査」との名目で本種とザトウクジラを50頭ずつ捕獲することを宣言したが、これにより国際的に大きな批判を浴び、シーシェパードの抗議行動の激化などの反捕鯨運動が拡大する要因の一つになったともされている[42]
保護とホエールウォッチング「ボン条約」および「象徴種」も参照船舶との衝突によって死亡した個体(ロッテルダムホエールウォッチングジブラルタル海峡

2023年現在では、(あくまでも世界全体で見れば)直接の捕獲そのものは本種に対する大きな脅威ではなくなり、生息数は増加傾向にあると考えられている[3]。しかし、比較的回復が進んでいる南半球においても本種、シロナガスクジラミナミセミクジラは各々が本来の生息数の50%未満に回復するのは西暦2100年ごろと推測されている[43]

しかし一方で、上記の通り激減したり消滅したと思わしい個体群も少なくなく、一部の国々では捕鯨も継続されており、船舶との衝突、漁業による混獲、ゴミの誤飲、「混獲」と称した意図的な捕獲[44]密猟[注 12][45]地球温暖化や人間による廃棄物などによる生息環境の悪化、さらには上記の通りシロナガスクジラとの交配の増加[28]などの影響が懸念されている[3]。しかし、上記の通り、アイスランドでは捕鯨の需要が著しく低下しており、捕鯨産業の撤廃も考慮され始めている[39]

現在では地中海コルテス海セントローレンス川を含む世界各地でホエールウォッチングの対象になっており、ニューヨークなどの大都市の沿岸での確認も増えている[注 13][46][47]

ロシア東アジアにおいては、かつては太平洋側・日本海側を問わない日本列島の各沿岸部[注 14]黄海渤海などを含め沿岸にも普遍的に見られ、上記の通り複数の特徴的な個体群も存在していた[22]。商業捕鯨時代以降は長らく記録が限定されており[7]、目撃はおろか、座礁混獲なども非常に少なかった[注 15][注 16][48][49]

しかし、2000年代以降は主にオホーツク海での目撃が増加し、日本列島におけるホエールウォッチングでもオホーツク海に面する北海道知床半島[注 17][50][51][52]網走[注 18][52][53]では観察できる機会が増えつつある。観光ツアー中における本種の発見の確率では、網走の方が知床よりも大幅に上回る[54][55]が、知床半島の方が(海底地形の影響からか)鯨類の多様性に富み、これまでに他の鯨類[注 19]と共に遊泳する光景が観察されたり[50][56][57]シャチと共に行動する観察例も複数回観察されている[注 20][57][58][59][60]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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