ドン・パスクワーレ
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」と冷静な見解を示している[2]宮沢縦一は「劇の内容はよくある金持ちの老人の財産と結婚を巡るばからしいというか、くだらない話」と冷ややかな見解を示している[12]。音楽的には称賛される一方で、筋立てとしては、現代的観点からみれば、主人公の悲哀が指摘される点もある。
登場人物

人物名原語声域役初演時のキャスト
指揮者:
テオフィル・ティルマン
(英語版)
ドン・パスクワーレDon Pasqualeバス金持ちの独身老人ルイージ・ラブラーシュ(英語版)
ノリーナNorinaソプラノ若い未亡人、エルネストの恋人ジュリア・グリジ
エルネストErnestoテノールパスクワーレの甥ジョヴァンニ・マリオ(英語版)
マラテスタ医師Dottor Malatestaバリトンパスクワーレの主治医で、エルネストの友人アントニオ・タンブリーニ(英語版)
公証人Notaroバスマラテスタの従弟フレデリック・ラブラーシュ(英語版)
合唱:召使、使用人など

楽器編成

木管楽器:
フルート2(2番は持ち替えでピッコロ)、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2

金管楽器:ホルン4、トランペット2、トロンボーン

打楽器:ティンパニバス・ドラムシンバルタンバリン

その他:弦5部、ギター2

演奏時間.mw-parser-output .listen .side-box-text{line-height:1.1em}.mw-parser-output .listen-plain{border:none;background:transparent}.mw-parser-output .listen-embedded{width:100%;margin:0;border-width:1px 0 0 0;background:transparent}.mw-parser-output .listen-header{padding:2px}.mw-parser-output .listen-embedded .listen-header{padding:2px 0}.mw-parser-output .listen-file-header{padding:4px 0}.mw-parser-output .listen .description{padding-top:2px}.mw-parser-output .listen .mw-tmh-player{max-width:100%}@media(max-width:719px){.mw-parser-output .listen{clear:both}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .listen:not(.listen-noimage){width:320px}.mw-parser-output .listen-left{overflow:visible;float:left}.mw-parser-output .listen-center{float:none;margin-left:auto;margin-right:auto}}U.S. Marine Bandによる演奏この音声や映像がうまく視聴できない場合は、Help:音声・動画の再生をご覧ください。

第1幕:約45分(序曲:約7分)、第2幕:約35分、第3幕:約40分 合計:約2時間
あらすじ

時と場所:19世紀半ばのローマ
第1幕
第1場ロンドンでの上演
ドン・パスクワーレの中産階級風の邸宅の客間

ドン・パスクワーレはもう70歳になる独身の金持ち老人である。そろそろ財産を同居している唯一の相続人、甥のエルネストに譲ろうと考えていた。しかし、そのエルネストはノリーナという若い未亡人に惚れこんでいて、パスクワーレが薦める金持ちの令嬢との結婚をあっさりと断ってしまう。業を煮やしたパスクワーレは、それなら自分が若い娘と結婚して、産まれた子供に財産を譲ろうと思い立ち、友人の医師マラテスタに相手探しを依頼する。マラテスタが現れ、若く美しく謙虚な理想の花嫁が見つかったという〈ロマンツァ〉「天使のように美しい娘が」(Bella siccome un angelo)を歌う。それもマラテスタの妹というから驚きだ。〈ヴィヴァーチェ〉の急速なテンポで「これまでに感じたことのない情熱の炎が」(Un foco insolito mi sento addosso)を歌う。有頂天のパスクワーレはエルネストを呼び、「わしが結婚する」(Io prendo moglie)ので、この家を出ていけと告げる。驚くエルネスト。実はエルネストも、未亡人のノリーナとの結婚がうまくいくように、マラテスタにパスクワーレの説得を頼んでいた。絶望したエルネストは〈カンタービレ〉の分散和音に彩られ「甘く清らかな夢よ」(Sogno soave e casto)を歌い、家を出る決心をする。
第2場
ノリーナの家

エルネストの恋人、未亡人ノリーナが恋愛小説を読んでいる。〈カヴァティーナ〉「騎士はその眼差しに心を射抜かれ」(Quel guardo il cavaliere in mezzo al cor trafisse)を歌い、自分には男性の心をとろけさせる眼差しや、微笑みや、うその涙の使い方を熟知しており、知恵が回り、冗談を解し、怒りを笑いに帰る才能もあると自慢する。そこに、エルネストからの手紙が届く。手紙には「財産は貰えず、家を追い出された。絶望して一人でこの地を去る」と書かれていた。驚き悲しむノリーナのところに、マラテスタがやって来る。マラテスタは一計を案じ、ノリーナに修道院に入っている自分の妹ソフローニャに変装させて、ドン・パスクワーレに花嫁として送り込む企てを打ち明ける。ドン・パスクワーレを振り回して、彼に結婚を後悔させ、エルネストとの結婚を承諾させようと言う。〈二重唱〉「準備は万端よ」(Pronta io son)となり、彼女はあとは任せて欲しいと言う。
第2幕
ドン・パスクワーレ邸
ドン・パスクワーレ邸の4人

エルネストはこの家を出る決心を固め、〈アリア〉「見知らぬ遠いところで」(Cerchero lontana terra)を歌い自室に戻る(トランペット独奏を伴う感動的な導入部となっている[5])。パスクワーレは召使を引き連れて、正装で現れる。そこにマラテスタと純真で内気な妹のソフロニアに扮するノリーナがヴェールをかぶり、やって来る。ソフロニアがヴェールを外すと、美しく清楚で慎み深い花嫁候補に、パスクワーレは一目惚れをしてしまい、舞い上がり〈カヴァティーナ〉「仕草も、声も、身のこなしも」(Mosse, voce, portamento)と歌い、早速この場で挙式を上げることにする。公証人(マラテスタの従弟)は事前に隣室に呼ばれていたが、もう一人必要である。そこに、エルネストが叔父に最後の別れを告げにやって来て『出発する前に』(Pria di partir)を歌う。エルネストは花嫁を見て仰天するが、マラテスタが彼にこれは芝居であると耳打ちし、納得させる。エルネストもマラテスタと共に悪巧みに加わり、婚姻の証書に署名する。その署名が終わったとたんに、偽のソフロニアであるノリーナの態度が一変する。パスクワーレに無遠慮に命令をして、考え得る限りの派手な気分屋の贅沢女房に変身する。パスクワーレは?然とし『夢か現実か、一体何が起きたんだ』(Pria di partir)と歌い、動揺するが、なす術がない。芝居が上出来であることに満足したマラテスタたちは〈四重唱〉「石のように固まってしまった」(E rimasto la impietrato)を歌い、喜びをあらわにする。
第3幕イタリア劇場での上演
第1場
前幕と同じ日のドン・パスクワーレ邸

部屋中のどこもかしこも新妻の洋服や帽子、アクセサリーなどが散乱している。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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