ドリーム_(2016年の映画)
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劇中でメアリー・ジャクソンは工学の学位を得ようと奮闘する女性として描かれているが、実際のジャクソンは1958年の段階で工学の学位を修得し、エンジニアの職を得ている[20]。また、劇中でキャサリン・ジョンソンは1961年にNASAに配属されたことになっているが、実際のジャクソンは1953年の段階でNASAの前身であるNACAに配属されている[21]

劇中では、アル・ハリソンがSTGの責任者であったとされているが、実際のSTGの責任者はロバート・R・ギルラス(英語版)であった。これは複雑な人間関係を分かりやすくするための処置であった。ヴィヴィアン・ミッチェルとポール・スタフォードは実在の人物ではなく、当時のスタッフの行動及び価値観を分かりやすい形で反映したキャラクターとなっている。なお、カール・ジーリンスキーはメアリー・ジャクソンのメンターであったカジミェシュ・クザルネッキ(英語版)をモデルにした人物である[22]

ジョン・ハーシェル・グレンがジョンソンにIBM 7090の計算が正しいかどうか確かめて欲しいと依頼するシーンがあるが、現実のジョンソンはそのシーンの数日前から検算に取り組んでいた[23]

評価

本作は批評家からも観客からも極めて高い評価を受けている。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには171件のレビューがあり、批評家支持率は92%、平均点は10点満点で7.6点となっている。サイト側による批評家の見解の要約は「観客が喜ぶであろう心温まる雰囲気の中で、『ドリーム』はアメリカ史から見落とされてきた人々による重大な貢献を周知している」となっている[24]。また、Metacriticには43件のレビューがあり、加重平均値は74/100となっている[25]。なお、本作のCinemaScoreはA+となっている[26]

IGNのサイモン・トンプソンは本作に10点満点中9点を与え、「『ドリーム』は魅力を引き出す演出によって、忘却の彼方に追いやられた―そこまでは行かなくとも、多くの人々に知られていない―黒人女性たちを見事に描ききっている。俳優陣による上質の演技と優れた物語によって、本作は観客の時間と金、注目を得るに値する娯楽映画になっている」と評している[27]。『ボストン・グローブ』のタイ・バール(英語版)は「『ドリーム』は実在した3人の女性たちと彼女たちを演じる3人の女優のおかげで見事な作品になっている。何より良いのは、この映画を見ることで、キャサリン・ジョンソン、ドロシー・ヴォーン、メアリー・ジャクソンの業績を知ることが出来るということだ。この映画が後世に残ることで、私たちの子孫もこの3人の功績を知ることが出来るのだ。」と述べている[28]

キャサリン・ジョンソンは「よく出来た映画でした。主演3人は私たちを見事に演じきっていると思います」と述べている[29]

2020年6月、NASA本部は庁舎を本作にちなんで「メアリー・W・ジャクソン」へと改称する方針だと発表した[30]
受賞歴

第23回全米映画俳優組合賞キャスト賞 [31]

第60回ブルーリボン賞外国作品賞[32]

日本語タイトルに関して

当初、本作の邦題は『ドリーム 私たちのアポロ計画』と発表された。しかし、「マーキュリー計画を扱った作品なのに、なぜアポロ計画なのか」という主旨の批判がSNS上で相次いだ[33]。こうした批判に対し、日本での配給を担当する20世紀フォックスは、「日本の観客に広く知ってもらうための邦題として、宇宙開発のイメージを連想しやすい『アポロ計画』という言葉を選んだ」「ドキュメンタリー映画ではないので、日本人に伝わりやすいタイトルや言葉を思案した結果」とコメントした[34]。また、この件に関して尋ねられたメルフィ監督はTwitterで「私も何故こうなったのか分かりません。問い合わせてみますが、(日本語題を)変更するにはもう遅すぎると思います。」とコメントした[35]

2017年6月9日、こうした批判を重く見た20世紀フォックスは日本語題を『ドリーム』に変更すると発表した[36][37]
出典^ “ ⇒HIDDEN FIGURES”. 2017年2月7日閲覧。


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