ナイアガラ滝
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ナイアガラ川を行き来する需要が増え始めたため、1848年に歩道橋ができ、チャールズ・エレット・ナイアガラ・フォールズ吊り橋、1855年にはジョン・アウグストゥス・ローブリン・ナイアガラ・フォールズ吊り橋となる。Rainbow Bridge

南北戦争後、ニューヨーク・セントラル鉄道は、ナイアガラの滝を余暇と新婚旅行先として力を入れるようになる。鉄道の交通量が増えた1886年、木材と石材でできた橋が鉄橋へと置き換わり、現在も鉄道がナイアガラ川をまたぐ橋となっている。滝の近くにできた最初の鉄橋は1897年に完成し、今日ではワールプール・ラピッズ・ブリッジとして知られ、車輌、列車、歩行者が行き来できる。1941年、滝近くに3番目の橋「レインボー・ブリッジ」が建設され、車輌と歩行者がアメリカ、カナダ間の国境を行き来できる。

第一次世界大戦後、観光業は再びブームを迎え、自動車が普及したことにより滝へのアクセスがより容易になった。20世紀において、滝の歴史は水力発電の活用と自然景観の保護と開発に大別される。

2020年、2019新型コロナウイルスの感染拡大により、3月17日からオンタリオ州に非常事態宣言[10]、3月20日からはニューヨーク州に外出禁止令が出され[11]、ナイアガラ観光は停止状態となった[12]。3月22日には、休業状態になった滝周辺のホテルカジノが、建物にハート型のライトアップを行い、SARSコロナウイルス2に立ち向かうために連帯を呼び掛けた[13]
観光ナイアガラの滝の夜景

よく見るナイアガラの滝の写真は滝がアップで写されているため、あたかも滝が雄大な自然のなかにあると思われがちだが、周辺は観光地化が進んでおり、カナダ側には滝から近いところにホテルやレジャー施設が並んでいる。特に1990年代以降は急速に観光客向けの開発が進められた。観光客のうちおよそ9割はカナダ側、残り1割ほどがアメリカ側から滝を観光している。

観光シーズンのピークは夏であり、カナダ側からカナダ滝アメリカ滝に向かってライトアップが毎夜行われ、日中から夜までアトラクションを楽しむことができる。最も古くからあるアトラクションでは遊覧船「霧の乙女号」がよく知られ、1846年来、観光客を乗せてアメリカ、カナダの両岸から滝つぼまでの間を行き来している[14]
アメリカ側

アメリカ側では、ナイアガラ・フォールズ州立公園の各地点から滝を眺望でき、プロスペクト・ポイント公園の歩道沿いやプロスペクト・ポイント展望タワー、霧の乙女号の波止場からアメリカ滝が望める。ゴート島(英語版)からもアメリカ滝を見ることができ、風の洞窟(英語版)を通してブライダルベール滝の真下まで降りることができる。また、ニコラ・テスラの大きな銅像が入り口門近くにある。

ゴート島内を観光して回るトローリーバスがあり、気球やヘリコプターを通して滝を見ることもできる。ナイアガラ・ゴージ・ディスカバリー・センターのショーケースではナイアガラの自然と歴史に関する展示がある。
カナダ側スカイロン・タワー

カナダ側のクイーンビクトリア公園には手入れされた花壇があり、カナダ滝とアメリカ滝の眺めもよい。ジャーニー・ビハインド・ザ・フォールズから見たカナダ滝 スカイロン・タワーからの滝の眺め

滝付近には展望タワーが2つあり、滝付近では最も高い地点からの全景が望めるスカイロン・タワー(英語版)と、カナダ滝を見下ろす眺めになるコニカ・ミノルタ・タワー(英語版)がある。カナダ滝のすぐ脇に展望スペース「テーブルロック(英語版)」があり、真下で滝が落ちていく様子を見ることができる。かつては名前のようにテーブル状に突き出た岩だったが、後に崩れて現在の展望スペースとして整備された。ジャーニー・ビハインド・ザ・フォールズ(英語版)(JBF)はカナダ滝裏側のトンネルに行くことができ、展望デッキからはカナダ滝のすぐ脇下から滝を鑑賞できる。また、滝から少し離れた地点には1916年にスペイン人技師レオナルド・トーレス・ケベードによってデザインされたケーブルカー「ワールプール・エアロ・カー(英語版)」がワールプールにある。フォートエリーからフォートジョージ(英語版)までのナイアガラ川沿いには、米英戦争の史跡を始め、娯楽用のトレイルがある。

その他、カナダ側オンタリオ州ナイアガラフォールズ市にはナイアガラ・フォールズビュー・カジノ・リゾート(英語版)とカジノ・ナイアガラ(英語版)という2つのカジノがある。滝沿いの観光地区にはホテルが多く立ち並び、ナイアガラ・スカイホイール(英語版)(観覧車)や店舗が立ち並ぶクリフトンヒル(英語版)がある。
パノラマ アメリカ滝ブライダルベール滝及び霧の乙女号が付近を遊覧するカナダ滝のパノラマ
脚注[脚注の使い方]^ “ ⇒The World's Best Waterfalls”. 2006年9月24日閲覧。
^ “Falls Facts (Trivia) - Niagara Parks, Niagara Falls, Ontario, Canada”. 2007年3月15日時点の ⇒オリジナルよりアーカイブ。2007年3月21日閲覧。
^ “ ⇒IJC ? International Niagara Board of Control”. 2009年7月26日時点の ⇒オリジナルよりアーカイブ。2007年3月19日閲覧。
^ Bruce Trigger, The Children of Aataentsic (McGill-Queen's University Press, Kingston and Montreal,1987, ISBN 0-7735-0626-8), pgs.95.
^ Stewart, George R. (1967) Names on the Land. Boston: Houghton Mifflin Company; pg. 83.
^ Schoolcraft, Henry R. (1847) Notes on the Iroquois. pp. 453-454.
^ “ ⇒ナイアガラの滝:轟音の大瀑布の伝説をたどって”. カナダ観光局. 2016年2月21日閲覧。
^http://puffin.creighton.edu/jesuit/relations/relations_33.html
^ “ ⇒Niagara Falls is such a cool honeymoon destineation even Napoleoto's Brother choose it”. 2006年9月24日閲覧。
^ “カナダ・オンタリオ州が非常事態宣言、連邦政府は緊急事態法の発動を検討”. JETRO (2020年3月19日). 2020年5月14日閲覧。
^ “ニューヨーク州知事、全ての住民に外出禁止を指示?加州に続き”. ブルームバーグ (2020年3月21日). 2020年5月14日閲覧。
^ “ナイアガラの滝から観光客が消えた。緊急事態宣言から1カ月経ったカナダの生活は?”. huffingtonpost (2020年4月26日). 2020年5月14日閲覧。
^ “ナイアガラの滝、ホテルが「ハートのライトアップ」で連帯呼び掛け”. CNN (CNN2020-03-23). 2020年5月14日閲覧。
^ “ ⇒American Indian Legends - Legend Of The Maid Of The Mist”. www.firstpeople.us. 2007年3月27日閲覧。

関連項目

ナイアガラフォールズ (オンタリオ州) - (カナダ側の都市)

ナイアガラフォールズ (ニューヨーク州) - (アメリカ合衆国側の都市)

ウェランド運河

世界三大瀑布

ナイアガラの滝は世界三大瀑布のひとつではあるが、唯一世界遺産には登録されていない。


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