ドリーム_(2016年の映画)
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2015年7月9日、ドナ・ジグリオッティはマーゴット・リー・シェッタリーのノンフィクション小説を映画化する権利を購入したと報じられた[6]。脚本を執筆したアリソン・シュローダーはケープ・カナベラルの出身で、祖父母はNASAで働いていた人物で、自身もNASAでのインターン経験のある人物であった[7]。企画を煮詰める過程で、セオドア・メルフィはシュローダーの脚本に修正を加え、3人の黒人女性が如何にしてキャリアと私生活の両立を図ったかという点に焦点を当てるようなストーリーにした[7]。製作サイドは3人の黒人女性を演じる女優として、オプラ・ウィンフリーオクタヴィア・スペンサータラジ・P・ヘンソンヴィオラ・デイヴィスらに目を付けていた[6]

2016年2月10日、FOXはキャサリン・ジョンソン役にヘンソンを起用すると発表した[8]。17日、ドロシー・ヴォーン役にスペンサーが選ばれたとの報道があった[9]。3月1日、ケビン・コスナーの出演が決まった[10]。3月下旬にはジャネール・モネイ、キルスティン・ダンスト、グレン・パウエル、マハーシャラ・アリらの出演が決まっていった[11][12][13]。4月1日には、ジム・パーソンズが本作に出演するとの報道があった[14]

本作の主要撮影は2016年3月初頭にジョージア州アトランタにあるモアハウス大学で始まった[15]。撮影はドビンス空軍基地内にあるロッキード・マーティン・エアロニュークスの施設でも行われた[16]
興行収入

2016年12月25日、全米25館で本作の限定公開が始まり、51万ドル余りを稼ぎ出した[17]。翌年1月6日から始まった拡大公開の初週末には2280万ドルを稼ぎ出し、全米興行収入ランキング1位となった[18]
史実・原作との相違点

本作は1961年のNASAを舞台にした作品であり、当時のNASAに白人用の設備と黒人用の設備が存在したかのように描かれている。しかし、1958年に
アメリカ航空諮問委員会(NACA)アメリカ航空宇宙局に改組された際、そうした差別的な設備は取り払われた。また、劇中のドロシー・ヴォーンは昇進願いを却下されているが、実際のヴォーンは1949年の段階でスーパーヴァイザーに昇進している[19]

劇中でメアリー・ジャクソンは工学の学位を得ようと奮闘する女性として描かれているが、実際のジャクソンは1958年の段階で工学の学位を修得し、エンジニアの職を得ている[20]。また、劇中でキャサリン・ジョンソンは1961年にNASAに配属されたことになっているが、実際のジャクソンは1953年の段階でNASAの前身であるNACAに配属されている[21]

劇中では、アル・ハリソンがSTGの責任者であったとされているが、実際のSTGの責任者はロバート・R・ギルラス(英語版)であった。これは複雑な人間関係を分かりやすくするための処置であった。ヴィヴィアン・ミッチェルとポール・スタフォードは実在の人物ではなく、当時のスタッフの行動及び価値観を分かりやすい形で反映したキャラクターとなっている。なお、カール・ジーリンスキーはメアリー・ジャクソンのメンターであったカジミェシュ・クザルネッキ(英語版)をモデルにした人物である[22]

ジョン・ハーシェル・グレンがジョンソンにIBM 7090の計算が正しいかどうか確かめて欲しいと依頼するシーンがあるが、現実のジョンソンはそのシーンの数日前から検算に取り組んでいた[23]

評価

本作は批評家からも観客からも極めて高い評価を受けている。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには171件のレビューがあり、批評家支持率は92%、平均点は10点満点で7.6点となっている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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