ナイトメアー・ビフォア・クリスマス
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ナイトメアー・ビフォア・クリスマスの原型はティム・バートンがディズニーのアニメーターとして働いていた頃に書いた詩である[3]。バートンはこの詩を書いた理由について、ドクター・スースの絵本『いじわるグリンチのクリスマス(原題:How the Grinch Stole Christmas!)』を正反対にしたストーリーを思いついたことがきっかけだったと語っている[2]。1982年、ティム・バートンの初監督作品である『ヴィンセント』の成功を受けて、ディズニーはナイトメアー・ビフォア・クリスマスの映像化を企画する。企画当初は30分のテレビスペシャルとして放送される予定であった[4]。しかし、内容が不気味過ぎるという理由で結局この企画は中止になってしまう[5]。その後しばらくは手つかずのままであったが、1990年に再びディズニーでナイトメアー・ビフォア・クリスマスを長編映画として映像化する企画が持ち上がり、およそ3年の製作期間を経て完成した。ストップモーション・アニメーションの作成は非常に手間のかかる作業であり、ティム・バートンはこの間『バットマン リターンズ』の撮影中であったため、ヘンリー・セリックが監督を務めた。ナイトメアー・ビフォア・クリスマスを公開する際に、子どもにとっては内容が暗く不気味過ぎると判断したディズニーは、ディズニーの実写映画部門の1つであるタッチストーン・ピクチャーズの名義で公開した[注釈 1][8]

千葉県浦安市にある東京ディズニーランドのアトラクションの一つである「ホーンテッドマンション」では、ハロウィンから年明けまで期間限定でこの映画を元にした『ホーンテッドマンション ホリデーナイトメアー』という別バージョンになり、ジャック・スケリントンやサリーなどの出演キャラクターが登場する。

2014年にアメリカの大手映画批評サイトRotten Tomatoesが発表した「2014年版クリスマス映画ベスト25」では、第7位にランクインした[9]
あらすじ

死者の町「ハロウィン・タウン」の住人達は怖い事や、人を驚かせる事が大好き。その日は丁度「ハロウィン」当日、住人達は大盛り上がり。だが、「ハロウィン・タウン」の王様であるパンプキン・キング、ジャック・スケリントンは、毎年毎年同じことの繰り返しでしかない単調な「ハロウィン」に虚しさを感じていた。

そんな時、ジャックは森の奥で不思議な扉の付いた木を見つける。その一つを開いてみると、恐怖と悪夢に満ちた「ハロウィン・タウン」とは全く違う、陽気で明るい『クリスマス・タウン』の別世界が広がっていた。初めて見る美しい雪景色の中、色鮮やかな電飾で飾られた街全体が祝う「クリスマス」に心を奪われたジャックは、自分達の力で「クリスマス」を作り出そうと計画を立てる。

そんな中、ジャックに密かに想いを寄せる人形サリーは、何か悪いことが起きるのではないかという予感にとらわれていた。サリーの心配を他所に、「クリスマス」の準備は着々と進んでいく。だが、ジャックも住人達も本当の「クリスマス」が何なのか理解出来ずに暴走していき、事態はどんどんおかしな方向へと転がって行く。

邪悪な嫌われ者ブギーの手下である3匹の小鬼にサンタクロースをさらうよう命じたジャックは、さらわれてきたサンタクロースを閉じ込めて成り代わり、サリーの制止をよそに意気揚々とプレゼント配りに出発する。しかし、3匹の小鬼たちは、固く口留めされていたにもかかわらず、ジャックが立てたクリスマス計画とサンタクロースの存在をブギーにしゃべってしまう。

そうとも知らないジャックは、サリーが作ったサンタクロースの衣装を着て満足した様子だったが何かが足りないと悩んでいると、3匹の小鬼たちがようやく捕まえたサンタクロースを連れてきた。大喜びしたジャックは、足りなかったのは帽子だと今気付き、サンタクロースの帽子を奪い取ってしまう。その後、3匹の小鬼たちはサンタクロースをブギーの元へ連れて行き、閉じ込めてしまう。その頃のハロウィンタウンでは、住人達はジャックを見送るスタンバイをしていたが、サリーがこっそり仕掛けた霧のジュースによって霧に包まれて見えなくなった。せっかくのクリスマスがおしゃかになってしまったことで落ち込んでしまうジャック達だったが、ゼロの鼻先の光のおかげで出発してしまう。止めることができなかったサリーは、予感が当たらないことを祈りつつ、見送った後に別れを告げる。

ジャックは次々とプレゼントを配っていたが、プレゼントの中身がハロウィンらしい恐ろしいアイテムばかりだったため、世界中が大騒動に陥る。みんなが喜んでくれているのだと舞い上がるジャックだったが、世間はニセサンタクロースとしか認識しておらず、ついには軍が出動し大砲の砲撃によってジャックは撃ち落されてしまう。落下した先の墓場で自分の犯した過ちに気付き悔恨に駆られたジャックは、気を取り直し、サンタクロースを解放して事態を収拾してもらうため、ハロウィンタウンへ引き返す。

サンタクロースを助けようとしたサリーはブギーに見つかり捕まってしまい、マグマ煮えたぎる大鍋の上で今にも放り込まれそうになっていた。ジャックを疎ましく思っていたブギーは、彼を始末して自分がキングに成り代わろうと企んでいたのだ。サンタクロースとサリーを間一髪救い出したジャックはブギーとの戦いに挑む。そしてブギーの所業に怒り、ブギーが逃げ出そうとする瞬間、彼の体を構成するずだ袋のほつれた糸を拷問器具に引っ掛けた。その瞬間、ずだ袋が機械に巻き上げられ、ブギーの本体を構成している無数の虫たちが露出してボトボトとマグマの中に落ちていく。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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