イギリス臣民でナイトに叙任された男性は Sir (サー)、その夫人は Lady (レディ)の敬称をつけて呼ばれる。また、女性でナイトに相当する叙勲を受けた者は Dame (デイム)の敬称をつけて呼ばれる。ただし、「サー」や「デイム」はサーネーム(姓、苗字)ではなく、名であるファーストネーム、またはフルネームの前につける敬称である。例えば、エドモンド・ヒラリーは「サー・エドモンド」または「サー・エドモンド・ヒラリー」とするのが正しく、「サー・ヒラリー」とするのは誤り。姓のみ呼ぶ場合は「ミスター・ヒラリー」。
男性ナイトの夫人はレディのあとにサーネームだけをつける。たとえばアン・スミスはレディ・スミスとなる。デイム(女性ナイト)の夫には敬称はつかない。
ナイトの称号は英国国民以外では、イギリス連邦加盟国や旧イギリス領だった国の国民に与えられることが多く、先述のエドモンド・ヒラリーもニュージーランド人である。
(イギリス国王が君主である国々以外の)外国人で名誉ナイト号を受けた者が「サー」の敬称を用いることはない。「サー」の敬称をつけて呼ばれるのは騎士叙任の儀式を受けた者だけであり、彼らはこの儀式を受けないためである。また、イギリス人であっても聖職者も同様に騎士叙任の儀式を受けないため、「サー」の敬称をつけて呼ばれることはない[25][26]。
なお、日本語ではサーの称号を冠する人物を表す際、姓に「卿」をつけた表記がしばしば見られる(「ヒラリー卿」、「コンラン卿」など)。しかし、サーの訳語に卿を選ぶとしても、第1点として「姓+卿」では、本来の用法とは異なる。それに加え第2点として、「卿」は「ロード」(Lord)の訳語として定着していて、イギリスにおける侯・伯・子・男それぞれの爵位の保持者などに付される称号である。これらの理由から「Sir」に対して「卿」を用いるのは適切ではない[注釈 5]。 ルーマニアのニコラエ・チャウシェスク、ジンバブエのロバート・ムガベがナイトを剥奪された。 エルサレム、ロードス及びマルタにおける聖ヨハネ主権軍事病院騎士修道会(通称・マルタ騎士団)はナイトにより構成され、約960年の歴史を有する「領土なき国家」である[28]。現在は領土を有さないが、今日でも国際連合ならびに欧州連合にオブザーバーとして参加し[29]、110か国と外交関係を持つ[30]。騎士団中央政府は治外法権の認められたマルタ宮殿(イタリア・ローマ・コンドッティ通り68)に置かれ、世界120か国で医療などの慈善活動を実施し、世界中に12の管区、48の国家支部、133の外交団、33のボランティア隊を展開する[31]。 マルタ騎士団は貧者・病者に対する長年の顕著な奉仕の功績を有し、法曹界、学界、医療界などにおいて指導者と目される敬虔なカトリック教徒を選抜し、ナイトへと叙任する[32]。2021年時点の騎士総数は全世界で1万3500名[33]。第80代マルタ騎士団総長ジャコモ・ダッラ・トッレ・デル・テンピオ・ディ・サングイネット 騎士候補に選抜された者は、洗礼を受けたカトリック教徒である証明として司祭の推薦状を得た上、1年間の修練準備期間を経ねばならない。マルタ騎士団騎士への叙任はカトリック教会における最上級の栄誉の一つであり、騎士には叙任と同時にマルタ騎士団総長により騎士団員章である聖ヨハネ騎士勲章が授与される[34]。マルタ騎士団騎士には3つの階級が存在し、原則としてすべての騎士は最初に第三階級に叙任された後、マルタ騎士団内における功績に応じ上位の階級に昇叙する。 ナイトに対する敬称はFra'。 ナイトに対する敬称はConfrere。 ナイトに対する敬称はConfrere。 受任者にミュージシャンの高見沢俊彦がある。 オーストラリアは2015年に、ナイトとデイムの性別称号を「時代遅れ」との理由から廃止している[36]。
ナイトの剥奪
マルタ騎士団における制度
第一階級(最上級騎士)
ナイト・オブ・ジャスティス(正義の騎士) 修道誓願(独身・私有財産の放棄・神への従順)を立てた騎士。1990年から非貴族階級出身者にも昇進の道が開かれた[35]。
第二階級(上級騎士)
ナイト・イン・オヴィディエンス(忠誠の騎士)
第三階級
ナイト・オブ・オナー・アンド・デヴォーション(名誉と献身の騎士) 曽々祖父母16名全員が貴族家系であることを証明出来る者はこの種別に叙任される[35]。
ナイト・オブ・グレース・アンド・デヴォーション(慈愛と献身の騎士) 曽祖父母8名全員が貴族家系であることを証明出来る者はこの種別に叙任される[35]。
ナイト・オブ・マジストラル・グレース(主の恩寵の騎士)
聖ヨハネ騎士勲章ナイト・オブ・ジャスティス章
聖ヨハネ騎士勲章ナイト・オブ・マジストラル・グレース章
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性別称号を廃止した国家
主なナイト叙任者(姓五十音順)
イギリス連邦および旧イギリス領
男性(サー)
カズオ・イシグロ(ノーベル賞作家)
ブラッドリー・ウィギンス(自転車選手)
フランク・ウィリアムズ(F1チーム代表)
ジョン・エリオット・ガーディナー(指揮者)
マイケル・ガンボン(俳優)
アレクサンダー・ギブソン(指揮者)
ベン・キングズレー(俳優)
マイケル・ケイン(俳優)
ジェームズ・ゴールウェイ(フルート奏者)
ショーン・コネリー(俳優)
テレンス・コンラン(インテリアデザイナー)
ミック・ジャガー(ミュージシャン)
トム・ジョーンズ(ミュージシャン)
エルトン・ジョン(ミュージシャン)
リドリー・スコット(映画監督)
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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