ドリーム_(2016年の映画)
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3月下旬にはジャネール・モネイ、キルスティン・ダンスト、グレン・パウエル、マハーシャラ・アリらの出演が決まっていった[11][12][13]。4月1日には、ジム・パーソンズが本作に出演するとの報道があった[14]

本作の主要撮影は2016年3月初頭にジョージア州アトランタにあるモアハウス大学で始まった[15]。撮影はドビンス空軍基地内にあるロッキード・マーティン・エアロニュークスの施設でも行われた[16]
興行収入

2016年12月25日、全米25館で本作の限定公開が始まり、51万ドル余りを稼ぎ出した[17]。翌年1月6日から始まった拡大公開の初週末には2280万ドルを稼ぎ出し、全米興行収入ランキング1位となった[18]
史実・原作との相違点

本作は1961年のNASAを舞台にした作品であり、当時のNASAに白人用の設備と黒人用の設備が存在したかのように描かれている。しかし、1958年に
アメリカ航空諮問委員会(NACA)アメリカ航空宇宙局に改組された際、そうした差別的な設備は取り払われた。また、劇中のドロシー・ヴォーンは昇進願いを却下されているが、実際のヴォーンは1949年の段階でスーパーヴァイザーに昇進している[19]

劇中でメアリー・ジャクソンは工学の学位を得ようと奮闘する女性として描かれているが、実際のジャクソンは1958年の段階で工学の学位を修得し、エンジニアの職を得ている[20]。また、劇中でキャサリン・ジョンソンは1961年にNASAに配属されたことになっているが、実際のジャクソンは1953年の段階でNASAの前身であるNACAに配属されている[21]

劇中では、アル・ハリソンがSTGの責任者であったとされているが、実際のSTGの責任者はロバート・R・ギルラス(英語版)であった。これは複雑な人間関係を分かりやすくするための処置であった。ヴィヴィアン・ミッチェルとポール・スタフォードは実在の人物ではなく、当時のスタッフの行動及び価値観を分かりやすい形で反映したキャラクターとなっている。なお、カール・ジーリンスキーはメアリー・ジャクソンのメンターであったカジミェシュ・クザルネッキ(英語版)をモデルにした人物である[22]

ジョン・ハーシェル・グレンがジョンソンにIBM 7090の計算が正しいかどうか確かめて欲しいと依頼するシーンがあるが、現実のジョンソンはそのシーンの数日前から検算に取り組んでいた[23]

評価

本作は批評家からも観客からも極めて高い評価を受けている。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには171件のレビューがあり、批評家支持率は92%、平均点は10点満点で7.6点となっている。サイト側による批評家の見解の要約は「観客が喜ぶであろう心温まる雰囲気の中で、『ドリーム』はアメリカ史から見落とされてきた人々による重大な貢献を周知している」となっている[24]。また、Metacriticには43件のレビューがあり、加重平均値は74/100となっている[25]。なお、本作のCinemaScoreはA+となっている[26]

IGNのサイモン・トンプソンは本作に10点満点中9点を与え、「『ドリーム』は魅力を引き出す演出によって、忘却の彼方に追いやられた―そこまでは行かなくとも、多くの人々に知られていない―黒人女性たちを見事に描ききっている。俳優陣による上質の演技と優れた物語によって、本作は観客の時間と金、注目を得るに値する娯楽映画になっている」と評している[27]。『ボストン・グローブ』のタイ・バール(英語版)は「『ドリーム』は実在した3人の女性たちと彼女たちを演じる3人の女優のおかげで見事な作品になっている。何より良いのは、この映画を見ることで、キャサリン・ジョンソン、ドロシー・ヴォーン、メアリー・ジャクソンの業績を知ることが出来るということだ。この映画が後世に残ることで、私たちの子孫もこの3人の功績を知ることが出来るのだ。」と述べている[28]

キャサリン・ジョンソンは「よく出来た映画でした。主演3人は私たちを見事に演じきっていると思います」と述べている[29]

2020年6月、NASA本部は庁舎を本作にちなんで「メアリー・W・ジャクソン」へと改称する方針だと発表した[30]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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