ドン・ウィルソン_(ギタリスト)
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同年にスタートした日本ツアーで、後任としてベースを担当していたボブ・スポルディングがリズムギターにパート変更、ボブ・スポルディングの息子であるイアン・スポルディングがベーシストとして新たに加入する事が発表された[注 1]

2013?14年頃、彼の息子であるティム・ウィルソンと共に、かつて2000年から「ジェリー・マギーを除き」ベンチャーズが使用していたARIA製ベンチャーズ・モデルを買収、アメリカ本国向けにWilson Brothers Guitarsを設立、ドン自身は使用し、ティムがディストリビューターを務めている他、インディーズレーベル「Northwest Green Records」を2015年11月頃立ち上げた。

2022年1月22日、老衰のため88歳で死去[4][5]。ザ・ベンチャーズの結成メンバーの中では最後の存命者だった。
演奏スタイル

ドンの演奏は、基本的にギター・パートの中で常にリズムを担当するサイドギターであり、メインになることは無い。しかし、弦を掻き鳴らすノイズを盛り込んだり、歯切れのいいコードストロークを展開し、リズム・セクションの面において楽曲をリードすることから「メロディを弾かないリードギター」と言われる。近年は「パイプライン」や「ダイアモンド・ヘッド」などで、日本中にエレキブームを巻き起こしたクロマチックラン奏法(トレモロ・グリッサンド奏法とも呼ばれる。いわゆる「テケテケテケテケ…」という演奏法)の際に、最後の3?6フレット辺りで他の弦を激しく掻き鳴らし、スプリングリバーブを暴れさせて激しい音を出すなど、リバーブというエフェクターの効果を最大限に生かした、音に劇的な効果を与える技を加えている[6]

使用する弦はghs社製のミディアムゲージ(.011?.050)という太い弦を使用している。一時は.012?.052というかなり太いゲージの弦を使用していた。演奏の際にはコードストロークでは薄めのピック、「テケテケ」の際には厚みのある物と使い分けている。インタビューで「サイドギターもその存在を主張するべきと言うのが、僕のリズムギター論なんだ」「リズムギターでロックンロールするということを常に考えてきた」と語っている[7]

なお、2000年6月にリリースされたアルバム V-Gold 2 では、ドンのリード・ギターによる曲が3曲収められている。

アンプの音作りは極めてクリアな音質にセットしている。カノウプスから彼との共同開発によって発売されたギターアンプ"サーフリバーブ"は、アンプに内蔵されたリバーブの性能や音質を含め、彼の理想を実現したクリアな音質を持っている。エフェクターは全く使用しないが、レコーディングなどでは稀にスプリングリバーブを使用する事もあった。ステージでは、リズムギターのみならず2?3曲歌うことが定番化している。M&Iカンパニーからリリースされたベンチャーズのアルバムの中には、ドン・ウィルソンのヴォーカルを全面的にフィーチャーした「The Ventures Classic Country Plus」が存在する。なお、この作品は、1996年ごろ15曲入りのカセットテープでリリースされている。また、ベンチャーズの曲で"The Twomp"という歌入り曲があるが、この曲は元々ドン・ウィルソン本人のソロ名義でリリースされていたものである。
使用機材
ギター類

モズライト・ベンチャーズモデル - 1963年後半以降より1966年まで各年代毎の個体を使用。

モズライト・コンボ - 1967年から68年まで使用。

フェンダー・ジャズマスター - 1962年頃から1963年まで使用した時期と、1973年から2000年代前半まで使用していた時期がある。90年代にはフェンダージャパンからシグネチャー・モデルも出ていたが、ドン自身は1973年から使い出した1967年製の個体を長く愛用していた。

フェンダー・ストラトキャスター - 最初期(ジャズマスターを手にする以前)のメイン・ギター。

ギブソン・SG - 1969年から1973年まで使用。

ギブソン・ES-175

アリアAP・ドン・ウィルソン・シグネチャー・モデル

アリア・ベンチャーズモデル

Wilson Brothers The Ventures Signature Model

アンプ類

Mosrite Award Bg-1000
- モズライト製ギターアンプ

Roland JC-120(スピーカー・ユニットをエレクトロボイス社製のものに交換したものを使用)

フェンダー・バンドマスターアンプ

カノウプス・サーフ・リバーブ・アンプ

EVHギターズ・5150V

メサブギー・Triple Rectifier Solo Head - 本国アメリカツアーのみ使用。

フェンダー・Fender Reverb'63

グヤトーン、エルク、テスコヤマハ等日本製ギターアンプも過去の来日ツアーで使用。
エピソード

ジェフ・バクスターは1970年代から既に彼からの影響を公言していた。安定したリズムバッキングを学ぶことが出来たとインタビューで語っていたことがある。「ドンやボブのようなギタリストになりたいのですが、どうしたらいいでしょうか?」とファンレターを送ったら、「フェンダーのジャズマスターを買おう」との返事が届いたので、小遣いやアルバイトで稼いだ金を手に楽器店へメキシコ製のジャズマスターを買いに行ったという。1959年のデビューから60年近く過ぎた現在も世界中に根強いファンを抱え、特に日本においてはエレキギターの素晴らしさ、バンド形式の新しい音楽スタイル、自分で音を出すことの楽しさを伝えた人物として、多くの人からリスペクトされている。
脚注
注釈^ その後ジェリー・マギーがツアーから引退するのに伴いルーカス・グリフィンがベーシストとして制式に加入したため、ボブ・スポルディングがジェリーの後任としてリードギターに、イアン・スポルディングがリズムギターにそれぞれパートチェンジが行われている。

出典^ “Don Wilson Biography”. IMDb. 2022年1月25日閲覧。
^ K&K 1995, p. 19-24.
^ “Don Wilson, Rhythm Guitarist and Founding Member of The Ventures, Dies at 88”. People (2022年1月22日). 2022年1月25日閲覧。
^ “Don Wilson, the Ventures’ Co-Founder and Rhythm Guitarist, Dead at 88”. RollingStone (2022年1月22日). 2022年1月23日閲覧。
^ “エレキサウンドの元祖ザ・ベンチャーズのオリジナルギタリスト、ドン・ウィルソンさんが死去”. 東スポWeb (2022年1月22日). 2022年1月23日閲覧。
^ “[https://guitarmagazine.jp/interview/2022-0124-rip-don-wilson/ 追悼 ドン・ウィルソン(ベンチャーズ)ギター・マガジン最後のインタビュー]”. ギター・マガジン (2022年1月24日). 2022年1月25日閲覧。
^ シンコーミュージック「エレキギターブック・ザ・ベンチャーズ50周年記念号」の再録インタビューより

参考文献

K&K事務所『ザ・ベンチャーズ―結成から現在まで』河出書房新社、1995年5月30日。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 4-309-26244-9。 

外部リンク

(リンク切れ) ⇒
Northwest Green Records Official Website


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